中西 和宏 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
幼い動機で少し恥ずかしいのですが、小説やドラマなどを通して刑事裁判に興味を持ったことが、弁護士を目指すきっかけでした。
小説やドラマの世界では、わずかな矛盾点を糸口に、どんでん返しで刑事事件を解決したり、国家権力に毅然と立ち向かう弁護士の姿がよく描かれています。私自身元々、論理的に物事を考えるのが好きだったこともあって、自分の頭脳だけで、権力とも対等に戦うことができる弁護士の姿に憧れたのです。
もっとも、実際に弁護士になってみると、刑事事件で起訴されるものの大半は、既に被疑者や被告人が自白している事件ですし、刑事事件や国家権力と戦うような事件ばかりを担当するわけではありません。しかし、抱いていたイメージと違う部分はたくさんあっても、ご相談者の方に「ありがとうございました」と言って頂けたときには、小説やドラマの世界を見て想像していた以上に嬉しく、弁護士としての強いやりがいを感じています。
今までの経験と現在の仕事内容
主に交通事故、債務整理、相続等のご相談をお受けしています。もちろん刑事事件も扱っています。交通事故については、共著ではありますが、「交通事故に遭った時、あなたを救うたった一冊の本」という被害者の方に向けた本の執筆にも携わらせていただきました。
交通事故の事件を扱う際には、法律の知識だけでなく、医学の知識なども必要になります。最初は、法律以外に身につけなければいけない知識が多いことに驚きましたが、必死に勉強をして今日まで業務を行ってきました。自分が今まで知らなかった他の分野の勉強をすることはとても新鮮で刺激になり、楽しく学んでいます。
また、少し変わった仕事としては、ドラマの法律監修をさせて頂いたことがあります。事前に台本を頂いて、法律が絡む部分に間違いがないかなどをチェックするのですが、もともと私がドラマが好きなこともあり、放送前の台本を見せて頂けてわくわくしましたね。自分が関わらせて頂いたシーンが実際の放送でどうなっているのか、放送がとても楽しみでした。
弁護士としての信条・ポリシー
まずは、ご相談者の方のお話をしっかり聞くこと意識しています。実際にお話をお聴きすると、ご相談者の方が悩んでおられる部分が、残念ながら法律的にあまり重要ではない場合があります。だからといって、話の重要な部分だけを聞き出せばいいとわけでもありません。
逆に、ご相談者の方が軽視していることが、弁護士の目から見ると重要なポイントとなる場合もあるのです。ご相談者の方にとってベストな解決策を提案・選択するためには、まずは全ての情報をお聞きし、その上で正しく状況を捉えることが大切なのです。
さらに、法律用語の中には難しいものもあるので、それらをご相談者の方にもわかりやすい言葉で説明するようことも心がけています。法律に親しみのない方にもわかって頂けるように説明するためには、当然、自分がその内容をしっかり理解する必要があります。弁護士になってからも日々の研鑽は欠かせません。
京都の方は、自分の辛さや悩みをあまり表に出さない風潮があるといいますか、慎重な方が多いように感じます。相談にお越し頂いても、一気に思いの丈を吐き出すというよりは、しっかり信頼関係を築いてから、少しずつお話されていく方が多いので、いかにご相談者の方に信頼して頂くかということも常に意識しています。
関心のある分野
交通事故の分野に関心があります。交通事故というものは、誰の身にも起こりうるものです。
しかし一方で、実際に自分が被害に遭ったときに具体的にどうすればいいのかわからない方が多いと思います。被害に遭っても何がなんだかわからず混乱しているうちに、加害者側の保険会社から難しい専門用語を使って示談を求められ、言われるが示談してしまうというケースが多いのです。結果、弁護士が早い段階でお力添えできれば、正当な補償を受けることができるにもかかわらず、被害者の方が泣き寝入りされることが多いのが実情です。
しかし、交通事故に対する備えは、実は様々な方法があるのです。例えば、「弁護士費用特約」という保険に加入していれば、いざ交通事故に遭ったときでも費用の負担なく弁護士にご相談できるのですが、まだこの保険の存在自体があまり知られていません。加入していても、加入していることを忘れて使いそびれてしまう方もいます。こういった部分を改善するために、弁護士側からもアプローチができたらと思っています。
交通事故に限らず、皆様の身近な問題で弁護士がお役に立てることはたくさんあります。そのことをもっと多くの方に知ってもらえるよう、我々弁護士が努力しなければいけないと思っています。
ページを見ている方へのメッセージ
ご相談の際に、「こんなこと弁護士の先生に相談していいか不安なんですけど…」と言われることがよくあります。このようなことがあると、まだまだ弁護士の悪いイメージが払拭できていないと恥ずかしくなります。
「弁護士はお高くとまっている」と思われがちですが、私たちはあくまでもご相談者の方のお手伝いさせて頂いているにすぎません。「ここはこうして欲しい」「こういう請求がしたい」といったご相談者の方の希望をお聞きし、それに最も合う解決策を提案、実行するのが弁護士の仕事です。
例えるならば、ショップ店員のようなものです。ショップ店員に自分の欲しいものを言うときに、遠慮する人はいませんよね。弁護士にも同じように、もっと気楽にお話をしてほしいです。遠慮せずに、ご希望をお伝え下さい。
しかし、ご相談者の方にそのような意識を持たせてしまっているのは、私たち弁護士の側にも責任があります。弁護士が安易に専門用語を使ってお話したり、大きな態度を取ってきてしまったことが、今の「近寄りがたい」イメージを作ったのだと思うと、とても申し訳なく、心苦しいです。私たち弁護士も、このイメージを改善できるように努力するので、皆さまも是非、もっと気軽に弁護士にお話頂けたらと思います。