石橋 有悟 弁護士 インタビュー
印象に残っている案件(事件)
国選で担当した控訴審における刑事事件が印象に残っています。一審で有罪判決が出ている在宅起訴の傷害事件でした。被告人は、被害者を殴ってなどいないと無罪を主張しております。話を聞けば聞くほど被告人の言っていることが真実に聞こえてなりません。一方で傷害の被害者とされる者や被害者側の証人の証言は精査すればするほど不合理で矛盾を多く含むものでした。
そこで私は、本件は会社内部の対立から被告人を職場から追い出し、更に慰謝料を請求するため被害者らによって仕組まれたもの、とのケースセオリーをたてて控訴趣意書をしたためました。新たな客観証拠も多数提出することができました。
公判では一審の敵対証人がもう一度取り調べることが認められるなど、一審判決もひっくり返るのでは、と確かな手応えも感じておりました。しかし、さんざん期待を抱かせられながらも控訴は結局棄却され、それに続く上告はあっけなく却下、最後に残ったのはとてつもない徒労感のみでした。
しばらくの間は「刑事弁護はむくわれない、こんなことやってられるか!」と真剣に考えたものです。しかし不思議なことに、時が経つにつれて酔狂な弁護士が一人くらいいてもよかろうと思うようになり、今では以前にも増して積極的に刑事弁護に取り組んでおります。
で、周りを見回すと結構いるんですね、酔狂な、というと叱られてしまうのでとてもとても真面目な弁護士達が(笑)。
この事件は在宅起訴の傷害事件で執行猶予もつくし、示談金を払えば起訴もされないような一般的には小さな事件ということになるのでしょう。しかし、当事者にとっては大事件です。今までは検察官はきちんと捜査しているだろうし、裁判官もきちんと判断してくれるだろう、と心のどこかで甘えがあったのですが、今ではその様な考えはなくなり、少しは成長したのかなと思っております。
ちなみに本件についてはしつこく再審を検討中です!
仕事の中で嬉しかったことや楽しいこと
弁護士として、というわけではないのですが、非常に恵まれた職場で働かせていただいているのが何と言っても有難いですね。所長から事務方に至るまで、皆、最高の仲間です。そういう環境であればこそ、事件に対しても皆で一丸となって最善の解決に向けて頑張りますし、仕事に対する充実感も生まれてくるのです。
また、弁護士は法律を語ることができなければならないのは勿論ですが、それ以上に事実を探って事件の筋を見極めることが肝要です。この探偵のような作業には非常にやりがいを感じますね。そして腑に落ちた理解に到達した瞬間は正に快感です。
弁護士になって大変だと感じること
人前で堂々と話すことが求められることが多いことでしょうか。いつまで経っても照れくさくて、もじもじしてしまいます(笑)。
休日の過ごし方
休日だから特に平日と違うということはないですね。休日でも仕事があれば仕事をしますし、平日でも遊ぶ時は遊びます。とはいっても最近は休日も平日も仕事、仕事、仕事ですが。
関心のある分野
刑事事件は性に合っていると分かりましたが、別に好き嫌いがあるわけではないので、お客様に満足頂けることを最高の目標に掲げ、来るもの拒まずという姿勢でやっております。
特殊なところでいうと事務所では税務訴訟を扱っているので今後は税務訴訟の経験をどんどん積んでゆければよいなと考えております。
今後のビジョン
目の前にある仕事を一つ一つ確実に仕上げ、後は成り行きにまかせる、その結果自分がどこを巡り、どこに行きつくのか、わくわくする冒険をし続けたいですね。