- 遺留分侵害額請求(遺留分減殺請求)
遺留分として約1,600万円を請求されたが、相手方自身が受けていた生前贈与を主張し、9割減の約160万円で和解を勝ち取った事例
相談前の状況
亡くなったご家族が遺言を残しており、ご相談者はその内容に従って遺産を相続しました。ところが、遺言で遺産を受け取れなかった相手方から、遺留分(一定の相続人に法律上保障されている最低限の遺産の取り分)が侵害されているとして、約1,200万円の支払いを求める訴訟を起こされました。
ご相談者としては、相手方自身も生前、亡くなったご家族から1,000万円を超える住宅購入資金の援助を受けていたにもかかわらず、多額の支払いを求められたことに納得がいかず、ご相談に来られました。
解決への流れ
ご相談者の代理人として訴訟に対応しました。住宅購入時の取引記録から、購入代金を亡くなった被相続人が負担していたことを示し、相手方が受けた援助は生前贈与(特別受益)に当たるため、相手方が請求できる額から差し引くべきだと主張しました。
相手方は自己資金で支払ったと反論しましたが、裏付けとなる証拠がないことや、説明が途中で変わっている点などを具体的に指摘しました。
審理の途中で、相手方は請求額を約1,600万円とする主張をしてきましたが、裁判所は当方の主張を踏まえ、支払額を約200万円とする和解案を示しました。
当方は、昔の贈与は相続開始時の貨幣価値に換算すべきことなどを主張してこの和解案にも応じず、尋問を経て、裁判所の和解案よりも低い約160万円を支払う内容で和解を成立させました。相手方の請求額の約9割を減額することに成功し、相手方との間の関連する金銭問題も一括して解決しました。
髙田 英治 弁護士からのコメント
遺留分の計算では、相続人が受けた生前贈与は、原則として亡くなる前10年以内のものしか計算の基礎に加えられないため、「古い贈与は関係ない」と思われがちです。
しかし、遺留分を請求する側が自ら受けていた生前贈与(特別受益)は、10年以上前のものでも、請求できる額から差し引かれます(民法1046条2項)。本件では、相続開始の10年以上前の住宅購入資金の援助を、取引記録などの客観的な資料に基づいて主張したことが、大幅な減額につながりました。
また、裁判所の和解案が示された後も、贈与当時と相続開始時の貨幣価値の違いなど、ご相談者に有利な事情を最後まで主張したことで、和解案より低い金額での解決を実現できました。遺留分を請求された場合でも、請求額をそのまま支払わなければならないとは限りません。お早めにご相談ください。
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