日系・外資のエンタメ企業で社内弁護士を経験。クライアント目線に立った法的サービスを提供
法律を使って人の役に立つため、弁護士を志す。エンタメへの情熱は学生時代から
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
大学は法学部だったのですが、入学した当初は、弁護士になろうとは考えていませんでした。地元から一緒に上京した友人2人が役者とお笑い芸人を目指していて、彼らの影響でクリエイティブな仕事に興味を持ち、脚本家になりたいと考えていました。
ただ、2人に比べるとあまり熱中できず、脚本家になるための具体的なアクションも起こさないまま時間ばかりが経っていきました。2年生になるタイミングで、将来何を目指すべきかを改めて考えたときに、「身近な人の助けになることは結構好きだな」と思ったんです。 ちょうど法学部に在籍していたので、法律を駆使すれば困っている人の役に立てると思い、法律関係の仕事に就くのもいいなと考えるようになりました。
友人たちが、役者とお笑い芸人という一握りの人しか成功できない仕事を志していたので、自分も高い壁に挑もうと思い、司法試験を受けて弁護士を目指すことを決意しました。
ーー学生時代に打ち込んでいたことはありますか。
現在、弁護士としてエンタメ法務に注力していますが、学生時代からエンタメコンテンツが大好きで、映画館には足繁く通っていましたし、家でもレンタルしてきた映画やドラマを観たり、ひたすら漫画を読んだりしていました。
日系・外資のエンタメ企業で社内弁護士として勤務し、幅広い業務に対応
ーーエンターテインメント企業で社内弁護士として勤務されていたそうですね。
はい。株式会社Cygames(サイゲームス)という、ゲーム、アニメ、漫画、音楽などに関する事業をおこなっている企業で仕事をしていました。
弁護士になった当初は法律事務所に入所したのですが、次第にもっとエンタメ事業の近くで仕事がしたいと考えるようになりました。よりエンタメを専門にしている事務所に転職しようかと考えていたとき、組織内弁護士をしている友人に、企業で働くとよりエンタメ事業に深く関わって仕事できるよと勧められたんです。その方向性も視野に入れて転職先を探した結果、Cygamesに巡り会い、参画することになりました。
ーーどのような仕事をされていたのですか。
私が入社したのは創業3年目の頃だったのですが、すでに従業員が800人くらいいて、ものすごい勢いで成長中でした。マネージャーと先輩社員と私の3人で、ものすごい数の案件を何とか捌いていました。
仕事内容としては、契約書の作成・レビュー、新規サービスやゲームのアップデート内容に関する法的な相談への対応、会社のガバナンス、投資事業、人事・労務に関する相談など、様々な業務に携わりました。何しろ法務部員が3人しかいなかったので、社内における法律関連の業務は全て我々が担っていた形です。
私が入社した当初はソーシャルゲームの開発が主力事業でした。そこから企業規模が大きくなるにつれて、アニメの製作や漫画アプリのリリース、音楽事業、eスポーツなどエンタメと呼ばれる分野全般に進出し、法務部に依頼される仕事の幅もどんどん広がっていきました。必要な法律知識や発生しやすいトラブルなどは分野ごとに異なり、日々勉強しながら臨機応変に対応していました。大変でしたが非常にやりがいがあり、エンタメ法務のスキルを磨くことができました。
ーーその後、外資系企業でも勤務されていたと伺いました。
Cygamesで働くこと自体には全く不満はなかったのですが、新しいチャレンジをしたいなと考えていたときに、アメリカに本社を置き、動画配信事業を展開するNetflix(ネットフリックス)の日本法人の方に声をかけていただいたんです。日本での活動を広げていくにあたって、エンタメ法務の経験が豊富な弁護士を探していたということで採用していただきました。私は、元々映画やドラマが大好きで、法務としてそういった事業に関わりたいと思っていましたし、市場を賑わせている動画配信事業をリードする会社であり、外資系企業の日本法人という点も含めて、新しいチャレンジができる環境として、これ以上ない素晴らしいチャンスでした。
一般的な日系企業の法務では、企画や製作側からの相談に法的なアドバイスを提供して、それをもとに現場が動いていくという体制が多いと思います。訴訟などの紛争状態にならない限り、取引先など社外の方と法務がやりとりすることは少ない印象です。
一方、Netflixの場合は、取引先との契約交渉でも私が先頭に立って進めたり、アメリカ本社やその他の海外の拠点の方々と連携したりと、それまで経験してこなかった業務を任せていただいて非常に勉強になりました。
ーーその後、現在の事務所「弁護士法人LEON」に参画されます。
CygamesやNetflixで働きながら、エンタメ業界の状況を知るにつれ、日本のエンタメ業界では、多くの企業が、顧問弁護士または法務組織がない状態であることを知りました。その結果、エンタメ業界の法的な知見があれば避けられた不利な条件に合意したり、コンテンツ制作においてトラブルが発生するなど、せっかくの素晴らしい企画が成立しない、または、成果に応じたメリットを得られていないという事態が発生するケースが多々あります。
