豊原 信治 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
大学卒業後は銀行に入りました。しかし、元々サラリーマンではない仕事がしたかったこともあり、自分の中に何かモヤモヤした気持ちがありました。また、当時はバブルの絶頂期で、仕事も色々とあやふやな部分があり、そこに疑問を感じながら仕事をしていました。
そんな時、法律の世界には必ず拠り所とできる理念があることに思い至り、弁護士を目指したのがきっかけです。
印象に残っている案件(事件)
実質的に日本初のプロジェクト・ファイナンスとも言えるユニバーサル・スタジオ・ジャパン向けプロジェクト・ファイナンスに、レンダ-側弁護士の一員として携わった案件です。
最初は全て英語での交渉でした。当時はまだ日本にない融資の方法でしたので、交渉した英文のドラフトを全て日本語に直し日本法化して、これまで日本になかった契約書を一から作りました。
自分の持っている法律知識・リーガルマインド・経験を頼りに契約書を一から作る仕事をできたことは、とても良い経験でした。
仕事の中で嬉しかったこと
やはりお客様に感謝された時が一番です。また、仕事を通じて出会った人々と仕事上の付き合いを超えた付き合いができた時は嬉しいですね。特に1~2年かかる仕事をした時は、一緒に仕事をする時間が長い分、付き合いも深いものになります。
弁護士としての信条・ポリシー
私は企業を相手に仕事をしているのですが、ビジネスの世界では限られた時間と予算の中で仕事を進めなければなりません。ですので、「スピーディな対応」と「簡にして要を得たアドバイス」がポリシーです。
ビジネスにかかわる仕事では弁護士もいわばチームの一員なわけですが、チーム全体の仕事のスピードは、メンバーの中で一番遅い人のスピードで決まります。ですから、「スピーディな対応」をモットーに、自分が案件を遅らせる要因にならないように心掛けています。
また、どんなに優れたアドバイスも、依頼者に理解されなければ何の意味もありません。限られた時間の中で依頼者に理解してもらえるよう、「簡にして要を得たアドバイス」を目指して、要点が何かを分かりやすく伝えるように努めています。
休日の過ごし方
休みの日は基本的には家族と過ごすことが多いですね。また、運動をしたりしてリフレッシュしています。休みの日はしっかりと休み、心も体も良いコンディションを保つことが、良い仕事の前提だと考えています。
関心のある分野
当然ながら、主たる業務であるストラクチャード・ファイナンスに一番関心があります。それ以外では、最近モンスター・ペアレントやクレーマー等、モンスター○○○というのが問題になっていますが、その分野にもっと弁護士が関わった方が良いのではないかと思っています。
今は学校の先生やお医者さん等が個人的に対応をしている例が多いようですが、そこに弁護士が入ることで、それらの方々に本来の仕事に専念してもらった方が、社会全体として望ましいのではないかと思われるからです。
海外での実務経験を含め、印象に残っていること
1年間ニューヨークのロースクールに留学し、弁護士資格を取りました。その後1年はロンドンに行き、ローファームで経験を積みました。アメリカとイギリスという、同じ英語圏ながら大西洋をはさんで全く異なる2つの文化を経験できたのは大きな収穫でした。
ニューヨークに関して印象に残っていることは、ニューヨークの弁護士は日本人以上に本当によく働くらしい、ということです。私はニューヨークで働いたわけではないので、友人からの伝聞やロンドンでの見聞なのですが、ニューヨークの弁護士は24時間働いているというイメージがありました。
しかも、地位が上がれば上がるほどよく働くということで、10年20年とキャリアを積むと仕事の現場から離れてしまう人が多い日本とは、極めて対照的だとの強い印象を受けました。
ロンドンの人達は、これとはまた全く異なり、生活を非常に大切にしていました。弁護士も法律事務所のスタッフも夕方18時頃には皆帰宅してしまいます。しかしその分、朝はとても早くお昼も休まずサンドイッチをかじりながら仕事に集中する、というスタイルでした。朝は9時半に出勤し、夜遅くまで事務所には居るけれども、仕事をしていない時間も多い、という日本のスタイルとは、全く異なるものでした。
この2つの印象は、私の帰国後の仕事のスタイルに、極めて強く影響しています。
今後の弁護士業界の動向
司法制度改革は、少し急ぎすぎたのではないかと思います。弁護士増員を上手く吸収できないという問題を抱えていますから。ただ、だからと言って、弁護士業界全体としては、決してお先真っ暗ではない、と思います。
既存の弁護士の仕事に対する社会のニーズは引き続き確固としてありますし、さらに、これまで弁護士が関わるべくして放置されてきた分野がまだまだあるはずですので、業界全体として弁護士の活躍できる分野が増えることは間違いない、と思います。
問題は、それよりも弁護士の増員のペースの方が速いかも知れない、ということですが。
今後のビジョン
頼りにしてくれるお客さんがある限り、これからも今やっている仕事を中心にやっていくつもりです。また、他の弁護士とコラボすることで視野や仕事の幅が広がると思うので、そういう仕事にもチャレンジしていきたいですね。
ページを見ている方へのメッセージ
弁護士とは縁がない方が良いのかも知れませんが(笑)、何かあった時は、きちんと自分に分かるように説明をしてくれる人かどうか、そして、その内容をきちんと書面にしてくれる人かどうか、というのが、良い弁護士を見つけるコツではないかと思います。私だったらそういう弁護士を探そうと思いますし、私自身そういう弁護士でありたいと思っています。