外国人問題をはじめ、国内外から寄せられる様々な相談を解決に導く〜声を上げられず苦しむ人の力に
「弱い立場に置かれた人を助けたい」
ーー弁護士を目指したきっかけ、理由を教えてください。
小学生のときに、女性の弁護士が弱者を助けるという内容のテレビ番組を見て、「私も、困っている人を助ける仕事ができたらいいな」と思ったことが最初のきっかけです。漠然とした思いではありましたが、弁護士への憧れは心の中にずっとあり、大学も法学部に進学しました。
本格的に弁護士を志すターニングポイントになったのは、大学卒業後にワーキングホリデーでカナダに行った際、私自身が法律トラブルに巻き込まれたことです。現地で借りていたマンションを明け渡すときに敷金を返してもらえずとても困ったのですが、法律も分からず、相談できる相手もいなかったため、泣き寝入りせざるを得ませんでした。
私以外にも、現地の日本人で、法律トラブルを抱えていても声を上げられない人々はたくさんいました。
カナダでマイノリティである日本人がトラブルに遭っても救われない、という辛い状況を経験したことで、「弱い立場に置かれた人を救いたい」と思い、弁護士を目指す気持ちがより強くなりました。そして、日本に帰国した後、ロースクールに入学して司法試験の勉強を始めました。
マイノリティの方を助けたい、という思いが弁護士を目指した出発点なので、今も、日本に住む外国人など社会において弱い立場にある方をサポートする力になりたいと考えています。
「何に悩み、どんな気持ちでいるのか」依頼者の話にじっくり耳を傾ける
ーー現在注力している分野と、その分野に注力している理由を教えてください。
不動産、外国人問題、離婚の3分野に注力しています。
まず、不動産に注力しているのは、以前所属していた事務所での経験を活かしたいと考えたからです。その事務所は寄せられる相談のほとんどが不動産関係の事件で、建物の明け渡しや境界確定、所有権の確認など様々な案件を手がけました。
所長弁護士に事件処理のノウハウを教えてもらいながら多くの案件に取り組み、経験を積む中で少しずつ自信がついていきました。不動産事件に関する知見は所長からいただいた財産だと思い、独立した今も力を入れて取り組んでいます。
外国人問題については、私自身が海外生活で苦労したことから、日本に住む外国人でトラブルを抱えている方の力になりたいと思い力を入れています。在留資格申請や、国際離婚、国際相続など個人の方からの相談はもちろん、企業からの相談も承っています。たとえば、「海外の企業と取引があるので、英語の契約書のチェックをしてほしい」「外国人労働者を雇う上で注意することはないか」といった相談が寄せられます。
3つ目の注力分野である離婚については、弁護士を目指したきっかけになったテレビ番組が、まさに、離婚で悩んでいる女性を弁護士が助けるという内容だったんです。私が弁護士を目指した原点とも言える分野なので、力を入れています。
離婚事件において女性は相対的に弱い立場になりやすく、養育費の不払いなどで苦しい思いをしている方がたくさんいます。そのような方々の力になるために、女性、特に子どもがいるお母さんからの相談を積極的に手がけています。
ーー仕事をする上で意識していることはありますか。
依頼者の話をよく聞くことです。
弁護士は、自分の主張を展開していくことが仕事です。日々そういう仕事をしているためか、つい、依頼者がまだ話しているのに遮って、「その悩みはこうやって解決できますよ」とアドバイスをしたくなってしまうこともあります。特に、弁護士になりたての頃は、打ち合わせ時間の半分以上を私が話してしまうようなこともありました。
ただ、弁護士が話しすぎることは、あまりよくないと思っています。的確なアドバイスをするためにも、まず知るべきなのは、依頼者がどういう悩みを抱えていてどんな気持ちでいるかということ。事件解決のために重要な話はもちろん、直接関係ない話も含めてしっかり聞き取り、その上で、対処法を伝えることを大事にしています。
ーー依頼者が相談しやすい雰囲気づくりを大切にしているのですね。
弁護士が話を遮って、「その話は関係ないですから」などと言ってしまうと、依頼者を萎縮させてしまいます。「しまった、こんなことを話すんじゃなかった」「先生にはこんなことを話したらダメなんだ」と思われると、その時点で、弁護士に対して心を開いてもらうことは難しくなるでしょう。依頼者に安心して話してもらうこと、その話をじっくり聞くことは、特に心がけています。
ーー弁護士として活動してきた中で、印象に残っているエピソードはありますか。
裁判が終わった後にわざわざ事務所に来てくれて、「悩んでいるときは全然眠れなかったのに、今はゆっくり眠れるようになった」と言葉をかけてくれた方がいました。おばあちゃんの依頼者だったのですが、ご自宅で採れた野菜もたくさん持ってきてくれて。穏やかな表情を見て、「この方の役に立てたんだな」と嬉しく思いました。
弁護士に依頼する方の多くは一見さんというか、事件が終わった時点でお付き合いも終わる場合がほとんどです。ただ、中には、個人的なトラブルで相談に来た方が会社の経営者で、事件が終わった後に顧問を依頼して下さる方や、「以前先生に依頼して助かったので、今回は別件でお願いしたい」とリピーターになってくださる方もいます。私の仕事に満足してくれたからこそ縁が続いていくのかなと思えて、次の仕事に向かうための力になりますね。
安心して眠れる日々を取り戻してほしい
ーー休日の過ごし方や趣味を教えてください。
趣味はピアノです。小さいときから習っていて、音大に行くか法学部に行くかで悩んだぐらいピアノが大好きなんです。最近はバッハの曲を弾いています。一度はレッスンを辞めてしまったのですが、弁護士になってから再開して、発表会にも出ているんですよ。
月に1回ぐらい友達と、ピアニストやオーケストラのリサイタルに行って、プロの演奏に浸っています。
運動は苦手なのですが、最近は身体のことを考えて、ウォーキングをしたり、YouTubeを見ながらヨガや筋トレしたりすることを日課にしています。
ーー今後の展望を教えてください。
最近よく言われるSDGsに興味を持っている企業や個人の方とつながることで、すごく面白いことができるのではないかと思っています。
たとえば、女性の起業家をサポートしたり、外国人をもっと積極的に雇用して、インターナショナルなビジネスがしやすい土壌を作ったりすることに、弁護士として関わってみたいです。
女性の弁護士を増やすための協力もしていきたいですね。弁護士はまだまだ男性の比率が高く、大阪では女性弁護士の割合が3割を切っているそうです。女性の相談者から「同性の先生の方が相談しやすいです」という声を聞くこともよくあるので、女性弁護士を増やして、女性の皆さんがもっと弁護士に依頼しやすい社会を作っていければいいなと考えています。
ーー最後に、法律トラブルを抱えて困っている人にメッセージをお願いします。
弁護士は一般の方にとって、少し敷居が高い存在かもしれません。「こんな悩みを弁護士に相談していいのかな」と、相談をためらう方もいるでしょう。でも、悩んでいることがあれば、どんなことでも相談していただきたいです。何かしらのアドバイスができると思いますし、問題が小さいときに相談していただければ早い火消しができます。
「こんなことを相談されても困ります」なんて言う弁護士はいません。ご自身では些細だと思うことでも、気軽にご相談ください。
悩みを抱えているときは、眠れないほどの不安に襲われることもありますよね。苦しい状況を変えるための一歩として、弁護士のアドバイスを受けてみてください。そうすればきっと、その日からは安心して眠れるようになると思います。