- 給料・残業代請求
会社の「変形労働時間制」を前提に、残業代が少なく計算されていた元従業員。制度の無効を主張し、請求額の約8割の解決金を得た事例
相談前の状況
ご依頼者は、長年、事務の仕事をしてきました。会社は「1年単位の変形労働時間制」(繁忙期と閑散期で1日・1週の労働時間を調整できる制度)をとっているとして、その前提で残業代を計算していました。
退職を機に、「残業代は正しく支払われていたのか」「今からでも請求できるのか」とご相談に来られました。
解決への流れ
変形労働時間制をとるには、会社と「従業員の過半数を代表する人」との間で労使協定を結ぶなど、法律で決められた手続が必要です。
お話を伺うと、この会社では従業員の話し合いや投票で代表者を選んだことは一度もなく、社長が選んだ従業員に、説明もないまま協定書へ署名・押印させていたことが分かりました。また、会社の年間の休日の予定表では、法律で決められた連続勤務の上限を超える日程が組まれていました。
そこで、変形労働時間制は無効であり、通常の労働時間のルールで残業代を計算し直すべきだとして、訴訟を起こしました。
その結果、請求した額の約8割にあたる解決金を会社が支払う内容で和解が成立しました。
榧野 寛俊 弁護士からのコメント
変形労働時間制は、正しい手続で導入されていれば、残業代が少なくなる場合がある制度です。しかし、従業員代表を会社が一方的に決めていたり、休日の決め方が法律の上限に反していたりすると、制度そのものが無効になることがあります。
従業員代表が、実は社長に指名された人だったという会社は少なくありません。「うちは変形労働時間制だから」と言われて残業代に納得がいかないときは、退職した後でも構いませんので、お早めにご相談ください。
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