金森 浩児 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
他の方とは違い、少し特殊だと思います。大学は政治学科で法律は学んでいませんでした。さらに、学生時代は演劇に熱中しており、役者になりたいと考えていたので就職はしませんでした。
このようなことから、司法試験についてあまり知識がなく、かなり難しい試験だということも知らなかったため、弁護士という資格を持っていれば食べるのには困らないというような比較的軽い考えで受験したのですが、簡単に合格するはずもなく段々本気になっていき、併せて法律の面白さも知ったというような感じです。
また、弁護士は「しゃべる仕事」だと思っていたので、私の性格にあうと考えたのも1つの理由です。
そして、裁判官、検察官、弁護士の中で弁護士を選んだ理由は、独立しているからです。最初は検察官志望でしたが、どうしても組織に属すことになり、決済制度があるため自分で裁量を持って仕事をできないことを嫌いました。しかし、実際に事務所に入所すると思い描いていたものとは違い、所長による決済が存在し、むしろ裁量の余地は少ないような気もしました。
学生時代
お芝居に熱中していました。役者になりたいと考えていたため、芝居のサークルに入り、プロの劇団の研究生もやっていました。
受験勉強をする中で工夫していたこと
自分で計画的にやることです。私は3段階の計画を立てていました。基本的な部分なので絶対に勉強しなければいけないところ、余力があればやりたいところ、ここまでやれば一番いいところというように分けていました。
例えば、1段階目は基本書を読む、2段階目は争点をノートにまとめる、3段階目は答案形式で書いて見るというような形です。そして、1段階だけは何とかこなすということで計画倒れにならないようにしていました。
司法試験のための知識で、実務に役立ったこと
それは全部だと思います。司法試験のために学んだ知識がすべてのベースとなっています。様々な事件を扱っていますが、今でも多く使うのは民法の教科書です。
実務は確かに違いますが、根本にあるものは法律判断・法律解釈であって、それを司法試験の勉強で学ぶわけです。実務は司法試験で身に付けた知識にプラスして、現実の手続きや経験が積み重なっていくという感覚です。
司法修習時代の経験や思い出
司法修習時代は楽しかったです。よく遊んでいました。まさに司法試験を合格したご褒美のようなものでした。もちろん勉強もしましたが、様々な場所に見学に行ったり、ソフトボール大会をやったりと良い思い出ばかり残っています。教官の家にも遊びにいったりもしましたし、色々な人の話を聞けたことは大変良い経験になりました。
今後の弁護士業界の動向
人数が増えているようですが、それによるプラス面とマイナス面があると思います。プラス面については、人数の増加によって弁護士が足りていない状況を改善できるということです。
例えば、大手の弁護士事務所が過払い請求についての広告を打っていますが、このような事務所には何万という依頼がきていると聞いています。したがって、事務所に在籍する弁護士だけでは手に負えないことが予想されます。弁護士の人数が増えれば、こうした人数の不足は改善されるでしょう。
マイナス面としては、人数が多くなることで、弁護士の能力や専門分野が判断できないことです。例えば、過払いを専門にしている弁護士のところに、労働あるいは離婚というような仕事を依頼すると専門性という点から考えてマイナスに働く可能性があるのではないかということです。
最初に入所した事務所を選んだ理由
私の場合は、事務所訪問もせず、友人の紹介だけで決めました。その事務所は民事介入暴力を専門的にやっている事務所でした。民事介入暴力とは、暴力団が民事紛争に介入し、暴力や集団の威力を背景に不当に金品を得ようとすることを指します。
弁護士がある程度の収入を得ようとするなら、やはり企業側につく必要があります。しかし、私は企業側について弱い立場の消費者と闘うことはしたくありませんでした。その点、民事介入暴力では、暴力団等の反社会的勢力と闘うので、自分の望みに叶っていました。
関心のある分野
特にありません。これは弁護士になった当初から思っていることですが、「なんでも屋さん」でいいと思っています。どのような事件でも、面白いところと、大変なところがあるものなので、色々な分野に対応するつもりです。但し、医療過誤あるいは知的財産権というような特殊の分野については、複雑な事件については専門の方を紹介するようにしています。
依頼者に対して気をつけていること
機械的には対応しないことです。すなわち、同じような案件であっても依頼者にはそれぞれの事情があるので、個別的に対応していくということです。さらに、話を良く聞いて、問題点を整理することも重要です。依頼者によっては話を聞き、問題点を整理するだけで解決してしまうことあります。
弁護士に最も求められると思う力
柔軟性だと思います。弁護士はそれぞれの案件に、柔軟性を持って個別的に対応することが不可欠だからです。とは言っても、常に柔軟性を持つのは難しいです。どうしても、考えがある方向だけに向いてしまいがちですが、常に知識をリセットできる状態にしておくことが求められます。