弓削田 博 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
小学生のころにリンカーンの伝記を読んで弁護士という職業の存在を知りました。幼い頃よく屁理屈を言う子供だったらしいのですが、それでよく姉から、お前は口答えが上手だから弁護士にむいていると言われ、そんなものかなと思ったのがきっかけです。
そして、弁護士になろうと強く思ったのは、私の実家の前に暴力団の事務所があったことが契機です。人相の良くない人達が事務所の前で騒いでいたり、ベンツなんかを違法駐車していても誰も何も言えなくて、自分もその「怯える住民」の1人でした。暴力団の迷惑行為に対して何も出来なかった自分が悔しくて、弁護士になればこうした暴力団の迷惑行為に正面から闘えるのではないかと考えたのです。
学生時代
大学2年の冬くらいまではアルバイトや飲み会に明け暮れておりましたが、それ以降は受験勉強に取り組みました。大学3年からは川端博先生の刑法のゼミに入っておりました。
受験時代に苦労した話や、勉強をする中で工夫したこと
初めての司法試験挑戦の年に1日15時間くらい勉強をした時期があったのですが、それまであまり詰めて勉強をした経験がなかったからか自律神経失調症になってしまい、1か月以上机に向かうどころか立つことさえままならなくなってしまったことです。
自分の身体をコントロールできないのは辛いことです。勉強の工夫ということでは、効率的な勉強方法をよく研究しました。普段の勉強は、内容を理解しながら「試験直前期に一気に見通せるもの」を作成することだと学んだのです。こうした資料を1科目あたり1冊にまとめることが大事だと思います。
司法試験のために学んだ知識で実務に役立ったこと
民事系の択一の知識ですね。もちろん、択一の知識だけで解決するほど実務で直面する案件は簡単ではありませんが、一見無理筋で諦めかけた案件について、択一の知識を駆使して、それをベースに逆転の結果を引き出したことは何度かありますね。
印象に残っている案件(事件)
弁護士3年目から担当して7年間続いた事件ですね。最後は最高裁までいった「鉱業法」に関する裁判でした。法律と現場との間にギャップが生じており、そのどちらを採るかが争われました。最高裁が、法律よりも現場を優先すべきとする当方の主張を認めた東京高裁の判決を支持して事件は終了しました。
弁護士になって大変だと感じること
弁護士は自営業者ですので、勤務時間が決まっておらず、オンとオフの切り替えが難しいという点です。弁護士は検事や裁判官のように転勤がないので、常に仕事に追われている感じがします。
休日の過ごし方
書面作成の仕事をしていることが多いです。たまに、車の運転もします。
弁護士としての信条・ポリシー
まずは、仕事のスピード感です。もちろん、早くて完璧な仕事ができればそれに越したことはありませんが、「1週間後の100点より、明日の80点」を望まれる依頼者も少なくないので、スピード重視で仕事に取り組んでいます。
それから、これはどの弁護士もそうでしょうが、依頼者に対して丁寧に説明することです。もちろん、依頼者を安心させることも大事ですが、リスクがある場合や見込みが明るくない場合でも、それをきちんとお伝えするようにしています。
依頼者に対して気をつけていること
私にお任せします、という依頼者の方もいますが、私は、常に依頼者の方に当事者意識を持っていただくようにしています。弁護士は材料を提供してもらって、それを料理するだけで、実際にできた料理を食べる、つまり、出た結果を受け入れることになるのは当事者である依頼者です。そこで、「弁護士は料理人、依頼者は料理を食べる人」ということを説明することにしています。
関心のある分野
広告関係法規です。薬事法関係だけではなく、景品表示法を含めてご相談は少なくないです。また、破産管財人の仕事も増えてきており、倒産法にも強い関心があります。
今後の弁護士業界の動向
弁護士の人数が増加しても、きちんとお仕事をされている弁護士には大きな影響はないと思います。ただ、今までよりもさらにスピードが要求される時代になっていくと思いますので、スピード感のある弁護士が選ばれていくということはあるのかもしれません。
今後のビジョン
大きな倒産事件などのマンパワーが必要な案件を扱えるよう、事務所のメンバーを増やしていきたいと考えています。
ページを見ている方へのメッセージ
法律問題は、誰にでも起きうるし、また、いつ起きるかわかりませんので、日頃から弁護士を上手に使っていただきたいと思います。また、お医者さんを選ぶのと同様、弁護士を選ぶのもご自身です。ご自分のためにきちんと働いてくれる弁護士を探すようにして下さい。
(2010年6月インタビュー実施)