増田 英次 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
私の父が会社経営をしていたのですが、私が中2のころ騙されてその後倒産してしまいました。そこでいろいろな不正義を目の当たりにしまして、子供ながらに許せなかったのです。それで司法試験を目指すことにしたのです。最初は検事になろうと思っていたのですが、最終的には弁護士になりました。
印象に残っている事案(事件)
1つは西村あさひ(当時は西村総合)法律事務所にいた時の事件です。日本の銀行のニューヨーク支店が不祥事に巻き込まれた事件で現地で刑事事件にもなりました。その事件に弁護メンバーの一人として関与し(この事件は、のちに日本でも株主代表訴訟において衝撃的な判例になりました。)、毎日夜遅く、時には徹夜で仕事をしました。その事件がきっかけで企業犯罪、コンプライアンスに目覚めたのです。私はアメリカのロースクールに2度留学しましたが、いずれのロースクールでもそのような研究をしました。
2つ目は独立してからのものです。新聞に載るような大きな事件ではないのですが、会社関係の事件です。依頼者はいわゆる孤立無援の状況で、大変追い詰められていました。それでこちらは最大限努力して弁護したのですが、結果的に彼らにとって大変良い結果を得ることができました。そうしたら依頼者は涙を流して感謝をしてくれまして、そのことが深く印象に残っています。
弁護士の魅力
よく企業に関する仕事をしている弁護士に対しては、「金持ちを弁護している」とか、「困っている人を助けない」などと言われたりするのですが、そんなことはなくて企業にも困っている人はたくさんいるわけです。その困っている人を法律知識と自分の経験で元の状態に戻してあげるお手伝いをするのが私達の仕事です。それには大きなやりがいがありますし、何より感謝されます。一番大きな報酬は、この感謝されるということです。
休日の過ごし方
写真を撮りにいきます。自分で言うのもなんですが笑、私はカメラの腕はプロ級なんですよ。ダイビングで水中写真を撮ったり、陸上ではスポーツ写真を撮ります。バンクーバーオリンピックにも撮影しに行ったんですよ。あとは小さい子供がいるので子育てにも関わっています。休日も忙しいです笑。
弁護士としての信条・ポリシー
まずは法律的なアドバイスをキチンとすること。これは当たり前のことですが、重要なことです。あとは依頼者のニーズをきちんと知ることです。これまで弁護士というと、何か「先生がご宣託を与える」みたいなところがあって、依頼者サイドのことを考える弁護士ってそれほどいなかったと思うのです。しかし依頼者が何を欲していて何を求めているのかをきちんと知ることは何より重要です。
依頼に対する仕事の速さだとか、金銭に関することも重要です。かゆいところに手が届くような仕事をしたいですね。ハーバードメディカルスクールでは、患者さんが医者を選ぶ基準のひとつとして、患者さんのことを本当にケアする気持ちがあるのか、患者さんの人生のことを思っているのかということを挙げています。弁護士も同じように、本当に依頼者のことをケアする気持ちがあるのかどうということがとても大事だと思います。
今後の弁護士業界の動向
人数が増えて弁護士も二極化が進むと思いますが、私は二極化することはいいことだと思っています。競争の中で淘汰が起こることはクライアントにとってもいいことです。競争のない「殿様商売」の犠牲者はクライアントですから。今はちょうど過渡期にあると思います。我々も力をつけないといけないし、クライアントも弁護士を選ぶ目を養う必要があります。気がかりがあるとすれば、司法試験でうまくいなかった人が半端な法律知識を持って裏社会に入ってしまうことです。
今後のビジョン
この事務所設立におけるビジョンそのものです。日本にも四大事務所のような大きな事務所があって、それは必要だと思います。しかし日本に必要なのは中規模事務所がもっと力をつけることです。アメリカ最も尊敬されている事務所はニューヨークにある中規模事務所なんですよ。日本にもそういう事務所が必要だと思います。30人~50人ぐらいの規模にして、中規模であるけれども最も質の高い法律事務所の一つと言われるような事務所にしたいです。
ページを見ている方へのメッセージ
コンプライアンスの仕事をしていると、いろんな不祥事に巻き込まれてしまう人に出会います。彼らはいわゆる普通の犯罪者とは違って、本来は善人であるのに、長く組織の中にいることで善悪の状況がわからなくなり、犯罪に手を染めてしまうということがあるのです。そういう状況にならないためにも常に自己向上・改革に努めてほしいですし、もしそのような状況に陥ってしまったら、弁護士に少しでも早く相談してほしいと思います。