竹川 忠芳 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
中央大学の法学部に入学して、「玉成会(ぎょくせいかい)」という、一番古く、由緒正しい研究会に入ったことでしょう。また当時の中央大学では、クラスの4分の3の生徒が司法試験を目指す環境だったことも影響したと思います。
印象に残っている案件(事件)
1.駆け出しの頃国選弁護士として担当した、交通事故の事件です。私は自動車でひき逃げをしたと疑われた被告人の弁護をしました。ひき逃げをしたかどうかが争われたのですが、被告人は「人をひいた覚えはない」と主張したため、この点を主張して執行猶予をとることに専念しました。
結果として執行猶予がとれたので、この事件は解決したように感じましたが、判決後に被告人に「実は人をひいたことが怖くなって、逃げた」という話を聞かされたのです。このとき、弁護士も騙されるのだなと実感した思い出があります。
2.会社の内紛事件です。親が社長、長男が専務という立場で、長男がクーデターを起こすといった内容のものです。毎日色々な動きがあり、訴訟事件を抱えながら、独りで対応するのは時間的にも精神的にもとても大変だったので、弁護士事務所は1人でするのは大変だと実感しました。
3.欠陥住宅の事件です。日本では建築請負工事契約の内容が余りに業者寄りになっているため、注文者にとって重要な建物の品質についての約束が不明確なわけです。つまり、注文者が建物の出来、即ち、品質に不満を持ったとしても、それが法律的な意味での「瑕疵」であるとは言えず、責任追求できませんでした。
そこで、やむなく、契約内容に踏み込まずに「建築基準法違反=瑕疵」であるとする判例が、今では定着し始めました。これは、消費者保護の観点からは前進と言えますが、建設会社の方では、建築基準法に違反しない程度の建物ばかり作るようになってしまいました。
しかし、建築基準法は「最低基準」を定めたにすぎませんから、いわば最低基準の建物ばかりができているというのが現実です。私としては、裁判に勝ったから良かったとばかりは言っていられません。良質の建物が建つように、社会のシステムそのものにメスを入れる必要を痛感しています。
仕事の中で嬉しかったこと
勝訴すればもちろん嬉しいです。しかし、依頼者に感謝されるときが一番嬉しく感じます。
弁護士としての信条・ポリシー
依頼者の話を、憶測を持つことなく白紙の気持ちで聞くことです。そのときには、依頼者の立場に立って話を聞きます。そして、その話を「第三者」の立場から、再度判断してみます。
これらの作業を通すことで、依頼者の立場、気持ちが理解できると共に、その適否についても依頼者にアドバイスできるわけです。このような立場からのアドバイスに対しては、依頼者も比較的納得しやすいように思っています。
依頼者に対して気をつけていること
ご依頼者様との付き合い方で大事なことは、相談事を通じて、依頼者の方の気持ちが少しでも軽くなって帰っていただくことを考えています。いわば、カウンセリングをするようなものでしょうか。言い換えれば、その事件の説明を法律家という専門家の立場から分かりやすくして、裁判所で今後どのような見通しになるかを教えてあげることです。
ご依頼者様は人と人との間に紛争を抱えているため、気分的に重病患者と同じ精神状態にあると言えます。だからこそ、きちんとカウンセリングをすることで、喜んで頂けたら幸いなのです。
関心のある分野
現在は建築の分野に興味があります。現在、建築基準法が社会の実情にそぐわなくなっていて、いたるところで建築紛争が生じております。もう少し実情に合い、良質の建物が建てられるように、建築の法律を変えるべきだと感じております。
今後の弁護士業界の動向
現在、弁護士の数が急激に増えており、今後は、ますます過当競争になってくると思います。自ずと弁護士も訴訟の場以外で活躍する時代が来るのだろうと思いますが、問題は社会の期待に応えられるだけの人材が適切に配置されるだろうかとの心配があります。
彼等が期待に反したものであれば、一挙に弁護士に対する信用がなくなる可能性もあります。人材を育てることがますます必要になるように思えます。
今後のビジョン
まず、人間的にも法律技術のうえでも立派にやっていけるような人材や、後輩を育てたいと思います。そして、今まで培ってきた人脈を生かして、少しでも社会のお役に立てれば幸いと思っています。
ページを見ている方へのメッセージ
私の事務所である「竹川忠芳法律事務所」は、男性2人と女性2人の弁護士がいます。私たち4人の弁護士は、性別の面でも年齢の面でも非常にバランスがとれています。また、事務員を含めて、全員がとても人柄が良く、どんな事件も真剣に取り組んでいることをお伝えしたいと思います。