エンタメ企業の事業を安全かつ効率的に進めるための相談役として自分が側にいることで、コンテンツの権利を守り、企業に正当な利益をもたらすための力になりたい。そのように思い立ち、もともと「一緒に仕事をしたい」と誘ってくれていた田中圭祐弁護士が代表を務める弁護士法人LEONに在籍することにしました。
現在は、ゲーム、アニメ、映画、漫画などを取り扱うエンタメ企業をはじめ、芸能人が所属する事務所、IT関連企業など様々なクライアントからの依頼に対応しています。
クライアントの視点に立った具体的なアドバイスを提供
ーー仕事をされる上で心がけていることを教えてください。
紋切り型のアドバイスにとどまらず、クライアントの立場や状況、その業界の動向などを理解して、一歩踏み込んだアドバイスをすることです。
「法的にはこうです」とだけ言われても、クライアントとしては「そんなことはわかっている。じゃあどうすればいいのか?」と釈然としない気持ちになります。企業内で働いているとき、私がクライアントの立場で法律事務所の先生に相談した際にそういう気持ちになったことがあります(笑)。
そのため、アドバイスをする際には、「法的にはこのように考えられますが、今の状況を踏まえるとこう対応する方がいいです」「ここまでならリスクを取れます」というふうに具体的に伝えるようにしています。クライアントの事業が停滞せず、安心して前に進めるアドバイスを提供してこそ、私の役割が果たせると考えています。
また、クライアントが作っているコンテンツの内容や、関わっている人たちのこと、相手方がいる場合はその情報なども詳細に把握するようにしています。クライアントや相手方を理解していなければ、適切なアドバイスはできません。誤った方向に導いて逆に問題をややこしくしてしまうリスクもありますし、そもそも、どんなコンテンツを作っているのかすら知らない弁護士からのアドバイスは信用できないですよね。
クライアントのビジョンや現状を理解すること、そして、単なる外部アドバイザーではなく、「自分が中の人の立場だったらどう考えるか?」という視点から具体的なアドバイスを提供することを大切にしています。
グローバル化が加速する中、法的な交渉力を持つことは必須。クライアントの権利を守る力になりたい
ーープライベートについても伺います。休日の過ごし方や趣味を教えてください。
休日は家族と過ごす時間が一番長いです。娘と遊んだり、習い事の送り迎えをしたり、家族で買い物に出かけたりしています。
1人で時間を使えるタイミングがあれば、映画館に映画を観に行きます。観たい作品がたくさんあるのですが、今は週に1回くらいが限界ですね。アクション、サスペンス、社会派、コメディーなど、興味を引かれたらジャンルを問わず観に行きます。
ーー今後の展望を教えてください。
まずは自分の存在を1人でも多くの方に知っていただき、問題解決のお力になりたいと考えています。
他の弁護士に比べて、私は結構特殊な経歴を歩んできたと思っています。今やCygamesは国内最大手のゲーム会社ですが、創成期から誰もが知る存在に成長するまでの過渡期に在籍し、様々な事業の立ち上げに携わった弁護士はあまりいないでしょう。
さらに、そこから外資系大手のNetflixに入って、同じエンタメ分野でもCygames時代とは全く異なる経験を積みました。日系も外資も、かつ色々なフェーズの企業での勤務を経験した自分だからこそ、会社様のご状況やご要望に合わせた幅広いサービスを提供できると自負しています。
法務組織をどのように立ち上げたらいいかわからない、法務の人手が足りないから手伝ってほしいといったお悩みについても、ぜひ一度お話を聞かせていただきたいです。これまで培ってきた知見を活かし、状況を良くする力になれればと思います。
ーー最後に、インタビューの読者へメッセージをお願いします。
皆様が心血を注いで制作したコンテンツが法的な問題、炎上騒ぎなどで世に出ない、または、正当な評価を得られないことはとても悲しいことで、そういう事態を1つでも減らしたいと考えています。
また、エンタメ分野については、グローバルな競争がさらに加速していくと思います。海外の企業と取引をする機会も増えるでしょう。これまでの日本のエンタメとは異なる良さや強みを取り入れるチャンスであると同時に、不利な契約を結んで損害を受けるようなことを避けるために、法的な交渉力を持つことは必須だと思います。
エンタメコンテンツという大事な資産を守るために、私が力になります。契約書作成やレビュー、相手方企業との交渉、法務部門の立ち上げ、知的財産を資産として築いていくための相談など、エンタメ法務に関する困りごとの解決はお任せください。
クライアントの多くはエンタメ企業ですが、それ以外の業界の方からのご相談でも、私が力になれることであれば喜んでお引き受けします。ぜひ一度ご相談ください。