前川 晶 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
小学校4年生くらいのときに弁護士が主役のドラマを見たのがきっかけです。火曜サスペンスのようなドラマで宇津井健が弁護士役でした。今でも鮮明に覚えていますね。
印象に残っている案件(事件)
交通事故の被害者の代理人をやった案件が印象に残っています。依頼者の方は事故で脳に障害が残り、事故当時の記憶がありませんでした。その上、加害者が刑事事件で無罪になったため、新証拠がないかと夜中に事故現場に行ったり、目撃者の家に会いに行ったりしました。
結果的には和解になったのですが、訴訟はそれで終わるにしても、ご家族はこれから長い年月大変な思いをすることになるというのだなと思ったことが心に残っています。
また、ある外国企業のM&Aをやるときに外国との文化の差を感じたことも印象に残っています。往々にして外国の方は弁護士に対する要求水準が高く、ビジネスに踏み込んだところまでアドバイスを要求するという点が日本とは異なると思いました。
仕事の中で嬉しかったこと
特定の事件ではないのですが、お客様に喜んでもらえることが一番嬉しいです。事務所にいらっしゃる時には暗い顔をしているお客様が、帰る時には笑顔になっている、それを見ることが弁護士の醍醐味です。
弁護士になって大変だと感じること
何より責任の重さです。事件の一つ一つが当事者にとっては一生に一度の経験であり、人生を左右する出来事です。こちらとしては日常的な業務ですが、責任の重さは常に感じています。
専門分野である金融法務について
私は関東財務局に勤めていた経験を生かして、現在金融法務に携わることが多いです。金融は全ての経済活動の源泉になるものです。いかに適正にお金を出していただけるか、ということは非常に重要なことです。そのような経済活動の源泉を深く見られることは非常に魅力的であると思います。
関東財務局での仕事と弁護士との違い
基本的に公務員と弁護士は違う発想です。公務員はやはりトップダウンで仕事をするので裁量の幅が広くありません。弁護士の方がやれることの幅は大きいです。ただ公務員は公益というバックボーンがあり、やることがぶれない、したがって悩みが少ないという側面もあります。弁護士の正義は基本的には相対的なものですから。
休日の過ごし方
子どもと遊んだり、最近始めたテニスやゴルフをしたり、一般的な社会人の休日を過ごしています。
弁護士としての信条・ポリシー
漠然とした言い方かもしれませんが、最善を尽くすということ以外ないです。お客様のために何ができるかを常に考えるようにしています。
依頼者に対して気をつけていること
「説明」を心がけています。方針、見通し、進行、報酬などをできるだけ詳しく説明し、理解していただいた上で前に進めるようにしています。
関心のある分野
金融法務を別にすると、租税訴訟などに最近は興味を持っています。私の仕事の内訳としては金融が3割、その他のいわゆる一般民事(企業法務含む)が5割、ロースクールの講師が2割という感じですね。ロースクールの講師をしていて感じることとしては、今の学生は非常にまじめで勉強熱心であるということです。
今後の弁護士業界の動向
大きい事務所の動向は分かりませんが、中堅から中小の事務所は1つ1つの仕事をきちんとやっていけば大きく変わることはないと思います。ただ、現状の就職難は司法改革の失敗だと感じます。真面目に修行さえすれば独立してやっていけると思うので、その最初の修行の場所を整える努力を弁護士会にはしてほしいと思います。
今後のビジョン
今年の2月に友人2名の事務所(法律特許事務所イオタ)に合流したばかりですので、まずは早く融合して、強固な協力体制を築きたいと思います。また、個人事務所の頃よりも落ち着いて業務ができる体制になり、質量共に守秘範囲も広がったので、何か新しい分野に挑戦したいと思っています。現時点ではあくまで希望ですが、ベトナムなど他のアジアの法務も取り扱うことができればと思っています。