秋山 佳胤 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
私は東工大出身で理系だったのですが、大学時代に膝をケガして入院したのをきっかけに司法試験を目指すことになりました。ケガをして約2ヶ月間入院した後、ちょうど年度末試験があって非常に忙しく過ごしていました。その後春休みを迎えて急に時間に余裕が出てきた時に、ふと司法試験を思いつきました。
法曹の中でも弁護士を選んだ理由は、自分は強い人間ではないため、人を裁いたり(裁判官)、正義の名の下、被告人を糾弾したり(検察官)することに違和感を感じ、むしろ被告人の育った環境、ライフストーリーを知ると、責める気持ちより共感する気持ちになることから、弁護士を選びました。
印象に残っている事例
私は主に知的財産事件を扱っていますが、最も思い出に残っているのは、サンゴ砂事件(東京地判平成15年10月16日・平成14(ワ)1943号)でしょうか。
この事件は、米国での製品の販売行為が、米国特許権を侵害するかという点について、東京地裁において、米国特許クレームを解釈し、均等論の成否まで検討して非侵害であることを判断したものであり、外国特許権の侵害の有無について、我が国の裁判所が、具体的内容に踏み込んで判断した初めての事案です。
尊敬する先輩である故安田有三先生からお誘いを頂き、一緒に担当させて頂いたものですが、第1回期日では、裁判所から訴えの取下を勧告されるなどの苦労やいろいろな工夫をしたのが大変有り難い経験になりました。
その他、JALとANAの訴訟も印象に残っています。JALがANAのチケットレスシステムが特許侵害であるとして、差止と損害賠償を求めた事件です。
これはいわゆるビジネスモデル特許の分野でリーディングケースとなるはずの事件でしたが、損害論に入らず、結審ということで被告である当方の勝訴が確実な状況になった時点で、JAL側が請求の放棄をしたものでした。
事務所の先輩である美勢克彦先生が主任になり、事務所のボスの松本重敏先生、また、ユアサハラの牧野利秋先生他とも一緒に仕事をさせていただき、とても勉強になりました。
弁護士になって大変だと感じること
大変だとはあまり感じることはなく、少しでも人のお役に立てる機会があることに感謝しています。もちろん、事件が立て込んでいて早急に対応しなければいけない時などはありますが、それを大変だと思って苦しむか、やりがいを感じて感謝し、楽しみながら仕事をするかは自分の意識次第だと思っています。
弁護士としての信条・ポリシー
事務所名の「ロータス」は、蓮の他に「楽園」という意味があります。私が意図しているのは、皆様一人ひとりの持っている素晴らしい力が発揮され、それが横のネットワークでつながり、調和することにより、地上に素晴らしい楽園が創造されるということです。
弁護士としては、それぞれの方が本来の力を十分に発揮し、調和的な解決ができるよう、法的なサポートをさせて頂ければと考えています。
特許の分野では、特許による独占権が強すぎては一企業の利益のための道具になってしまいますし、反対に特許が弱過ぎると、発明に対するインセンティブが十分に与えられず、産業の発展につながりません。このため、特許法のあるべき秩序を考慮しながら、よりよき調和を意図して、一つ一つの事件に取り組んでいます。
依頼者に対して気をつけていること
物事を解決するのは、本来的に、ご本人の力によるものと考えています。そのため、心がけているのは、前述したとおり、依頼者の力が最大限に引き出されるためのお手伝いをさせて頂く、ということです。
これは、法律相談だけでなく、病気にかかった際などの健康相談も同様と考えています。医者が病気を治してくれるのではなく、病気を克服するのは本人の自然治癒力が最も大切と考えています。その意味で弁護士として、また一人の人間として、ご縁のある方々の最大限のサポートをさせて頂くということが役割と考えています。