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【パワハラによる自殺】事実整理と精神科医による医学意見をあわせた主張で、請求した賠償金全額を獲得
相談前の状況
福祉施設職員が職場で日常的にパワーハラスメントにあい、施設では何ら対応しなかったため、パワハラを苦に自殺されました。
残された奥さんは、何をどのようにしていいか分からない状況で、ご相談に来られました。
解決への流れ
パワハラによる労働災害申請を行うことにしました。
まずは奥さんから知っている事実関係を聞き取り、次に、同僚からの聞き取り調査にとりかかりました。また申請にあたり、パワハラが自殺の原因であることを医学的に証明するため、精神科の医師に依頼して意見書を作成してもらうことにしました。
そして、事実整理と医学意見書が作成された段階で、これらを整理した意見書を作成して、労働基準監督署に労働災害申請を行いました。
しかし、厚生労働省作成の精神疾患の認定基準に定めた人格を蔑視するようなパワハラがあったとは認められないとして、労働基準監督署、労働者災害補償保険審査官、労働保険審査会いずれでも労働災害と認められませんでした。
そのため、地方裁判所に対して、国を被告として労働災害給付不支給決定処分の取消訴訟を、施設を被告として損害賠償請求訴訟を提起しました。
訴訟では、職場のパワハラの有無が争点となりました。
同僚の証言、加害者の証言、奥さんの証言を総合評価して、裁判所は通常の業務指導の範囲を超える叱責の事実(パワハラ)を認め、厚生労働省の認定基準によらずに労働災害と認めることとなりました。
また、施設が何ら防止策を講じなかったことを背景に、請求額を全額認容しました。
山本 勝敏 弁護士からのコメント
労働基準監督署などへの労働災害申請の段階では、厚生労働省の認定基準へのあてはめが争点となります。
裁判所では同基準に縛られることなく、全体の事実関係を踏まえて業務指導の範囲を超えた叱責というより緩やかな判断基準を用いて判断しており、この種事案では労働災害認定が受けられなくても諦める必要のないことが分かります。
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