柴山 育子 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
小学6年生の時に「憲法」を学校で学び,憲法の全文や条文を読んで純粋にかっこいいなと思ったことがきっかけです。そして、憲法や法律に携わる職業に就きたいと思い、弁護士になろうと思いました。
仕事の中で嬉しかったこと
たくさんありますが、弁護団の一員として活動した刑事事件で一審無罪判決をとったときは涙が出るほど嬉しかったです。
また、弁護士としては異色の活動ですが、2009年、東京にオリンピックを招致する計画があがった時に、計画が不当ということで、弁護士の団体の一員としてスポーツの団体などと連携して招致反対の活動を行い、国際オリンピック協会(IOC)に意見書を送ったり、委員が来日した時に直接会って意見を伝えたり、開催地決定の際にはコペンハーゲンまで行って反対活動をしました。
IOCの報告書にも「招致反対派の意見を聞いた」と盛り込まれていたので私たちの活動に意味があったのだなと思いやり甲斐がありました。ちなみに、反対理由は,水質基準を満たしていない海でのスイムなど不適切な計画内容や、既存の施設があるのに新たに多くの競技場を作り建設費が膨大であるなど無駄が多いことなどです。
普段の案件では、依頼者に「先生に依頼してよかった」と言ってもらえた時はとても嬉しいですね。
弁護士になって大変だと感じること
責任の重さです。会社の一員などではなく、個人の名前で仕事をするので後ろ盾が何もありません。やりがいはあるけれど、1つの判断ミスで結果が変わり、相手の一生を左右させる可能性のある仕事なので常に緊張しています。
仕事をする上で意識していること
依頼者のお話をしっかり聞くことです。前の弁護士は話を聞いてくれなかったという不満を持っている方もいらっしゃいます。また、依頼者の問題はさまざまであり、話しているうちに整理されることもあります。相談はカウンセリング的な面もあると考えています。こういったことから、私は依頼者のお話を十分に聞くことを常に意識しています。依頼者が納得してくださるように話すことも重要ですね。
依頼者にとって弁護士事務所に訪れることは勇気のあることであるし、自分の問題が思うように解決するという淡い期待を持っていることもあるので、お話を聞いた上で一番良い解決策を分かりやすく丁寧に説明するように心がけています。そうした結果、依頼者の方から、「よく分かって安心した」とか「先生に依頼してよかった」と言っていただけます。
関心のある分野
後見制度に関心があります。後見制度とは、認知症などで財産管理や契約ができない人の代理人になるものであり、今の高齢化社会にとって重要な制度です。お年寄りの方が安心して老後を送れるよう、この制度を広めていきたいし、関わっていきたいと思います。 後見人がいることによって、問題なく日常生活を送ることができたり、詐欺などの被害に巻き込まれないようにできると思います。
トラブルが起こったときに頼むのが弁護士というイメージがあるかもしれませんが、トラブルが生じないようにあらかじめ手段を講じていくことも重要であると考えています。
今後の弁護士業界の動向
人数が増え、厳しい状況にはなっていますが、それと同時に弁護士が企業内弁護士や自治体の弁護士など今までなかった分野に活躍の場が広がっていると思います。私が弁護士になったころは企業内弁護士の募集などあまりなかったので、数年で様変わりしました。
弁護士に必要だと思う力
依頼者の話をしっかり聞くことや分かりやすく説明することが必要なのでコミュニケーション能力が大切になってくると思います。依頼者あっての仕事なので、ただ「これは法律的に無理ですよ」等と説明するだけではせっかく相談してくださった人が納得しないまま帰ることになるかもしれません。そういった意味でコミュニケーション能力は重要だと思います。