伊豆地域に根ざした事務所として、1人ひとりに最善の解決を提供〜終活サポートで豊かな余生を応援
伊豆市初の法律事務所を開設
ーー弁護士を目指した経緯を教えてください。
高校生の頃から、法律にかかわる職業に憧れていました。当時は弁護士や検察官が主人公のドラマが流行っていたので、多少なりとも影響を受けたのかもしれません。
大学は法学部に進学し、司法試験合格を目指す同級生や先輩方と交流する中で、法曹への憧れがますます強くなりました。同じ大学の卒業生には弁護士になった先輩が多く、中には、市民の味方として消費者事件に尽力している方もいました。信念を持って仕事に邁進される姿に感銘を受けて、「自分も、トラブルに直面した人の権利を守り、平穏な日常を取り戻すための力になりたい」と考え、弁護士を目指そうと決心しました。
ーー法テラス静岡法律事務所、同沼津法律事務所での約10年間の勤務を経て、2023年に独立開業されています。法テラスのお仕事で感じたことや、ご自身の事務所の理念などについてお聞かせください。
「司法アクセス障害」という言葉を知っていますか?近くに弁護士がいないだとか、経済的な困窮や身体障害などの様々な理由により、必要な司法サービスを受けづらい・受けられない状況のことです。
法テラスは、司法アクセス障害の解消を理念のひとつに掲げています。私はこの理念に共感して法テラスに入所したのですが、実際に働いてみると、想像していた以上に様々な困難を抱えた方々がいるのだと知りました。たとえば借金問題1つとっても、判断能力が低下して不要な契約をいくつも結んでいる方、地域に法律事務所がなく、誰にも相談できないまま借金を借金で返すような状況に陥っている方など、1人ひとり、抱えている事情は全く異なっていました。
最大公約数的な解決策ではなく、時には福祉や行政とも連携しながら、依頼者それぞれにフィットした解決策を提案しなくてはならないことを実感しました。それができて初めて、依頼者にとって最も利益がある解決を導くことができます。法テラスを任期満了で退職した今も、強く胸にある思いです。
司法アクセス障害には、弁護士が集中するエリアと極端に少ないエリアが生じる「弁護士過疎・偏在問題」も含まれます。私が独立開業の地に選んだ静岡県伊豆市は、今まで法律事務所が1つもなかった土地です。離婚、交通事故、債務整理など、日常生活の困りごとを幅広く扱いながら、伊豆地域全体の司法ニーズに応えたいと思っています。
「終活」を推進。怖がらず、老後に備える
ーー現在の注力分野は何ですか。
相続です。伊豆地域は高齢化率が高く、ニーズのある分野なので力を入れています。紛争の解決や手続きの代行はもちろん、相続トラブルを未然に予防するための取り組みとして、いわゆる「終活」を推進しています。
ーー終活は、否応なしに死を想起させるものです。気乗りしないという方もいるのではないでしょうか。
そうですね。終活にネガティブなイメージを持っている方や、健康状態に問題がないのだから考えたくないという方は多くいます。お気持ちはわかりますが、早めに取り組んだほうが心配ごとを減らせて、安心した老後を送れるはずです。どうか怖がらずに向き合ってみてほしいですね。
ーー終活の一歩目としてお勧めの対策はありますか。
エンディングノートです。書店や文房具売り場などで購入できます。今までの人生を振り返ったり、家族や友人への感謝を綴ったり、自分の言葉で自由に記述してみてください。エンディングノートには法的な効力がないので、いつでも、何度でも書き直すことができます。
エンディングノートを書き、相続への心理的なハードルがある程度解消されてから、法的な効力のある遺言書の作成に取りかかるのが良い順番かと思います。
身近な弁護士であるための工夫
ーーお仕事をする上で心掛けていることはありますか。
依頼者が話しやすい雰囲気づくりを大切にしています。時間を気にせず、心に余裕を持って相談してもらえるよう、法律相談は最低でも1時間を確保しています。
法律事務所によっては、相談時間を30分に設定しているところも多いですが、30分ではどうしても時間が短く、依頼者は焦りを感じますし、弁護士からのアドバイスも駆け足気味になりかねません。
相談時間を1時間にすることで、依頼者は、悩んでいることを落ち着いて弁護士に伝えられます。また、弁護士は依頼者の話をじっくり聞いた上で、今後すべきことについて丁寧にわかりやすくアドバイスできます。十分な相談時間を確保することは、弁護士・依頼者双方にとってメリットがあると考えています。
ーー焦らずに話ができると、確かに安心できますね。依頼者の話しやすさという点に関して、他におこなっていることはありますか。
訪問相談を行っています。移動が難しかったり、慣れない場所に強い不安を感じたりする方のため、自宅や入院先の病院などに私が訪問し、相談を受けるというものです。司法アクセスの改善につながれば、という思いで取り組んでいます。
ーー今までお仕事をしてきたなかで、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
法律トラブルによるストレスが原因で気持ちが塞ぎ込んでしまい、生活に支障をきたし、仕事もできなくなってしまった依頼者がいました。初めて私と会ったときは、表情が暗く、気力もない状態。その様子を見て、とても心配になったことを覚えています。
落ち込む依頼者を励ましながら裁判を戦い抜き、最終的には、依頼者にとって満足のいく判決を得ることができました。すると、依頼者の表情が次第に明るくなっていくのがわかったのです。最初に会ったときとは別人のようでした。
事件が解決してしばらく経った後、元気になった姿を見せに事務所に立ち寄ってくれたときは嬉しかったですね。仕事にも復帰できたと聞き、ホッとしました。法律トラブルがいかに心身に影響を及ぼすかを実感するとともに、この方の力になれて本当によかったと思った一件です。
ーー今後、より力を入れて取り組みたいことを教えてください。
引き続き、遺言書作成をはじめとする終活支援に重点を置きたいと思っています。財産管理、任意後見制度、見守り契約など、老後の暮らしに役立つ制度はたくさんあります。地域の高齢者の方々が安心した老後を過ごせるよう、制度の周知・普及に努めたいです。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方に向けて、メッセージをお願いします。
不安や悩みごとは、誰かに話すだけでも気持ちが楽になることがあります。法律事務所は近寄りがたいと感じるかもしれませんが、きっと、あなたの問題を解決するお力になれると思います。気軽にお問い合わせていただければ嬉しいです。