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清水富美加さん突然の引退、「幸福の科学」活動専念へ…賠償責任の可能性は?
清水富美加さん本人とみられるツイッターアカウントが新たに開設された。

清水富美加さん突然の引退、「幸福の科学」活動専念へ…賠償責任の可能性は?

女優の清水富美加(ふみか)さん(22)が、芸能界を引退して宗教団体「幸福の科学」の活動に専念する意向であることが報じられた。

報道によると、幸福の科学側は、清水さんが出家したことは事実としたうえで、現在は体調を崩しているが、体調が戻った後は宗教活動に移る予定だという。一方で、所属事務所の関係者は、引退について慰留しているが本人と連絡が取れない状態が続いていると主張している。

清水さんは、「ファンの皆様・報道関係者の皆様へ」と題した直筆のメッセージを2月12日に公表。「お仕事の内容に心がおいつかない部分があり、しっかりとした生活が送れず、毎日がギリギリの状態でした。なので今、出家したいと思いました」とつづっていた。

さらに、清水さんの事務所公認のツイッターアカウントが2月11日に削除され、本人とみられる別アカウントが作成された。「色々ありましたし、色々あります」「100%本人で自由に、ね。つぶやきたいと思いますのでよろしくお願いしまする」などと投稿していた。

突然の引退で、所属事務所側は損害賠償請求についても示唆しているが、そうした可能性あるのか。佐藤大和弁護士に聞いた。

●芸能事務所とタレント、どのような契約が結ばれる?

「そもそも、会社と芸能事務所の契約形態は、芸能事務所によって異なります。

もっとも、その多くの場合、雇用契約ではなく、芸能事務所がタレント側に対し『マネージメント業務等を提供』し、タレント側が『マネージメント業務に対する報酬を支払う』形の業務委託契約になっています。

つまり、簡単に言えば、芸能事務所とタレントは、雇用主と労働者の関係ではないことが多いということです」

佐藤弁護士はこのように指摘する。芸能事務所とタレントとの関係で、損害賠償責任が発生するのはどんな場合なのか。

「基本的には、契約の形態や契約書の内容(契約期間や損害賠償の定めなど)等にもよります。

仮に、清水さんの行為によって芸能事務所側に損失が発生している場合、芸能事務所を辞めることが『やむを得ない』といえない限りは、清水さんには損害賠償責任が発生するでしょう。

ただ、報道によると、清水さん側にも事情があるようです。その事情が『やむを得ない事情』に当てはまるかが一つのポイントになるでしょう。

最近では、事務所側とタレント側が『方針』や『報酬』、『マネージャーとの相性』などについて揉めるケースが増えております。今回のケースもその一つだといえますね」

(弁護士ドットコムニュース)

プロフィール

佐藤 大和
佐藤 大和(さとう やまと)弁護士 レイ法律事務所
代表弁護士。芸能人の権利を守る「日本エンターテイナーライツ協会(ERA)」共同代表理事。エンターテインメント分野に強く、多くのタレント、アーティスト、ユーチューバー、スポーツ選手等の顧問弁護士をしている。厚生労働省「過重労働解消のためのセミナー及び過重労働解消キャンペーンに関する広報事業検討委員会」委員長、文化庁「文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けた検討会議」委員なども務めている。

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