伊達 智子 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
就職を考えるにあたり、手に職をつけたいと思いました。司法試験を受けて弁護士になって働くというのは、分かりやすく、魅力を感じました。
経済産業省への出向時のエピソード
法改正をするということで声をかけていただきました。2008年11月から2年間、経済産業省の産業技術環境局技術振興課に課長補佐として出向し、法律の改正と研究会の運営をしました。
まず、法律の改正ですが、これは、「技術研究組合」という企業などが共同研究をするための組織について定めた法律です。使い勝手をよくして、いろいろなタイプの共同研究に広く使えるようにしようということで約50年ぶりに改正しました。法人格があり、会社にも転換できる便利な組織で、中小企業や大学も利用しています。
最近注目されるのは、2011年1月に設立された「基準認証イノベーション技術研究組合」です。企業などが技術研究組合を利用して、オールジャパン体制で国際標準化を進めようという新しい試みです。
次に、研究会ですが、「ソフトIP研究会」と呼んでいましたが、この研究会では、産業界の有識者や学識経験者に参加いただいて、特許権に基づく差止請求権の制限など特許制度に関する問題を検討しました。
1つの製品に数千件という特許がかかわるようになっているのに、1件でも侵害があれば全体の差止めができるという現行制度では、かえって産業の発達が阻害されるのではないかという問題意識です。
2年間という短い期間でしたが、大きな組織の中で働く経験ができてよかったと思います。経済産業省には「原課」と呼ばれる産業ごとの担当課がありますが、原課と一緒に仕事をすることも多かったです。
また、「産総研」(産業技術総合研究所)という国の研究機関や総務省などの他の省庁との調整もありました。任期付公務員でしたが、いろいろな仕事をさせてもらいました。
弁護士としての信条・ポリシー
「ソフトIP研究会」で、キヤノン顧問の丸島儀一先生(現金沢工業大学教授)にご指導いただきました。
丸島先生からは、知財でビジネスを強くするのが知財戦略であって、知識だけではだめで、実務家は案件ごとに勝つ知財戦略を具体的に立案し実行することが求められ、具体的な案件に適った知財戦略を立てる知恵と実行力が必要であるということを繰り返し教えていただきました。これを信条にしたいと思います。
依頼者に対して気を付けていること
話をよく聞いて状況を理解するようにしています。そのうえで、具体的に役に立つサービスを提供できれば嬉しいです。
関心のある分野
知的財産法の分野です。技術研究組合を担当していて、知的財産の取り扱いについての相談が多くありました。複数の企業や大学などが一緒になって共同研究をするので、成果である知的財産の取り扱いについて利害が衝突することがあります。
プロジェクト参加者のインセンティブを損なわないようにしつつ、プロジェクト全体の目的も達成されるようにするには、工夫が必要です。今はこうした知的財産マネジメントに関心があります。
ページを見ている方へのメッセージ
弁護士に依頼する場合に限らないと思いますが、コミュニケーションをよくすると、よい仕事につながると思います。費用のことを含め、疑問に思うことがあれば遠慮なく聞かれるとよいと思います。