日吉 由美子 弁護士 インタビュー
(このインタビューは2011年3月に行われたものです)
弁護士を目指したきっかけ
私は、株式会社テレビ朝日に30年近く勤務し、最後の約18年は、スポーツ局の国際渉外担当として、欧米のスポーツ主催団体と独占放映権の交渉をして契約を締結する仕事をしました。
その際、相手方の交渉担当に弁護士が多かったため、私自身の専門性を高めるためにも弁護士資格を取りたいと思ったことが、弁護士を目指したきっかけです。独学では到底無理だと半分諦めていたところに、ちょうどロースクール制度が始まることを知り、チャレンジすることになりました。
印象に残っている案件(事件)
依頼者が企業か個人かで印象が違いますが、やはり印象に残るのは個人が依頼者の事件です。離婚にせよ、破産にせよ、その人や周りのご家族の方々の人生が大きく影響を受けますから。依頼者が何に悩み、どういう解決を望んでおられるかをお聞きした上で、どのような解決策が依頼者のこれからの人生にとって一番良いかを必死に考えることになります。
妻子と別居中の男性と結婚を前提に真剣に交際をしていた女性が、その男性の離婚訴訟に巻き込まれた事件で、男性と女性がいつも一緒に相談に来ていたので、私としては今後の二人の人生に幸多かれと思いながら離婚事件に一生懸命取り組んだんですが、離婚は成立したものの、その後二人は結局上手く行かなくなったと聞いて、何とも言えない気持ちになったのを覚えています。
仕事の中で嬉しかったこと
私自身も与えられた条件の中で最善の解決だったと思い、依頼者の方にも「日吉さんの言ったとおり、これがベストな結果だと思います。ありがとうございました」と言っていただけたときが一番嬉しいです。
弁護士になって大変だと感じること
例えば、同じ離婚事件といっても一つ一つ違います。全く同じ事件などありません。この事案はどういう事案か、事実関係を充分把握して、どういう解決を目指すべきか、その方向性を見極めなければなりません。大局の見極めを間違えないということが、一番難しいと感じる部分です。
休日の過ごし方
本当は、主人とのんびり過ごして気分転換できれば最高ですが、現時点では、法律事務所とテレビ朝日での仕事でそういう時間が取れない状況です。ウイークデーは裁判所に行ったり、依頼者との打ち合わせ等で時間が埋まっておりますので、まとまった時間は週末くらいです。ですから、休日は大体、自宅で書面の作成等をしています。
弁護士としての信条・ポリシー
「クールヘッド、ウォームハーツ」ですかね。まず、弁護士として、法的知識に基づいて冷静かつ適切に事件を処理しなければなりません。でも、その事件の背後には必ず人間がいるわけですから、依頼者のことは勿論、できれば相手方のことも頭において、血の通った仕事をしていきたいです。
依頼者に対して気をつけていること
2つあります。
まず、難しい問題を抱えて、精神的に疲れていたり、元気のない方が少なくありません。私とお話しされた後、少しは元気を取戻して帰っていただきたいと思っています。
次に、それとは逆になるんですが、元気づけたいと思うとついつい景気のいいことを言ってしまいがちです。でも、事件によっては、当然、依頼者にとって不利なこともありますので、そうしたこともきちんと説明しなければならないと常に自戒しています。
関心のある分野
一つはこれまで携わっている分野なので、著作権法等のエンタテイメント分野に興味があります。もう一つは、アメリカの高校卒業で英語に不自由がありませんので、そうした要素を生かせる分野にも関心があります。
今後の弁護士業界の動向
「弁護士=金持ち」という時代は終わりました。一人前の職業人としてやっていくことの難しさは他の職業と全く変わりません。常に勉強を怠らないことと、依頼者に対する真摯な姿勢が大切で、それによってこの業界で生き残れるかどうかが決まるのではないでしょうか。
今後のビジョン
弁護士3年目なのでまだまだ未熟です。いろいろな仕事を経験して、さらに習熟したいです。
私の夢としては、いずれは「ものつくり日本」を代表する優れた日本の中小企業の技術やノウハウを海外に売り込みに行ったり、交渉や契約締結等の仕事を通じて、日本を元気にするお手伝いができたらと思っています。
ページを見ている方へのメッセージ
弁護士というと近寄りがたいと思う方がいらっしゃるようですが誤解です。何でも知っていることもありませんし、欠点も多い、どちらかというと人間臭い人種だと思っています。常に依頼者と一緒に二人三脚で勉強して行くべきであって、依頼者によって育てられるとも言えます。是非、気軽に相談していただければと思います。