民間企業勤務と国税審判官の経験を活かしたサポートを提供〜税務の専門家として企業法務に注力
商社で企業法務担当の弁護士に出会い、キャリアチェンジを決意
ーー弁護士を目指したきっかけを教えて下さい。
大学は法学部に進学しましたが、当時は、海外関係の仕事をしたいと思っていて、弁護士の道は選択肢にありませんでした。
大学卒業後、総合商社に入社して財務部門に所属しました。業務で税法や金融法にかかわるようになり、法律への関心が深まりました。同時に、弁護士の方々と一緒に仕事をする機会があり、弁護士は刑事事件や家事事件だけではなく、企業の仕事もするのだと知り、興味を抱きました。
当時、商社は全体的に不景気で、私もキャリアの分岐点に立たされていました。そこで、思い切って会社を辞め、弁護士になるために法科大学院に進学したんです。
ーー弁護士になられてからのキャリアについてお聞かせいただけますか。
弁護士資格を取得した後、外資系の法律事務所に入所しました。そこでは主に企業法務、M&A、知的財産権紛争などの案件に従事しました。在籍中には、1年ほど海外のロースクールに留学して税務や知財を中心に学び、同時に海外の法律事務所に所属して経験を積みました。
税金に対する関心が強かったことから、日本に帰国後、国税不服審判所の国税審判官を務めました。この経験を通じて、税務分野での専門性を高めると同時に、公正で客観的な立場からの判断力を養うことができました。
3年の任期を終えて国税不服審判所を離れた後、独立して事務所を設立し、現在に至っています。
密なコミュニケーションでクライアントの潜在ニーズを探る
ーー注力している分野を教えてください。
主に企業法務と税務関連です。クライアントは企業が中心ですが、顧問先企業の経営者やご家族から相続などの相談を受けることもあり、個人案件も取り扱っています。
最近では、事業承継に関する相談が増えています。事業承継は相続と関連し、税務が重要な要素となるため、私の経験と知識を活かすことができる分野だと考えています。
以前の事務所では、上場企業などの規模が大きい案件が中心でしたが、独立してからは主に中小企業の案件に取り組んでいます。
大規模な案件は、複数の弁護士がチームを組んで対応することが一般的ですが、中小企業の案件は1人で担当することが多く、重責を感じます。しかし、クライアントとの関わりも密になるため、やりがいがあります。
ーー仕事をする上で、どのようなことを心がけていますか?
クライアントとの長期的な関係構築を重視し、良好なコミュニケーションを心がけています。仕事とプライベートを分けたいと考える弁護士もいますが、私はクライアントに携帯電話番号やLINEアカウントを伝え、プライベートの時間帯にも柔軟に対応しています。
コミュニケーションを密にすることは、クライアントの潜在的なニーズや問題を把握することにつながります。クライアント自身が気づいていない点や言語化しづらい問題点に、専門家としてアプローチできることが私の強みだと思いますので、コミュニケーションを通じて、より良いサポートを提供できるよう努めています。
ーーこれまでに担当された事件のなかで、印象に残っているものはありますか?
印象に残る出来事の1つに、ある企業の倒産にまつわる案件があります。その企業は、「将来的に倒産するかもしれない」と懸念を抱いていました。しかし、私がおこなった財務分析では、経営上の大きな問題は見当たりませんでした。
そこで、綿密に事業計画書を作成して、できるだけ多くの金融機関に融資の相談をするようにアドバイスしました。クライアントは私のアドバイスを実行して、都銀だけでなく、地方銀行や信用金庫にも融資の相談に行きました。その結果、融資が認められ、黒字倒産を回避できたのです。
この成功は、日ごろからクライアントと密にコミュニケーションをとり、企業の状況を正確に把握していたからこそ実現したものでした。クライアントとの信頼関係と適切なアドバイスが、事態を好転させた、非常に印象深い経験でした。
悩み解決のインフラとして弁護士を積極的に利用してほしい
ーー今後の展望をお聞かせください。
事務所の展開として、2つの選択肢があると思っています。1つは、現在の事務所を拠点として関西圏をベースに仕事の幅を広げていく道。もう1つは事務所を法人化して、別の地域に支店を展開する道です。
どちらも人材の確保や収益性が課題となるため、具体的なプランやリスク分析を行い、じっくりと検討したいと考えています。
ーー最後に、法律トラブルを抱えて悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
悩みや不安は、弁護士に相談することで、解決策が見つかる可能性があります。ご自身が非常に難しい問題だと思っていたことが、実は簡単に解決できることもありますし、逆に一刻も早い対応が必要な場合もあります。ご自身で判断する前に、まずは弁護士に相談してみることをお勧めします。
ご自身の悩みや会社の問題を解決するために、ぜひ積極的に弁護士というツールを活用してください。