那須 健人 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
私が学生だったのはちょうどバブルの頃で、今と比べ一生懸命に就職活動しなくとも就職には困らない時代でした。そんな中で、その流れに乗りただ漫然と就職していくのが嫌で、何か試験を受け資格を取りたいと思っていました。
また、元々国際関係の仕事を専門にしたいと思っていたので、商社の法務部、外交官、渉外系の弁護士等を考えていました。そして、実際に勉強を進めるなかで自分の向き不向きを考えた結果、弁護士になろうと思いました。
特に印象に残っている事例
いくつかあります。まず印象に残っているのは、あるゲームソフトの著作権の案件です。ゲームというのはその内容によって著作物となりうるか、また著作権侵害への影響などが変わってきます。そこで、そのゲームを開発した会社に行き実際にそのゲームを体験しました。それは単純に興味本位として今でも印象に残っています。
訴額の面では、ある企業の特許権侵害訴訟です。その企業が他の企業の特許を侵害したとして訴えられ、その請求額は一部請求で既に30億円にのぼっていました。その案件は1人ではなく何人か複数の代理人が付いて協力して行ない、最終的にはその訴えを跳ね返すことが出来ました。その額の大きさからも印象に残っています。
訴訟外のことでいえば、携帯電話で使用されている技術の特許に関して意見書を書くよう依頼されたことがありました。その件を通じて、普段自分が使っているケータイの仕組みなどを知ることが出来ました。その仕組みがとても興味深く、印象に残っています。
仕事の中で嬉しかったこと
依頼者様に有利な形で一件落着し、それについて感謝の言葉を頂けたときです。主に企業関係の案件を中心に扱っているのですが、時々刑事事件を扱うこともあります。その際、有罪の実刑判決で確定したとしても、被告人ご本人やそのご家族の方に感謝の言葉を頂けた時は、それまでの苦労が全て報われる気持ちになります。
弁護士になって大変だと感じること
相手方との対応で苦労することは、ある意味仕方のないことですが、依頼者様との間で意見、方針が一致しないときに、大変だと感じることがあります。
例えば法律上筋の通らない無理なご依頼をされた場合や、この事実関係や手持ち証拠では主張が通らないと判断した場合に、懇切丁寧に説明したつもりであっても、それにご納得いただけないとき、また、複数の選択肢を採り得る場合に、こちらが最良と考えた提案にご理解いただけないときなどです。
そういったとき、ご理解いただけないこと以上に自分の表現力、説明力不足にストレスを感じます。
弁護士としての信条・ポリシー
求められていることに応えるということです。それは形式的には依頼者からの質問に答えることですが、それだけでなくその質問の裏に隠れた、依頼者様が分からない又は気付かれていない、問題解決に本当に必要なことを読み取り、それに対しての答えを分かりやすく、ご理解いただけるようにと心掛けています。
そこで、本来は1つの問題について深く時間をかけて調査し考え、回答を準備する必要がありますが、一方で今の時代、素早い応答が求められます。その時間との兼ね合いが難しいです。
関心のある分野
最初の事務所で知財案件を中心に扱っていた関係で、今も日頃から知財案件を扱っています。その結果として、知財の分野に関心を持っています。
知財は今でこそ有力な学者の方が多数おられますが、それでも民法、刑法などの伝統的な法領域に比べればまだまだ未成熟な法分野で、重要な未解決論点も残っています。実際に頻繁に法改正も行われています。
そして、それはつまり今の実務家である私たちが発展に寄与していける分野でもあるということです。そんな分野に長く関わってきているため、それは外に対して十分アピールできる自分のセールスポイントだと自負しています。
悩みを抱えている方へのメッセージ
依頼をしようと考える方々の不安の一つとして弁護士の報酬が分からない、想像以上に高いのではないか、というご懸念があると思います。
しかし、法律事務を依頼しようとする者から報酬見積の申し出があったとき、弁護士はその報酬見積を出すよう努めることと弁護士の職務規程で定められています。
事前に正確な報酬を見積もるのは難しいという部分もあるのですが、実際に私も見積もりを求められることがあり、そのときは必ず見積額を提示しています。ですので、相談前にお気軽に報酬面についてお尋ねいただきたいと思います。
そして、依頼者の方々には弁護士を選ぶ権利があります。医師の診断でもセカンドオピニオンというものがあるように、自分が相談した弁護士のアドバイスに納得がいかないようなら、他の弁護士の意見を求めてみることも一つの選択肢だと思います。