林 正紀 弁護士 インタビュー
弁護士を目指した理由
就職して色々な方との人間関係をこなしながらやっていくよりも、自由気ままに仕事をしていく方が性に合っていると考え、消去法から弁護士を目指しました。この動機が不純なものであったかどうか、は今もって整理がついているわけではないのですが。
大学生活を振り返って
学生時代は試行錯誤をしていました。人間形成の仕上げの時期で、社会に出る前に色々な不安を感じましたし、色々なことに悩みました。広島から出てきた私にはなかなかかっこよく大学生活を過ごすことができず、勉強も遊びもしなければ、と試行錯誤をした記憶があります。
司法試験の勉強方法
私はあまり要領の良い方ではないので、受かってみればこのような手順でやっていれば良かったのか、と思いますね。予備校の短答や論文の模擬試験などを受けて、どのように書けばいいのか分かっていく、というやり方が効率の良いやり方なのかもしれません。
しかし私はどうも知識をまず詰め込まなければならない、と思っていた気がします。基本書を読むにしても、模擬試験などを受けていれば基本書がどのように表現して、人に評価されているのか、ということをもっと早く理解できたかもしれません。
司法修習期の思い出
苦しい時代をちょっと飛び出た気がしました。今と違ってもっとおおらかでしたし、その時の裁判官で右の陪席だった人が目の前に裁判官としていたり、司法修習期でお見かけした方が検事総長になられたり、ということがあります。
同じ窯の飯を食った仲間が、検事、弁護士、裁判官に分かれていきます。そしてそれぞれの修習先で、ひよっこの修習生として接して下さり、お話をすることができたのは良い経験でした。今となって、検事、弁護士、裁判官として相対立するかたちで出会うこともあります。ただ、その時に仲が良かったからといって容赦はありませんが(笑)。
印象に残っている事例
この問いに答えるには弁護士としては、依頼者との関係もありますし慎重にならなければなりません。
色々な事件があるのですが、最高裁の判例になった事件があります。いわゆるポパイ事件という事件です。キャラクター「ポパイ」が登場する連載漫画において、著作権の保護期間が問題となりました。弁護士になりたての頃から関与していて、初めはなかなか上手く回っていきませんでした。ですが、著作権の保護期間の考え方に関しては自分が正しいのだ、と最高裁まで持っていきました。
ポパイは毎回同じ特徴をもって連載される漫画なので、第一回の連載で登場した日を保護期間の始期とすべき、連載漫画の回ごとに著作権が更新されるのはおかしい、という私の主張が認められました。私はこれを共有特徴のテストと呼んでいます。
小法廷でしたが、この時が初めての最高裁でした。ポパイ事件の後にはキューピー事件が起こり、ポパイ事件での考え方をベースにその後の判例が蓄積されています。また、他に論点が含まれていて、「著作権の複製権の時効取得」の論点で重要判例として模範六法にも掲載されています。
特に関心のある分野
特に関心のある分野は、正直に言って弁護士になりたての頃は考えていましたが、今ではそのようには考えていません。基本には自分のところに来たものは、情熱が湧く限り挑戦したいと思っています。結局何かに関心を持っていても、機会がなければ仕事をすることができないのですからね。