
阿部 浩基 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
公務員、会社員には不向きだと思ったから弁護士を志しました。大学3年になり、就職を考える時に、周囲の友人は大企業や国家公務員などを志す人が多かったのですが、私は生まれが農家でしたので、サラリーマンは向いていないと感じました。そこで法学部だから弁護士がいいかなと思いました。弁護士を目指して司法試験に受からなければそこからまた就職すればいいかなという感覚でした。
今までの経験と現在の仕事内容
クレサラ事件、労働事件(労災含む)、医療事故、行政訴訟、一般民事、家事事件、浜岡原発差止訴訟や刑事再審などを取り扱ってきました。
印象に残っている案件(事件)
弁護士になって比較的早い時期に、再審事件の島田事件の弁護団に加えていただきました。再審請求の途中から加わり、死刑の再審事件でしたので非常に印象に残っています。
また、労働事件では団体定期保険に関する事件が印象に残っています。企業が従業員にあまり説明せずに保険をかけて、従業員が亡くなるとその大半を企業が受け取ってしまうという事件でした。この事件では過労死についての問題があったのですが、過労死するまで従業員をこき使って、会社に何千万というお金が入る、それを遺族に返せという裁判をやりました。
その他には、スズキ自動車における賃金差別事件や静岡空港の設置許可処分取消に関する事件などが印象に残っています。
弁護士としての信条・ポリシー
依頼者の気持ちを大切にすることですね。そのためには依頼者の話をよく聞くことがまずは大切だと思います。忙しいとなかなか難しい時もありますが、ある程度時間を取ってよく話を聞くことが基本になります。依頼者が何を訴えたいのか、何を言いたいのかがわからないと解決の方針も立ちません。相談に来た人が何を一番訴えたいのか、その気持ちを聞くことを重視しています。
また、できる限り事件は断らないということも意識しています。弁護士事務所に相談に来る人は切羽詰っている状況の中、敷居が高いと言われているところに勇気を振り絞ってきています。そうして来ている人の相談が手間隙ばかりかかって、お金にならない事件だからやらないとなると、その相談者はまた別の弁護士のもとへ行かなければならなくなります。それは結局弁護士が本当は頑張ってやればできるのに、手を差し伸べないことになります。
基本的に困って相談に来ていて、解決の方法があるのであれば、たらい回しをせずに弁護士として断らずにやるべきではないかと思います。
言い古された言葉ですが、社会正義の実現と人権擁護のために弁護士は仕事をします。もちろん自分が稼いで、事務所を維持し、家族を養わなければなりませんが、弁護士になった以上、社会の役に立つ意義のあることをやらないと何のためになったのかわかりません。
お金を儲けるだけであれば他にいい商売はたくさんあります。事件を解決して依頼者から感謝される時は弁護士にとって一番やりがいを感じる時ですね。
ページを見ている方へのメッセージ
困っていることがあれば遠慮せずに電話していただきたいと思います。必ず解決するというわけではありませんが、相談していただければ何かしらのお役に立てるのではないかと思います。
今はインターネットで知識や情報を集めることはできますが、実際にどのように裁判が進むのかといったところは、実際に実務に携わっている弁護士に聞かないとわかりません。自分が調べた情報から勝手に解釈して変な方向にいってしまうこともあります。知識が実際にどういうように運用されているのかといった実態を知らないと適切な解決に至らない場合もありますのでまずは電話をかけてください。