西岡 弘之 弁護士 インタビュー
弁護士を目指した理由
私は32歳になってから弁護士を目指しました。大学は文学部でしたし、大学を出てからしばらくミュージシャンをしていましたので、司法試験の勉強を始めた平成6年まで、法律とはほとんど関係のない世界にいました。
20代の頃は演奏家としてコンサートツアーに行ったり、CDのレコーディングに十数枚参加したりしていました。30歳ぐらいのころからそれと並行して、人を集めて内装業の手伝いを請負でやっていました。
そういうことをやっていく中で、自分の好きな音楽や自分にできる音楽と仕事になる音楽とのギャップを感じ、一生やっていくのは大変かなと感じはじめ、また不景気により内装の仕事も減りそうだったことなどから、転職を考え、とりあえず資格の本を買ってきました。
サラリーマンの経験はなかったので、独立してできる仕事を探したところ、弁護士、司法書士、税理士、行政書士などに限られていました。当時の私には、いずれも難関に思えましたが、人権問題に元々関心があったことや、人と争うということについて他の人と比べるとあまりストレスを感じないので向いているのではないかと考えたことなどから、弁護士を目指すことにしました。
仕事で嬉しかったこと
依頼者の方から喜んでいただけたり、お礼を言われることが一番嬉しいですね。これについては、裁判ですごくいい結果を出したけれど、満足していただけない場合もあれば、結果が必ずしも良くなくても、「精一杯戦えた」「十分頑張ってくれた」ということで満足していただける場合もあります。
また、普段仕事をしている中ですと、例えば、反対尋問が上手くいって弾劾に成功したり、難しいと思っていた裁判で勝てたりしたときも、もちろん嬉しいですね。
大変だと感じること
一番辛いのは、ややもすると仕事をしてないときも事件のことがなかなか頭から離れないことです。これは、みなさんそうだと思います。
裁判や交渉というのは一件一件違いますし、とるべき方策が明確に決まっているわけではありませんから、戦略なども考えればキリがありません。他のことを考えているときにふっといいアイデアが思いついたり、寝ているときにいい戦略を思いついたりすることもあります。そのようなときは、忘れないように急いでメモを取ったりします。
確かに、そうやっていいアイデアが浮かぶこともあるのですが、いつもそれをやっているとキリがなく、始終気になっている事件のことを考えがちになってしまいます。頭を休めてリフレッシュしないと結局頭が働かなくなるので、できるだけ切り替えるように努力をしています。
依頼者に対して心がけていること
依頼者の方に対して心掛けていることのひとつは、できるだけ一般の方の理解できる言葉で話すということです。元々私自身法律畑ではなかったということもあり、できるだけ法律用語を使わないでわかりやすく説明することは得意だと自負しています。
また、依頼者の方が何を一番求めていらっしゃるのかということを意識しています。民事事件であれば、少しでも多くお金を取れればいいという面も確かにありますが、依頼者の方によってはお金よりも名誉を問題としていたり、あるいは、多少のお金を払ってもいいから早く紛争から脱して平穏な生活に戻りたいなどと望まれている場合もあります。
また、中には抱えている大きな事件を目の前にして「どうすればいいかわからない」、「何を求めていいのかわからない」という人もいらっしゃいます。そういった方にはどういった結論を求めるのが一番いいのかということなどを一緒に考えさせていただいています。
それから、仕事に対する姿勢に関してですが、できるだけポジティブに事件に向かうように心がけています。この仕事は、なかなか事件のことが頭から離れなかったり、難しい事件を抱えてストレスをためたりといったことなどから、ややもすると仕事がいやになってしまうこともあります。
そのように逃げ腰になってしまうと、ますます辛くなってしまい、いい結果も出ませんので、逆に、前向きに仕事を楽しむようにしているのです。難しい事件をどう攻略していくかということを考えるのは、大変でもあるのですが、試行錯誤していろいろな作戦を練りだしたりするのは、とても醍醐味のある楽しい仕事ともいえます。