鈴木 善治 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
大学生の時、法律相談部に所属していた経験が、弁護士を目指すきっかけとなりました。法律相談部とは、法律を学んでいる学生たちが、一般の方々からの法律相談に無料で応えるというもので、夏休みには弁護士過疎地に遠征して相談を受けることもありました。
「法律相談」といっても、まだまだ勉強途中の学生なので、六本全書を片手に持って、必死に覚えたての知識を使って応えていました。今思えば、危なっかしい部分もあったのではないかと思います。
しかし、当時は弁護士が不足していた上に、法テラスや役所の法律相談会などの法的サービスが充実していない時代だったので、困ったことがあっても弁護士に相談する機会に恵まれない方が多くおられました。
「学生でもいいから話を聞いてほしい」と、すがるようにやってこられる方々を見るうちに、自分自身が本物の弁護士になって、こういった方々を救いたいと思うようになったのです。
今までの仕事経験と現在の仕事状況
今非常に人気のある企業法務などとは少し違って、離婚問題、不動産問題、交通事故、建築の問題といった市民の方にとって身近な分野を多く扱ってきました。法律相談部での経験等から、私はどちらかというと企業の問題よりも、人間が一生の内で関わる法律問題全般に対応できる弁護士になりたいという思いが強かったのです。
印象に残っている案件(事件)
白内障の手術のミスで失明してしまった方が、市民病院を相手に訴訟した事案を担当したことがありました。私はその事案を担当するまで医療過誤事件は全くやったことがなかったので、事案を引き受けてから、医学書をたくさん読んで必死に知識をつけ、実際の医者にも教えを乞いながら、なんとかやり遂げました。
我々弁護士の得意分野は法律ですが、法律だけでは事件は解決できません。法知識に加えて、その事案に関わる分野の専門知識もまた必要となるのです。むしろ、問題の根本は、そういった専門的な部分にあることが多いと言っても過言ではありません。
私たちは、様々な法律以外の分野の専門知識を、日々新しく学び、吸収して始めて、法律を武器として正しく使う事ができるのです。
仕事をする上で意識していること(信条・ポリシーなど)
依頼者が何を望んでいるのか、という部分を考えることを意識しています。依頼者は目の前に迫った問題のことで、どうしても周りが見えなくなってしまいがちです。そのような場合に、弁護士も一緒に主観的になってしまってはいけません。
依頼者に流されず、あくまで冷静な第三者として、問題の背景、事件の根本的な原因、将来的な解決を提供するための適切なプロセスなどを見極めることが大事なのです。
特に相続問題などは、どうしても依頼者が主観的になってしまいがちなので、注意が必要です。「自分の子供たちは兄弟の仲が良いので、遺産分配で対立することはない」と思って親が遺言書を書いていなかった場合など、実際に家族をまとめていた一家の要である親がいなくなると、急にそのバランスが崩れて対立を生むことも多々あります。
多くの事案を見てきた経験も活かしながら、依頼者にとって最適な解決を見極め、提供していきたいと思っています。
関心のある分野
私も弁護士としてある程度の経験を積んできたので、仕事の内容や、やり方は今後大きく変わることはないと思っています。ただ、今まで多くの人の問題に関わってきた中で、最近は、依頼者の方が高齢化した際に、次世代に何を残し、何を引き継ぎ、何を託すのか、という問題について扱うことが多くなってきたように思います。
依頼者の方というのは、私自身の友人知人からの紹介などのご縁から相談を受けることも多いので、私と同年代の方からの相談を受けることが多く、こういった問題が増えて来たように感じるのかもしれません。
次世代になにを残すか、という問題は、分野として考えると「相続」という言葉でひとくくりにされてしまうのですが、決してひとつの分野として定型的に対応できるものではありません。それぞれの事案ごとに、依頼者の性格や家庭事情が違うので、解決法も一律ではありません。
逆に言えば、単に相続法に当てはめればいいだけの簡単な問題ではない、ケースバイケースだからこそ、弁護士としての経験が存分に活かされる分野であるとも言えると思います。
ページを見ている方へのメッセージ
世の中に悩みを持っている人は多くいらっしゃいます。その悩みに応えて、法テラスや無料法律相談など、法曹界も様々な試みを行ってきました。しかしその一方で、自分の悩みが、法律問題に当てはめて解決できるということに気付いておらず、弁護士に相談するという考えに至らない方がまだまだ多くいらっしゃいます。
「法律は法的トラブルを解決するもの」という認識から「法律はあらゆる問題の解決方法のひとつ」と思って頂けるようになればと思います。悩みがあるのなら、それが法律問題であるかどうかと考える前に、ぜひ気軽に弁護士に相談してみてください。