裁判官の情報どう集める?問題がある裁判官だったら「異動を待つしかない」?…全国の弁護士に聞いた!「問題がある裁判官」たちVol.4
弁護士ドットコムタイムズでは、2021年7月3日に全国の弁護士にアンケートを実施し、511人から回答を得た。2021年9月号の雑誌に掲載した「特集:全国の弁護士に聞いた!裁判所で見た『問題がある裁判官』たちー調査結果編ー」を4回にわけて掲載。 4回目は、裁判官の情報収集方法や、問題がある裁判官に出会った場合の対処法についての結果を紹介する。 ※画像はイメージ(shrimpgraphic / PIXTA)
「委員会で情報共有」「所内の顧問(シニアな裁判官OB)に知見を伺う」
裁判官に関する情報収集方法について聞いたところ、173人から回答を得た。「特にしていない」との回答が少なくなかった一方で、独自の方法で情報収集している弁護士もいた。寄せられた主な情報収集法を紹介する。
【口コミ、弁護士同士の情報交換】
「弁護士会の先輩弁護士に相談」「事務所や同期から」「所内の顧問(シニアな裁判官OB)に知見を伺う」「他の地域の弁護士に『この人知ってる?』と聞いてみる」
【アンケート情報をチェック】
「弁護士会のアンケート」「青年法律家協会の裁判官アンケート」
【ネットや書籍で検索】
「TwitterなどのSNSを使って調べる」「報道」「過去の判例で問題となっているものがないかなど調査」「裁判例、書籍」「弁護士がまとめている経歴調査結果が掲載されているブログなど」
【弁護士会で情報共有】
「弁護士会のメーリングリスト」「弁護士会の司法制度調査会という委員会で情報共有するようにしている」
問題がある裁判官に当たったら?
情報収集した結果、問題がある裁判官だと分かってしまった場合の対処方法については「対策のしようがなく、諦めている」「異動を待つしかない」との意見も複数みられた。
あえて、情報収集もせず、「当たったらその時に考える」という弁護士は、「最初にこれはひどいなと思った裁判官が、後から優秀だったなと思うこともある。どんな裁判官とでもちゃんとやるのが弁護士の仕事だし、対裁判官の大変さは、対依頼者の大変さに比べれば、1万分の一にも及ばない」とした。
自ら対策をしたり、ほかの弁護士が取った対策を聞いたりしたことがある弁護士からは、以下のコメントが寄せられた。
「地方だと(問題がある裁判官か否かは)すぐに判明する。実際に、問題裁判官の単独部に配属が決まると取り下げる弁護士もいたらしい。東京では、無理」
「忌避を使う弁護士もいるらしい。最終的に忌避が認められなくても、忌避されただけで出世に響くらしく、忌避をにおわせると裁判官はかなり焦るらしい」
「素晴らしい裁判官もいるとは思うが、簡裁はあまりに質が低い裁判官が一定数いるのは事実。個別の情報収集は難しいので、勝ち筋事件は簡裁を避けて、負け筋事件は簡裁でやるなど、簡裁はなるべく避けるようにしている」「よく当たる簡易裁判所の裁判官には、早く判決出してもらって控訴審でひっくり返すようにしている」
「まずは、所内で情報共有。別場所に管轄があるかどうか、別の裁判所に提訴できるかを検討する」
「当事者同士での解決を図るべく訴訟に期待をせず、訴訟外解決を図れないか模索する」