伊澤 大輔 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
中学・高校時代から社会科に興味があり、昔から法律学に関心が高かったのは確かです。そして大学に入ったのですが、大学受験が不完全燃焼だったこともあり、その流れで引き続き、司法試験の勉強を始めました。今、実際、弁護士になり、弁護士業は自分に合っている仕事だと感じているので、目指して良かったと思っています。
司法試験を振り返って
やはり大変でしたし、2度はやりたくないですね。
自分が最も充実した状態の時にタイミングよく受からなかったこともあり、受験勉強ばかりで、社会と接点のない生活に嫌気がさし、卒業後、3年間ほど専門学校の講師としてフルタイムで働いたことがありました。
その時は、1日1~2時間くらいしか勉強していませんでしたが、かえってリセットし、新鮮な気持ちで受験に向き合えたおかげか、勤務中に合格することができました。
大学時代に苦労したこと
入学後間もなく、名門の研究会に受かったけれど、自分に合わず、1ヶ月足らずでやめてしまったため、法律の勉強がほぼ独学で、少し遠回りをしたことです。また、通学に往復で4時間以上かかっていましたので、通学途中の電車の中で、基本書を繰り返し読むなど、受験勉強との両立に苦労しました。
仕事の中で嬉しかったこと
どの弁護士も同じだと思いますが、やはり依頼者から感謝されることが一番嬉しいです。見通しが厳しい事件でも、説得的に主張・立証し、良い判決が出たり、勝訴的な和解に持ち込むことができるなどして、依頼者から感謝されるのは、とても嬉しいですね。
印象に残っている事例
5年間争ったシステム開発の案件です。
依頼者である業者が、システムの稼働する前に撤退してしまったという案件で、一緒に受任していた他の弁護士は、事件について厳しい見方をしていましたが、裁判長の勧告もあり、勝訴的な和解を成立させることができました。
こちらが提出した準備書面だけでも30通を越え、その多くが私の起案をしたものであり、毎週末、膨大な資料を読み込むなど、弁護士として心血を注いだ案件だったので、それで良い結果を出すことができ、とても印象に残っています。
弁護士になって大変だと感じること
私は、ルーティンで、損保会社から依頼を受けて示談交渉を行っていますが、民暴委員でもあるせいか、暴力団やクレーマーなど、当たりの強い人を相手にすることが多くあります。そういう人たちを日々相手にしながら、ストレスをため込まずに、職務を遂行していくことです。
仕事をする上で意識していること
仕事の質とスピードを両立することです。弁護士は同時に何十件も仕事を抱えるのが当たり前の職業です。
電話1本、メール1通忘れただけで大変な事態になる恐れもあるので、常に、今、何をしなければいけないかを考え、細心の注意を払い、メリハリをつけて、仕事を遂行することを大切にしています。
関心のある分野
私は、今までに何百人もの人を相手に示談交渉をしてきましたし、これからも当分していくでしょうから、仕事柄、対立する相手との交渉という分野に関心を持っています。
私は、示談交渉とは、お互いがどういう人間か、わかりあうことから始まると考えています。交渉にあたり、相手を説得しようなどとはほとんど考えていません。相手の話をしっかりと聞き、他方、相手に対し、自分がどのように考えているか丁寧に伝えることを大切にしています。
今後の弁護士業界の動向
人数も増えてきているので、これまで以上に、弁護士業界も格差社会になることは間違いないと思います。
例えば、パン屋さんであれば、美味しいパンを焼きつづれば、ふらっと入ったお客さんがリピーターになってくれて、商売が少しずつ軌道にのっていくかもしれませんが、弁護士業は事務所の看板を出しだだけで、客が来ることはまずありません。資格を持っても弁護士として働くことができないのはとても不幸なことだと思います。
弁護士の需要と供給のバランスが保たれるような世の中になればいいなと思っています。