伊藤 敬史 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
大学生のときに、市民の方を相手に無料で法律相談を行うサークルに入っていました。大学2年生のとき青森に遠征に行き、そこである老人から相談を受けました。その老人は何十年も前に財産をだまし取られてしまっていました。ところが、かなり前のことなので、どの手段を取っても時効等が問題となり、財産を取り返したり損害賠償請求をすることが難しい事案でした。
老人にそう伝えたところ、「あなた達みたいな人にもっとはやく会いたかった。もし20年前に会えていたら私の人生は違っていたと思う」と言われました。その言葉を聞いたときに、人の人生が変わるかもしれない場面に立ち会ってお力になることができれば、どんなに素晴らしいだろうと思いました。それで、目の前に困っている人がいたときに、その人の力になりたいと強く思い、弁護士を目指しました。
印象に残っている案件(事件)
少年事件です。16、7才の非行をした少年と審判に向け関わり合う中で、短期間で劇的に変わっていく彼らの姿、更生していく様子が印象に残ります。
ある少年が、事件の1年くらい後になって、「先生のようになりたくて大学の法学部に入りました」とメールをくれたときは、一生懸命がんばっているんだなあと思い、とても嬉しかったです。
仕事の中で嬉しかったこと
依頼者の方が事件後に挨拶にみえて、「実は先生に相談する前に自殺しようと思っていました。でも、死ぬ前に弁護士に相談してみようと思って先生に相談しました。先生に相談してよかったです」と涙ぐみながらおっしゃっていたときは、とても嬉しかったです。
弁護士になって大変だと感じること
ひとりひとりの依頼者の方の人生を左右したり、企業の命運がかかっている、そんな重大な場面に私は関わっています。その中で、依頼者の方のトラブルを本当の意味で解決することを心掛けています。
「事件の処理」と「事案の解決」は違うと思うのです。「事件の処理」は裁判で判決が出れば終わりますが、「事案の解決」は裁判の結論が全てではありません。依頼者の方にとっては、他者との関係等がこれからも続いていきます。そこまで踏まえて解決できてこそ本当の解決だと思います。これは難しいですが、やりがいを感じます。
休日の過ごし方
子どもと遊んだり、家族とすごす時間を大切にしています。
弁護士としての信条・ポリシー
私が弁護士を目指した原点である、青森で出会った老人の出来事のように、目の前に困っている人がいたときに、お力になりたいということです。
依頼者に対して気をつけていること
本当の意味で依頼者の方にとって「事案の解決」ができるようにすることです。そのためには法律論だけではなく、依頼者の方と一緒に考えていくことが大切だと思っています。
関心のある分野
日常の業務としては、中小企業の法務、公益法人の法務や不動産、建築、不法行為、労働、家事事件等を扱うことが多いですが、弁護士会の活動では、高齢化社会において、いわゆる終活を法的にサポートするための受け皿づくりもしています。
今後の弁護士業界の動向
弁護士の人口は増え、弁護士にアクセスしやすくなることで、今まで泣き寝入りしていたような人達が減ればいいと思っています。
今後のビジョン
先ほどお話しした自分の原点を大切にしながら、時代が変わる中で自分も勉強をしながらネットワークを拡げていきたいですね。
ページを見ている方へのメッセージ
困ったことがあったときには気軽に弁護士に相談してほしいと思います。
学生時代にサークルをやっていたときに弁護士ではなく、学生の私達に相談に来る人達が多いことを感じていました。一般の方が学生に相談する1番の理由は「これを弁護士に相談していいかわからない」という理由でした。でも、弁護士に早く相談していただくことで、よい解決ができるということはたくさんあります。ぜひお気軽に相談してください。