田島 正広 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
バブル時代に学生生活を送っていましたが、強引な地上げなどの行き過ぎた企業活動が報じられる中、独立的な視点からものが言える仕事に就きたいと考えたのが、弁護士を志すきっかけでした。
印象に残っている案件(事件)
早くからインターネット上の人権活動に取り組んできましたが、最近では報道と人権の分野で、誹謗記事を掲載した出版社の代表取締役の責任を認める裁判例を作ることができました。また、個人情報の安全管理について、ノートPC等の携帯の際の技術的保護措置のあり方と紛失時の対応に関する総務省のガイドライン作りに、中心的に関わりました。
弁護士になって大変だと感じること
我々がベストと思う方針でも、必ずしも依頼者の納得を得られるとは限りません。適切な状況報告と説明、さらには相手の気持ちになって状況を理解することにより、依頼者の納得感を得ながら業務を行うことには、常に気を遣います。
休日の過ごし方
音楽鑑賞やスポーツ観戦など読書をしたりダイビングをしたりスキーをしたり極力時間を作る。家事をやらなきゃいけない。
学生時代
学生時代は上述したようにバブル時代で、周りは浮かれていました。その中で漠然と弁護士を目指すだろう、くらいには思っていました。
弁護士としての信条・ポリシー
法の支配に基づく公正な自由競争社会の実現が、私にとっての根本的な課題です。弁護士は、その法的知識と、実務経験に裏付けられたバランス感覚、リーガル・マインドの下、法の支配を具現するべきものです。
当事者間で主張の衝突するような事案においては、依頼者の利益を代弁して主張を戦わせることで妥当な結果を導き、これによって社会正義を実現することになります。
また、企業法務においてはコンプライアンス(遵法経営)の確立に基づくガバナンス(企業統治)の実現を目指し、他方、非事業者においては、法制度が予定する妥当な結果を導くことにより、その正当な利益の実現を目指すことになります。
内部通報外部窓口業務について
私が近年注力している業務に内部通報外部窓口業務が挙げられます。私はコンプライアンスに基づくガバナンスの実現を目指しています。その企業倫理を維持する手法としてモニタリングがあると思っています。社長目線のコンプライアンスは当然のこと社員からの目線もあるべきです。それには外部の通報機関が必要で、そこから企業にフィードバックする形をとっています。企業のコンプライアンスについての自浄作用を促すのが目的です。
企業にコンプライアンス違反がある場合、もし内部告発を経てマスコミなどの外部から批判を受けるとなると、企業は大きな損失を被ることになります。むしろ自ら積極的にその是正に取り組むことが企業の永続性確保に資する訳です。
今後のビジョン
コンプライアンスに対してより一層弁護士として関わっていきたいと思っています。そのためには現在展開している「内部通報の外部窓口」というものをより一層実効化していく必要があると思っています。
というのもほとんどの会社が形式的に仕方なく入れている現状があるからです。そのため、内部通報制度が機能せず、外部から批判されるまで自浄作用を果たせないのです。より一層内部通報制度を効果のあるものにしていかなければなりません。
今後の弁護士業界の動向
就職難ゆえの即独組が散見される中で、自らの事務所を構えることもままならない方が増えているように思います。今後は、税理士さんのように、依頼者の下を巡回するタイプの業務形態が増えるのではないでしょうか。それ自体は、むしろ依頼者からは歓迎されることと思いますし、立派な事務所を構えずともできることです。
ピンチの中にチャンスありと言いますが、逆境の中にこそビジネスチャンスを見出してほしいものです。大事なことは、目先の利益に目を奪われることなく、弁護士としてのポリシーを貫くことです。事務所経費に追われるくらいなら、コストのかからない業態を確立した方が、弁護士としての独立的なスタンスを維持するにはよいと思います。