裁判官の問題行動「明らかに酩酊した様子」「尋問中ずっと眠っていた」…全国の弁護士に聞いた!「問題がある裁判官」たちVol.2
裁判官には、公平さ、寛容さや自制心などの資質や能力なども求められている。ところが、一般的に求められる能力が備わっていないどころか、問題行動をする裁判官を見た弁護士たちもいた。弁護士たちが出会ったのは、どのような裁判官だったのか。 弁護士ドットコムタイムズでは、2021年7月3日に全国の弁護士にアンケートを実施し、511人から回答を得た。2021年9月号の雑誌に掲載した「特集:全国の弁護士に聞いた!裁判所で見た『問題がある裁判官』たちー調査結果編ー」を4回にわけて掲載。 2回目は、裁判官の問題行動についての結果を紹介する。 ※画像はイメージ(shrimpgraphic / PIXTA)
9割以上が見た!裁判官の問題行動
これまで見たことがある裁判官の問題行動について聞いたところ、9割以上が裁判官のなんらかの問題行動を見ていることが分かった。
もっとも多かったのは「裁判期日前に提出した書面や証拠を読んでいない」で、47.7%。次いで「何がなんでも和解に持ち込もうとする」が44.4%、「感情的」が37.6%、「やる気がまったく感じられない」が36.6%と続いた。「その他」の自由回答として、「刑事事件で開廷時間わずか45分で即日判決する」「偏見があって決めつけをする」「やたらと強権的」などが挙がった。
また、「代理人弁護士の遅刻に対しては明らかに怪訝な顔で不快感を示すが、自分が遅刻したときは何事もなかったかのように期日を始める(裁判官がいた)」との意見もあった。
裁判官の居眠りについては、2021年6月7日に新潟地方裁判所でおこなわれた裁判員裁判で居眠りを繰り返した裁判官や、2019年10月に高知地方裁判所で居眠りをした裁判長について報じられたが、報道されている以外にも刑事裁判で寝ている裁判官を見たとの指摘が寄せられた。民事については「主尋問で居眠りするのはごく普通にあるので、いまさら驚かない」との意見もあった。
「和解案を蹴ったら喚きだした」「裁判官室で飲酒」
裁判官の問題行動を見た弁護士のうち、177人から具体的なエピソードが寄せられた。弁護士が見てしまった裁判官情報の一部を紹介する。
【眠れる法廷の裁判官】
「3時間程度の尋問中ずっと眠っていらっしゃった」
「専門家証人(弁護側推薦)の証人尋問中に船を漕ぐような形で、居眠りをした」
「証人尋問で良い尋問をしていたのに、裁判官を見ていたら寝ていた」
【キレる裁判官】
「裁判所提示の和解案を蹴ったら喚きだした」
「準備が遅いと言って、机を叩いて怒鳴り散らした」
「被告人を怒鳴りつける」
「審尋期日において、当事者が意見を述べているときに、指で机をトントンと叩き、『だったらどうするの!』と怒鳴るような口調で意見陳述を遮った」
「和解案について次回期日まで検討する話であったのに、期日で回答したところ、事前に連絡がないと激怒し、自分の和解案の手控えを破り捨てて怒りを表現していた」
【酒に呑まれた裁判官】
「公判期日の際に、呂律が回らず、明らかに酩酊した様子だった」
「司法修習の時に見た、裁判官室で飲酒している裁判官」
【えこひいき裁判官】
「自分がいる地域の弁護士と懇意にしすぎており、へらへらしながらその先生の主張を鵜呑みにする」
「ベテラン弁護士の主張は無批判に採用」
【他者に対する態度が異常な裁判官】
「他の裁判官を名指しで露骨に馬鹿にしていた」
「こんなの争う人いませんよ、と依頼者に非常識な人だという態度で接する」
「常にタメ口・半笑いで、訴訟指揮に代理人が反論すると激昂する右陪席」
「最近購入したものなのか、手続中に自分の指輪ばかり見て、代理人の顔を一切見ない裁判官がいた」