小長谷 真理 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
私は弁護士になる前に、一般企業に勤めていた経験があります。その会社の法務部で、顧問を初めとする素晴らしい先生方の仕事ぶりに触れ、弁護士に憧れるようになりました。また、法務部では商標関係や用地関係の業務を担当していたのですが、仕事のために法律の勉強を進めていくうちに、より専門的に勉強したいという思いが強くなりました。
ちょうどそう思っていた時期に、ロースクール制度ができるという話を聞き、司法試験の合格者も増えるということで挑戦してみようと思ったので、ロースクール制度の創設も弁護士になろうと思ったきっかけの一つです。
印象に残っている案件(事件)
特に印象に残っている案件は2つあります。
1つは、著作者が依頼者の著作権侵害訴訟です。依頼者は、その業界の革新者的存在の方で、業界の著作権に対する意識をもっと高めなければならないという強い信念を持っていらっしゃいました。
事案がちょうどそのとき法改正された点に関わるものであり、改正の経緯や諸外国の制度を調べるなどして苦労しましたが、幸いこちらの言い分が認められ、知的財産法分野においてある意味ベンチマークとなるような判決をいただけました。判決を通して依頼者の思いを伝え、社会に対して影響を与える一助ができたという面で、とても印象に残っています。
2つ目は、ある企業で、社員による会社経費流用の疑いについての社内調査に加わった件です。
いくら調査をしても事実関係が全く分からなかったのですが、諦めずに様々な角度から調査を進めていくうちに、会社の想定外の方法で不正が行なわれていたことが判明しました。
これにより、企業は新たな予防策を講じ、結果的にコンプライアンス体制を改善するきっかけとなったことがとても印象的でした。
仕事の中で嬉しかったこと
案件を通じて社会に対し何らかの影響を与えることができることや、企業が一歩でも前進するようなきっかけを作る一助になれたことです。
弁護士になって大変だと感じること
企業勤めをしていたときと比べて大きな違いを感じるのは、企業では一社員がミスをしても最終的に対外的責任を負うのは会社であり、そこに甘えてしいた部分もありましたが、弁護士は自分自身が責任を取るという点です。
自分がぼんやりしていて、弁護士倫理に反したことをすれば自らの首を切るようなことになるので、自分自身を律するということを常に意識しています。
あとは、忙しいので体調管理でしょうか。
弁護士としての信条・ポリシー
クライアントにとっての最善策は何かを常に考えることです。
また、弁護士は社会正義を実現するという役割を担っているので、クライアントが公正さを欠いた対応をしそうになったときには、クライアントに迎合せず、それを指摘しなければならないと思います。
まだそのような状況になったことはありませんが、毅然と指摘している先輩弁護士の姿を見たときに、自分もそのようありたいと思いました。
関心のある分野
やはり今やっている会社法関係や知的財産法関係に興味があります。
知的財産に関しては、まだまだ日本では有効活用しきれていない部分があり、その分弁護士が役に立てる範囲も広いと思います。また、技術等の進歩の速さに法律が追い付いていない面もありますが、そのような状況の中で、いかに法律と論理的整合性を取って、ビジネスに合う解決策を導き出せるかを考えることがとてもおもしろいです。
今後の弁護士業界の動向
まず、弁護士の数が増えているので、その分様々な分野で活躍する弁護士が増えていくでしょうし、増えていくべきだと思います。
たとえば、今後増加するであろうインハウスロイヤーは、案件に対して法的観点からだけでなく具体的なビジネス的観点を合わせて判断をするのに役立つ存在になると思います。
また、就職難だと言われていますが、未開拓の分野はたくさんあると思います。たとえば、近年訴訟件数の総数が増加しているが、その内訳を見ると本人訴訟の増加が要因であるというデータを見たことがあります。それは、世の中の人にとって弁護士がまだ身近ではなく活用しにくい存在であることの表れで、そのようなところにも弁護士が関われる余地があるということです。
あとは、法曹資格を持った人が法曹としてだけでなく、国際機関の職員などさまざまな形で働くことで、社会に法的な意識を根付かせることにつながるのではないかと思っています。
今後のビジョン
会社法や知的財産法関係に携わっていきたいです。
そして、1つ1つの案件が自分にとってのチャンスだと思っていますので、1件ずつ確実に取り組むことが、次のビジョンにつながると思っています。
長期的なビジョンとしては、どういう形であれ、企業法務・コンプライアンスに関わっていきたいと思っています。