家族や子どもの問題解決に注力 誰に対しても常に敬意を持って接する
事務所を訪れる全ての人に敬意を
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
大学卒業前、都市銀行に内定をもらっていたのですが、不本意ながら留年してしまったんです。もう1年学生生活を送るなかで、進路について改めて考えました。また就職活動をするのも気が進まないな…と考えていたときに、資格を取るのはどうだろうと思い至りました。私は在学中に司法書士の資格を取っていて、「司法試験なら、今まで勉強してきたことを活かせる」と思い、挑戦することにしました。
法曹三者のなかでも弁護士を選んだのは、司法修習のときです。竹下義樹先生という全盲の弁護士の事務所に配属されたのですが、あちこちご一緒する中である日、お手洗いで視覚障害者団体の役員の方が竹下先生と隣り合わせになったんです。その方も全盲の方でしたが、挨拶に続けて「あの、いつもの優しい子は今日も一緒なの?」って仰ったんです。私は後ろで控えていたのですが、雷に打たれたような気分でした。「自分は将来、優しい弁護士になるんだ」って、そのときに思いました。弁護士登録後10年弱、竹下先生の事務所でお世話になりましたが、最後の年、事務所旅行の最終日に初めてこの話をしたら、何と竹下先生も覚えていらっしゃいました。竹下先生からは、依頼者との信頼関係の築き方や本質の見極め方などほんとうにたくさんのことを教えていただきました。

ーー注力分野を教えてください。
ライフワークとして長年力を入れているのが、貧困問題と、少年事件など子どもが関わる事件です。児童相談所から依頼される事件や、離婚事件、子どもの引き渡しの事件も多く手がけています。
少年事件を扱っているなかで、複雑な家族関係や貧困などから、生きづらさを抱えている子どもたちに多く出会ってきました。家庭や社会の中で居場所を見つけられない子どもをどうやって支えていくか、という視点を持って事件に取り組んでいます。
ーー仕事をするときに心がけていることは何でしょうか。
事務所に足を運んでいただいた全ての方に、敬意を持って対応することです。依頼者はもちろん、仮に事件の相手方が来たとしても、丁寧に接するようにしています。
どんな人にもそれぞれの正義があることを忘れず、決して嫌な思いをさせることがないように気をつけています。

ーー弁護士として活動してきたなかで、印象に残っているエピソードはありますか。
様々な事件を手がけるなかで、子どもの変化にたびたび驚かされてきました。
離婚事件の依頼者のなかには、お子さんと一緒に事務所に来る方もいます。最初はお子さんの表情が緊張しているのですが、依頼者が私と話している様子を見ているうちに、だんだんと顔つきがやわらかくなっていくんです。親である依頼者が、私を信頼して、心を開いてくれていることを感じ取っているのかもしれません。
本当に、子どもは大人をよく見ています。少年事件を手がけるときにも強く感じますね。
少年の心を動かすのは、周りの大人が一生懸命自分のために動いてくれているという事実。口先でどんなにいいことを言っても、行動が伴わなければ彼らの信頼を得ることはできません。「この大人が何を言っているかはよくわからない。でも、自分に対して必死に言葉をかけてくれている」。そういう、自分に対する大人の向き合い方をすごく敏感に感じ取っているんです。
引き続き、家族や子どもの問題に力を注ぎたい
ーープライベートについても伺います。趣味を教えてください。
将棋です。先日もアマチュアの大会に出場しました。小学校に入る前に父親に手ほどきを受けて以来、ずっと趣味として続けています。
あとは、スヌーピーが大好きで、事務所の本棚にはコミックスをさくさん、先日刊行されたピーナッツ全集の日本語版も当然全巻並べています。
初めてコミックスを読んだのは小学生の頃でしたが、大人になった今でもストーリーの奥深さに感動します。スヌーピーの登場人物は、全員が片想いなでんですよね。いくつかあるテーマの一つが「報われない恋」だと、作者が生前インタビューで答えていたのが印象に残っています。実は、とても深い話なんです。
スヌーピーの話なら3時間くらい語れますよ。いつか、スヌーピーの聖地であるカリフォルニア州のサンタローザに行ってみたいですね。

ーー今後の展望についてお聞かせください。
20年ほど弁護士を続けてきて、自分の仕事のスタイルはある程度確立できたと思っています。これまでの経験を基盤として、引き続き、家族や子どもの問題解決に力を入れていきたいです。
また、性的マイノリティーの問題についても一つの柱にしたいと考えています。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
まずはお気軽にご相談ください。
何人かの弁護士と話をするなかで、「この先生は話しやすい」「信頼できる」と感じられる人に出会えると思います。あなたにとって相性のいい弁護士が、トラブルを解決に導いてくれるはずです。
そしてもう一つお伝えしたいのは、おそらく私は、あなたが出会う弁護士のなかで日本一スヌーピーが好きな弁護士です。緊張せず、楽な気持ちで、相談に来ていただければと思います。