栃木 義宏 弁護士 インタビュー
弁護士になろうと思ったきっかけ
高校生の時に、岩波新書(B.ダンハム「現代の神話」「鎖につながれた巨人」)等を読み、社会改革活動をやりたいと思い、弁護士になろうと思いました。
印象に残っている事件
昭和58年に、初めて個人企業の和議を担当して会社を再建させたとき、和議法のことなど何も分からないまま取りかかったので、右往左往してしまいました。
また、債務整理で企業の再建を図ろうとして債権者集会を開いたら、債権者の代理人で来ていた弁護士が、その企業に不正があると演説し、さらに仕入業者をまとめて破産をかけてきたため、衣料品の店舗を保全で抑えられそうになりましたが、機転の利く店長がいて、何とか差し押さえされずに済み助かりました。
もしこのとき機転の利く店長がいなくて商品の差し押さえがされてしまっていたら、和議による再建はできなかったと思うので、強く印象に残っています。
仕事の中で嬉しかったこと
世間的には和議法の時も今の民事再生法でも、企業の再建は難しいと思われています。しかし、申立書を作成し、裁判所から弁済禁止命令をもらい、金融機関を回り、従業員に説明して、従業員にもやり直そうという気持ちになってもらい債権者説明会を行うと、企業としての存続の見通しが立つので、ほっとしたような気持ちになります。
1つ1つの事件に個性があり、運・不運のようなことで影響を受けますが、必ず奇跡的なことがあって、何とか切り抜けられますが、そのようなときは非常に嬉しい気持ちになります。
弁護士としての信条・ポリシー
・正しいことであれば、千万人といえども我一人で闘う、何者にも屈しない。
・白は白、黒は黒という気持ちで、正しいことをやりたい。
依頼者に対して気をつけていること
債務整理でも、依頼者の方が本当のことを言いたがらなくて「実は!!」ということが3度あると言われています。そのために、最初に相談を受けた時より債務が増えてしまって、最初の方針通りではやることができなくなることがあります。
依頼者の方には、まずは弁護士を信頼してもらって本当のことを言ってもらいたい。それが中途半端だと、結局、依頼者のためにならないのです。
また、中には本当のことを言わないで、都合の良いことだけを言って弁護士を利用しようとする人もいるので、注意する必要はあると考えています。
関心のある分野
「中小零細企業の再建、債務整理の分野」です。
中小零細企業が、従業員の人数が減少したとしても企業として存続できれば、働く場所が確保され、それだけでも社会の役に立っているということが実感できるからです。
これまで116社の法的再建手続きを申し立てて、100社の認可決定をもらいましたが、死ぬまでにあと100社はやりたいと思っております。
再建させた企業の数で記録を打ち立てようという意気込みで取り組んでいます。
今後の弁護士業界の動向
司法改革は失敗だと思っています。日本はお金をかけないで改革ができると錯覚しますが、本当に必要な改革にはお金がかかるものです。
日本を法化社会にしようとの目的は正しいのですが、弁護士だけを大量に増員しても法化社会にはなりません。迅速な裁判のためには裁判官を増員しないとダメだと考えます。
弁護士の大量増員時代になって、それだけで仕事を新たに見つけ、どう分け合うかが課題になります。法化社会のためには、弁護士が経理の知識を取得し、一定以上の企業の監査役に就任していく必要があるのではないかと思います。
今後のビジョン
“破綻に至っても企業は存続することに価値がある”という私のような考えは、弁護士界ではまだ少数派です。
私のところに来ればやり直せたのに、他の弁護士のところに相談にいったばかりに破産・清算になってしまう事案はまだまだたくさんあると思います。
それだけに、私の元気な限り、企業再建という自分のライフワークを続けて皆様のお役に立ち、少なくともあと100件の民事再生認可決定を得たいと思っています。
ページを見ている方へのメッセージ
弁護士も医者と同じで得意分野と言いますか、専門分野があります。
間違えれば、外科の手術が必要なのに、内科の医師に診てもらっただけで命を落とすようなことになりかねません。弁護士の専門分野・経験に注意してください。
弁護士に相談する場合に、前に自分と同じような事案を処理したことがあるのかと、その内容を聞いてみられるのが良いでしょう。少なくとも経験の有無くらいはわかり、依頼する際の参考にできるのではないでしょうか。