依頼者をダイレクトに助ける弁護士の仕事は天職、離婚や相続、刑事事件で経験を積み、信頼できる存在に
より多くの人の役に立ちたいと講師から弁護士へ転身
ーー弁護士を目指したきっかけを教えてください。
法学部を卒業したあと、会計系の資格専門学校で、民法と会社法の専任講師をしていました。「自分の専門知識を使って、より多くの人の役に立ちたい」と思い、弁護士を目指しました。講師時代も教えることにやりがいを感じていましたが、今の弁護士の仕事では依頼者の方をダイレクトに助けることができるので、天職だと感じています。
ーー弁護士へ転身後、講師の仕事が活かされる場面はありましたか。
弁護士というと裁判することが仕事だという印象を持たれる方もいるかもしれませんが、企業などで講演したりセミナーを開催したりすることがあります。例えば、企業から依頼を受け、ハラスメントやコンプライアンス、離婚問題に関するセミナーをしています。
これまで講師として多くの生徒さんの前で話してきた経験が、弁護士になってからもとても役に立っています。弁護士になったときは人前で話す能力が強みになるとは思っていませんでしたので、私自身もとても意外でした。
被疑者の無罪を信じ、不起訴処分を勝ち取る
ーー注力している分野はありますか。
個人として注力しているのは家事事件で、離婚や相続事件が中心です。刑事事件や労働問題(使用者側)を取り扱うことも多いです。
相続は専門的な知識が必要なところが多くあります。被相続人が亡くなってすぐに相談に来られる方は少なく、当初は親族だけで話し合いをするものの、問題が出てきて争いになり、にっちもさっちもいかなくなったとご相談に来られます。
「法定相続人で遺産を平等に分ければいいのでしょう」と思っている方が多いかと思いますが、実際はその通りにやっても公平な解決になるとは限りません。生前に多額の贈与をしていたようなケースもあり、不公平を調整するケースというのは多いものです。
「遺産を独り占めされてしまい、他の相続人に分けてもらえない」というご相談も多いです。こうしたケースでは最初に書面をお送りして、依頼者の考えを伝えた上で、協力していただけるようお願いします。応じていただけない場合は調停に移行しますが、その途中で相手方にも弁護士がついて解決するケースも多いですね。
税理士や行政書士、司法書士など様々な専門家がいて、どの人に何を相談していいか分からないかもしれません。相続でトラブルが起きた場合、最終的には訴訟で解決することになります。訴訟をできるのは弁護士だけですので、まず弁護士にご相談いただければ間違いがないと思います。必要があれば他の士業をご紹介するなど連携することもできます。
刑事事件では、刑事弁護を扱っています。一番多いのは「身内が逮捕されてしまって、今留置場にいる。どうすればいいですか」というご家族からの依頼です。突然、身内が留置場に留置されて会うこともできず、心配でたまらないとご相談に来られます。勾留されている被疑者であれば、弁護士はいつでも「接見」といって面会をすることができますので、会いに行きご家族に様子を伝えています。
被疑者自身も「逮捕されて、一体自分がこれからどうなるのか分からない」と不安になり、一睡もできないという方も珍しくありません。まずは、今、どのような取り調べを受けているのかなどをお尋ねします。その後、逮捕後最大で20日間勾留されること、それから事件が起訴されるか不起訴されるかが決まること、通常の起訴であれば刑事裁判があることなど、刑事事件の流れをご説明します。
中には「自分は被疑事実に身に覚えがないのに逮捕された」という方もいます。身柄を拘束され勾留直後はとても落ち込んでいましたが、私も無実だと感じていましたので「頑張りましょう」とお声がけして励まし続けました。なんとか取り調べを乗り切り、嫌疑不十分で不起訴処分を得ました。
こじれた遺産分割、依頼者からは「本当に頼んでよかった」
ーー依頼者と向き合う上で心がけていることはありますか。
話をよく聞くことです。依頼者の話を聞きながら「この方の悩みを解決するにはどうしたらいいだろうか」と頭の中で考えを巡らせて、適切な解決策をいくつかご提案しています。
依頼者の話を聞いていると「この方を助けたい」「救ってあげたい」という思いがふつふつと込み上げてきます。依頼者に寄り添って対応することを大切にしていますが、心がけているというよりも、話を聞いているうちに自然にそうなっているように感じています。
ーー弁護士として活動してきた中で印象的だった案件について教えてください。
依頼者のお悩みも解決策もケースバイケースですので、どれも思い入れがあります。その中でも、解決までに時間がかかったケースは印象に残っています。
例えば、相続事件では、遺産分割の話し合いで、ある相続人が頑なに遺言の開示を拒んで応じてくれないケースがありました。弁護士が介入して協議しても応じてくれず、調停を申し立てても出頭してくれませんでした。そこで、弁護士照会を利用して相手の資産を明らかにし、動かぬ証拠を手に入れたことで、相手方も裁判で折れて解決に至りました。ご依頼から解決まで1年はかかりました。
依頼者の方からは「本当に弁護士さんに頼んでよかったです。私だけでは太刀打ちできませんでした」とのお声をいただき、時間はかかりましたが、本当にやっていてよかったなと思いました。
さまざまな難しい課題に対応できる弁護士に
ーー今後の展望についてお聞かせください。
信頼できる弁護士になることです。注力している離婚や相続、刑事事件などのスキルを上げていき、さまざまな難しい課題に対応できる弁護士になりたいです。
ーー法律トラブルを抱えている方にメッセージをお願いします。
弁護士に相談するというのは、一生に一度あるかないかという方がほとんどだと思います。ご相談に来られるのも、多くが「弁護士事務所に来るのは初めてです」という方です。
弁護士は子どもの頃から通うお医者さんとはまた違い、ハードルが高く感じられるのも当然だと思いますが、いち早くご相談にきていただきたいと思っています。
例えば、相続事件でいえば期限のある手続きもありますので、相談に行くか悩んでいるうちに、やろうと思っていたことができなくなってしまうことがあります。
私の所属する事務所では、初回相談を無料で受け付けています。相談に来たら、必ず依頼しなければいけないというわけではありません。法律トラブルでお困りでしたら、気軽に弁護士に相談してみてください。