大森 啓子 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
大学3年生の時に、誰でもなれるわけではなく誰かのためになる仕事をしたいと思い司法試験に挑戦することにしました。もともと弁護士に興味があったわけでなく、法学部だったので司法試験を目指したというのが本当のところです。
法律は必ずどの世界でも通用する、いわば世の中の血液のようなものだと思うんですね。それを身につければ、自分の視野や世界が広がると考えていました。私の場合、弁護士になるというよりは自分がどういう人になりたいかという人物像に対しての思いの方が強かったですね。
印象に残っている事例
弁護士になり4年目~6年目の3年間は、金融庁の証券取引等監視委員会に任期付公務員として勤務していたのですが、そこでの3年間全てが私の弁護士生活の中でとても印象に残っています。
もともと家事事件の他に証券関係、企業法務に興味があり証券外務員の資格を取っていました。証券取引等監視委員会では様々な企業のインサイダー取引の調査の指揮等をしていたのですが、その頃は弁護士というよりも検事という感覚でした。
そこで3年間経験を積み改めて実感したのですが、弁護士になったからゴールではなくそこから様々なことに挑戦していくことが、弁護士としても人間としても本当に大切なことだと思います。今後は、行政の考え方や規制の在り方など経験したことをもっと民間にも生かしていきたいと思っています。
仕事の中で嬉しかったこと
1番嬉しいのは依頼者の方に笑顔が生まれたとき、そしてその笑顔を見るときです。弁護士は敷居が高いと思われがちで、一生に一度あるかないかくらいの大きな出来事が起こった時に相談にいらっしゃるというのが現状です。しかし、もっと気軽に相談しに来て欲しいと思っています。
私が考える弁護士の役目は、依頼者の人生のベクトルを上に向かわせ、前を向いて歩いていけるようにしていくことだと考えています。1人でも多くの人が、悩みや不安の中から一歩踏み出す、そのお手伝いをしていきたいと考えています。
弁護士になって大変だと感じること
限られた時間の中でもやることは山ほどあるので、時間のやりくりは大変ですね。他には、何がベストなのか判断を悩む時です。
弁護士に求められるものの1つとして判断力があると思うのですが、たくさんある選択肢の中で、客観的状況などを見ながら依頼者にとってのベストは何かを判断するときはやはり悩みますね。
弁護士としての信条・ポリシー
依頼者の人生のベクトルを少しでも上に向かせること、新たな一歩を踏み出させることです。また依頼者にとって何がベストかを、依頼者の方にも理解してもらい、共に踏み出すことです。
依頼者の望むことが必ずしもベストだと限らないことがあるのですが、そこを弁護士として判断、見極めることが大切だと思っています。プロとして、依頼者の望むことが本当に適切かどうか法的に見ても見通しがあるかを検討し、しっかりと対応しています。
関心のある分野
離婚後の家庭における子供のあり方です。離婚はあくまで夫婦の問題で、そこに子供が巻き込まれることは極力避けるべきだと思うんですね。離婚は夫婦にとっては清算としての意味合いを持ちますが、子どもに対しては今後のあり方を定める家族の再構築としての意義も有するんです。
諸外国では離婚後も共同親権が認められています。夫婦が別れても、子供にとっては父親と母親であることには変わりないから、親権も引き続き共同で持つことになっているんです。
ところが、日本では、離婚すれば子供は父親、母親のいずれか一方の親権に服することになって、他方の親とは法的な関係が切り離されてしまうんです。親権を持たない親と子供の面会が十分果たされていない、養育費の支払いが確保されていないなど、子供にしわ寄せがきている事例も多くあります。
悩みを抱える方へのメッセージ
弁護士も同じ人間に変わりはないですし、敷居が高いとか気軽に相談しにくいというイメージをなくし、現状から一歩を踏み出す勇気を持って頂ければと思います。