木山 泰嗣 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
特にきっかけというのはありません。ただ、高校生の時に、死刑判決など「人が人を裁くこと」や、「裁くために言葉を使っていること」に強い興味を持ちました。それで上智大学の法学部に入学しました。大学で法律を勉強しているうちに「法律の専門家」になろうと考え、司法試験を受けてみようと思いました。
印象に残っている案件(事件)
私が弁護士になって1年目に扱ったストック・オプションに関する税務訴訟です。外資系の親会社が日本の子会社の代表取締役などに発行したストック・オプションで得た利益に対する課税について、課税庁が見解を変更しました。
具体的には、「一時所得」から「給与所得」に変わりました。税金が約2倍になるにもかかわらず、法律の改正も通達の改正もなく変更されたのです。これはどう考えても、憲法84条の租税法律主義に反しています。憲法で習ったことと実務が違うことに強い疑問を持ちました。
この案件がきっかけとなり税務訴訟に取り組むようになりました。現在では税務訴訟を含めた「税務関係の法律問題」を業務にしています。
仕事の中で嬉しかったこと
弁護士はクライアントのために仕事をしています。ストック・オプションの税務訴訟では、最高裁で一部ですが逆転勝訴をしました。このときにクライアントの方々が喜んでくれたことが嬉しかったです。
弁護士になって大変だと感じること
勝訴率が低い税務訴訟で勝つためにはさまざまな苦労がありります。国を敗訴させる判決を裁判官に書いていただくために、裁判所に提出する準備書面が勝負になります。わかりやすい文章を書くための工夫に力を注いでいます。
休日の過ごし方
自宅でも仕事をするので基本的には休日と平日の区別はありません。あえて言うとしたら読書です。平日でも空いた時間を利用して読書をしていますが、休日はまとまった時間を使えるので、ゆったり読むことができます。時間がない中ではありますが、1年間で400冊以上は読んでいます。
弁護士としての信条・ポリシー
法律の条文や文章には外国語のようなむずかしさがあります。クライアントにむずかしい法律をわかりやすく伝えることを意識しています。むずかしいことをむずかしいままで議論をしていても、迷路に入り込むばかりです。わかりやすい言葉をもつことで問題解決をしていく。これが私のポリシーです。
依頼者に対して気をつけていること
強いて挙げるとすれば、コミュニケーションでしょうか。例えば訴訟の代理人としての活動の場合には、代理人が主導で進めていきますので、クライアントへのご報告をひとつひとつ丁寧にするよう心がけています。
関心のある分野
専門である税務訴訟の分野です。より発展的に考えると、不服申立てや税務訴訟などは追徴課税がされた後の事後的救済ですが、課税をされる前の段階での予防法務(予防税務)にも関心があります。
今後の弁護士業界の動向
制度が変わり、新司法試験になってから、合格者の数が増え、弁護士の数が増加しています。それに伴って弁護士資格を持っているのに就職ができない、というような10年前では考えられなかった事態も起きています。その意味では専門性をもった強みのある弁護士が登場する時代になっていくと思います。
お医者さんには外科や内科があり、外科のなかでも心臓外科などがありますよね。弁護士の世界でも専門分野がさらに細分化されていくと考えています。売れっ子の弁護士と仕事がない弁護士の二極化が進む可能性があるかもしれません。
今後のビジョン
依頼を受けた事件についてひとつひとつ結果を出すことです。わたしの場合は税法という分野に取り組んでいますが、法律を通じて日本の社会が円滑に発展していくことにつながればと考えています。
法律がひとりひとりの「武器」となり「盾」となるような社会です。法律が面倒なものではなく、頼りにされる社会になればと思っています。
ページを見ている方へのメッセージ
ぜひ弁護士を積極的に活用してください。一般的には弁護士というと遠い世界の人という感じがするかもしれません。しかし、お医者さんと同じように、弁護士に相談をすることで大きなトラブルにならなくてすむことがたくさんあります。
こういったページでもたくさんの弁護士が紹介されていますので、情報収集をしてご自身のニーズや性格に合った弁護士を探してください。
わたしは弁護士業のほかにも執筆業もしています。本を書くという立場から一般的なことを申し上げますと、たくさんの本を読むことはとても重要です。文章を読むことで他人の人生を経験することができます。たくさん読むことで、「読む力」が身につき、「書く力」、さらには「話す力」もついてきます。忙しいなかでも隙間時間などを活用して、ぜひたくさんの本を読んでください。