本多 諭 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
大学4年生の時、就職活動でいくつか就職活動をおこなったが、特に入りたいところはなく、せっかくだから何かしたいという気持ちが芽生えたのが司法試験の受験を志したきっかけです。
大学1年生の頃、「司法に携わる仕事は屁理屈の言い合いで面白くないかも?」と思っていましたが、いざ司法試験の勉強を始めていると学ぶことがたくさんあって面白かったです。
司法の仕事の中でも弁護士を選んだ理由は、自分の力で独立してみたいという思いがあるためです。就職活動をしている際もいつかは独立したいと思っていました。
仕事の中で嬉しかったこと
裁判に勝ち、依頼者の方に喜んでもらえるとやはり嬉しいです。特に嬉しかったのは親権問題の裁判に携わった時ですね。子供は小さいのですが、母親が虐待をしている恐れがあるためにどうしても子供を引き取りたいという父親からの依頼でした。
虐待は立証が難しいし、大抵、小さい子供の親権は母親に渡ってしまうものなので難しい内容でしたが、最終的には父親が親権を得ました。その時は父親が声をあげて喜んでくださったので、こちらまで喜ばしい気持ちでいっぱいになりました。
印象に残っている案件(事件)
冤罪に近い事件が印象に残っています。ある男性が暴れた女性を抑えつけたところ、その女性が通報したため、傷害罪として捕まってしまいました。抑えつけた時に爪のあとなどが残り、女性が暴行されたと言ったのです。この事件は、犯行を認めていないいわゆる否認事件であったので、無罪となる可能性はかなり低いものでしたので、難しい事件でした。
加えて、男性は早期に身柄が解放されることを切望していました。長い間拘留されることになっては、仕事をクビになるなどたとえ無罪になったとしても、男性の将来に問題が生じる可能性が高いからです。
女性が暴れたことによって男性の顔や腕などに引っかかれた傷があったりしたのでその写真などを提出し、必死にこちらはむしろ被害者であることを裁判所、検察官に訴えた結果、15日ほどで男性の勾留が取り消されることができました。
私としては、もっと早く出してあげたかったと思いますが、男性が喜んでくれましたし、結論的に起訴にも至りませんでしたので一件落着できてよかったです。
弁護士になって大変だと感じること
裁判によっては依頼者の人生を左右させるものもあるので、絶対に負けられないというプレッシャーがあることです。特に大事な裁判の前日であったら、夜寝ながらも裁判のことを考えてしまいます。気持ちが高ぶって眠れません。
全てを重く受け止めないで客観的に仕事内容を考えることができるようになれば、プレッシャーを感じなくて済むのではないかと思っています。だんだん、そうなっていけたらいいですね。
仕事をする上で意識していること
依頼者側の考えを最大限尊重することを心がけています。私が「その和解案はとても良いな」「その主張は絶対に無理だ」と思っても、依頼者側がそれについて納得していない場合もあります。
以前、ある土地と建物に関する案件で、依頼者側がその土地と建物が欲しいという主張に対して、相手側が現金で土地・建物代を支払うという和解案を提示してきたのです。
私は土地の地価が下がっていたこともあり、その和解案はとても良いなと思い、1回期日を延ばすことにしました。しかし、依頼者にとってはその土地と建物自体が大切であり、その和解案は受け入れられませんでした。
私が依頼者の意見をしっかり理解していなかったために1回の期日を無駄にしてしまったのです。だから、依頼者の主張をしっかり聞き、依頼者の立場になって考えることが大事だなと本当に思いました。
関心のある分野
事務所でも中心的に扱っているので、離婚や相続など身分関係に関心があります。
身分関係では、基本的に「男が慰謝料を払う」「小さい子供は女性が引き取るもの」などの風潮があり、どうせ結果は見えていると我慢をしている男性の依頼者や、女性の方でも、「離婚をしたら生活ができないから離婚したくてもできない」と不安を持っているケースがとても多いです。
そのような方々に身分関係の制度を知っていただいて、気軽に相談しても大丈夫だということを伝えたいですね。その人に合った作戦を立て、アドバイスしていきたいと思います。
今後の弁護士業界の動向
弁護士が増加しているので、仕事があぶれる弁護士もでてくると思います。最近は、国選弁護に行っても人数分の仕事がなかったということも多々あります。
今後のビジョン
弁護士が増加したとは言いますが、地方はまだ弁護士が足りていないと感じております。地方で弁護士をしている知人に「1人あたりの仕事が多すぎて大変だ」という話もよく聞きます。だから、まずは地方で弁護士が下働きをして経験を積むという制度があっても良いなと思いました。
また、私としても、仕事があぶれないように、弁護士の仕事の枠を取り払って、今までは弁護士の仕事ではなかった分野の仕事をこなしていけるようになっていけたらいいなと思います。