山岸 和彦 弁護士 インタビュー
弁護士を目指した理由
初めは弁護士ではなく裁判官を目指していました。高校生のときに課題で憲法に関する社会学的分析に関する文献を読まされ、それ以来、法律に興味を持ち、裁判官になって、憲法や法律で保障された内容を判決によって実現したいと考えるようになりました。
司法修習生になっても裁判官を志望していましたが、実務修習に入り、弁護修習が終わる頃に弁護士に志望を変えました。弁護実務修習で配属された弁護士事務所では、若手の極めて優秀で、人間的にも素晴らしい弁護士の方々が、社会的に意義のある事件を含め、生き生きと仕事をされており、自分もこのような弁護士になりたい、少しでも近づきたいと思いました。法律が保障する内容を具体的に実現するにはむしろ弁護士の方が向いていると考えたこともその理由の1つです。
大学生活を振り返って
司法試験を目指して大学に入学したのですが、以前から関心をもっていた茶道をやってみたいと思い、茶道部に入りました。お茶が面白くて夢中になってやっていましたが、2年生の秋からは、法律研究室に入り、猛烈に勉強を始めました。大学のゼミも司法試験に有用と考えた商法や刑事訴訟法のゼミを選択しました。
司法試験での苦労
今度は大丈夫だろうと思った年に結果が出なかったときは辛かったですね。
今になって思うと、そのときは勉強不足というよりは試験が求めていること、出題者の意図などをよく理解していなかったように思います。これは目の前の勉強に没頭したり、がむしゃらになればなるほど陥りやすいことなのですが、もっと思考を柔軟にし、試験が求めていること(出題者が求めていること)に素直に答えることができたなと感じた年に合格することができました。
司法修習時代の思い出
楽しく、かつ刺激的でした。見るもの、聞くもの全てが新鮮でした。裁判官、検察官、弁護士のたまごとして、一般の方が経験できないような貴重な経験をすることができますので、何でも見てみよう、やってみようと積極的に取り組みました。
また英語は必要と考え、夜は英語学校に通いましたが、そこで法律家ではない多くの友人を得ることができました。
最初の事務所での経験
事務所からいただけるお金は給料制ではなく、当時としても珍しい歩合制だったので、あまり事務所に縛られることなく、好きな事件を自由にやらせてもらえるところに魅力を感じました。お陰でレペタ事件など、社会的に有意義な事件にも関わることができました。
しかし事務所外の弁護士と仕事をすることが多くなり、相対的に事務所の事件にたずさわる時間が少なくなってしまったので、事務所にとってはよいアソシエイト弁護士ではなかったと思います。
依頼者に対して心がけていること
依頼者の方に、いかに事実をもれなくありのままに話して頂けるか、その環境や雰囲気づくりです。弁護士によっては、依頼者に対して尊大な態度をとったり、叱りつけたりする人がいますが、それでは依頼者が萎縮してしまいます。依頼者の方が話しやすいように、同じ目線に立って、時間をとり、じっくりと話を聞くように心掛けています。
また依頼者の方が、直面する問題について解決の糸口を見つけるためのお手伝いとする必要があると思っていますので、目的達成のために依頼者の望むAという方法が適当でないとして片付けるのではなく、他の選択肢BやCがないかを一緒に検討するようにしています。
特に関心のある分野
関心のある分野はかなり広いです。会社法や独禁法も興味を持っている分野の一部です。仕事として訴訟事件を扱うことが多いのですが、訴訟ではいろいろな法律分野が問題になります。
どの分野も面白いし、特に法律的に困難な分野、新しい分野などは工夫のしがいがあって面白いと思います。知的好奇心が強い方だと思います。常に面白そうなものには興味があり、できる範囲で何でもやっていきたいと思っています。
弁護士に最も求められること
相手の立場に立って考えること、想像力だと思います。恋愛と同じかもしれません(笑)。依頼者の方が相談に来た場合は依頼者の気持ち、訴訟や交渉の場合には相手方の気持ちになって想像力を働かせることです。
特に訴訟・交渉の場合、相手の立場に立って考えれば、ある程度、相手の行動・対応を予測することができます。そうすればこちら側もそれに対する対応をあらかじめ準備しておくことができ、有利にことを進めることができるように思います。
悩みを抱える方へのメッセージ
依頼する弁護士が、話をよく聞いてくれるかどうか、親切か、他方、事案の客観的な見通しを持って解決策の提示など的確なアドバイスをしてくれるか、を見る必要があると思います。
そのためには1か所の事務所だけでなく、何カ所か事務所を見てみるのが良いかもしれないですね。