山口 宏 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
弁護士は、苦渋の消極的選択でした。理想としては、小説家を目指していましたが、書いては捨てての繰り返しでした。就職するのは荷が重いが、社会に出ないのでは周りの人々にうるさく言われてしまいます。そこで、年齢の参入障壁がなかった弁護士を目指して勉強を始めました。
印象に残っている事例
いくつかの小さな刑事事件の案件が印象に残っています。司法権は、人を死刑にしたり、財産を競売したりする強力な権力です。総理大臣でもこんな権限は持っていません。それぞれやむにやまれぬ事情を抱えた人が、その強大な権力によって逮捕されて拘束されているのを救出するのは、スリリングでやりがいのある仕事です。
仕事の中で嬉しかったこと
依頼者が望まないことを強いられそうなときに、その桎梏から解放してあげられれば嬉しく感じますし、そのことで依頼者に感謝されるとやはり嬉しいです。
弁護士になって大変だと感じること
証拠の検討とか、書類の準備などは、時間をかければそれだけ結果も良いので、どうしても寝る時間を削らなければなりません。遊ぶ時間や休日などがなかなか取れないことが大変です。
休日の過ごし方
休日をつぶして仕事をすれば、その分平日が楽になりますが、現在小学生の娘がいるので、その娘と一緒に遊ぶことにしています。
弁護士としての信条・ポリシー
まず、依頼者の気持ちが第一です。しかし、それだけではいけません。
悩みは誰しもが抱えているものです。貸したお金を裁判で取り返したいと考えている依頼者にとって、相手に財産がないときは、もしかしたら一番良いのは、その貸したお金のことを忘れてしまうことかもしれません。どうしても忘れられないときは、うつ病などの病気になるか、裁判で権利主張をするかどちらかということになるでしょう。
でも、裁判をしてもお金は返ってこないかもしれません。そのときにどう対処するのかが、実は一番難しい問題であり、そこをきちんとフォローすることが大切なのではないかというのが大事にしている信条・ポリシーです。
依頼者に対して、気をつけていること
依頼者の気持ちを大切にしてお話を伺うことです。中には、自分で裁判は半ば無理であると考えながらも相談に来られる方もいます。そういう方は、話を聞いてさしあげ、説明してあげることで満足して帰られます。
関心のある分野
楽器も趣味としてやっているので、音楽著作権に興味があります。
今後の弁護士業界の動向
昭和の時代には、ルールをはっきり示さなくとも、世間の中で倫理観が人々の共通感覚としてありました。しかし、今後は共通感覚とルールがずれ、ルールが共通感覚から独立したものとして存在することになり、争いの多い住みにくい社会になると思います。
弁護士業界もそうした争いの多い社会に対応していくことになるのでしょうが、日本が、アメリカのように訴訟社会になるのか、それとも訴訟以前に和やかな解決ができる社会になるのかは、弁護士の姿勢如何であると思います。
今後のビジョン
現在のように、企業や個人の悩みに接して、解決の手伝いをしたいです。そして、それがうまくいくことで喜んで頂く、そういったことを今後もささやかな楽しみにしていきたいです。また、同時に小説も書き続けたいとも考えています。
悩みを抱える方へのメッセージ
裁判は決して良いものではありません。一番は忘れるべきなのです。しかし、我慢が出来ない時は、次善の策としてお手伝いさせて頂きたいと思います。