
勇気を出して踏み出した一歩が解決に向けた大きな一歩に〜確かな経験とスピードで最善の結果を導く
理不尽な状況にある依頼者を助けたい
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
子どもの頃から、理不尽が嫌いだったんです。本来認められるべきことが認められないとか、不正がまかり通っているとか、そういう状況に納得できない子どもでした。
弁護士になりたいと思ったのは高校1年生のときです。当時通っていた塾の塾長から弁護士の仕事について話を聞き、興味を持ちました。「弁護士ってこんな仕事だよ」「こういうやりがいがあるよ」と話を聞く中で、自分の性格にもマッチした魅力的な仕事ではないかと思うようになり、弁護士を目指そうと決意しました。
ーー現在注力されている分野と、その分野に注力している理由を教えてください。
不動産・交通事故・相続が柱です。実務処理をしていく中でたまたまご縁をいただいてこの3分野を中心に扱うようになりました。理不尽な状況に直面し、悩み苦しんでいる方々を助けたいという思いで、1つ1つの案件に丁寧に対応しています。
民法で初めての違憲判決が出された事案に携わる
ーー民法で初めて違憲判決が出た、相続の事例に携わったご経験があると伺いました。
はい。独立前、和歌山の事務所に所属していたときに、所長が手がけられていた案件でした。当時は私も含めて弁護士4名の事務所でしたが、長い時間を経て、ようやく日の目を見た事例でした。
依頼者は、非嫡出子、つまり結婚していない男女の間に生まれた方でした。当時の民法のルールでは、非嫡出子の相続分は嫡出子(結婚している男女間の子)の半分と規定されていたんです。依頼者は、この規定がおかしい、変えなければならないという信念を持っておられました。そこで、民法900条4号ただし書は法の下の平等を定める憲法14条1項に違反するため無効だと主張し、最終的に最高裁の大法廷において、裁判官の全員一致で違憲決定が出されました。
その後すぐに最高裁の決定どおりに法律が改正され、非嫡出子と嫡出子の相続分が同等になりました。それまで2分の1だった相続分が、一気に1分の1、つまり倍になったわけですから、日本の相続実務に与えた影響は、はかり知れません。
実はこれは、日本で初めて民法が違憲と判断された事例です。それ以前も郵便法や森林法などの特別法では違憲判決が出ていたのですが、一般の人にはあまり影響が及んでいませんでした。しかしこの事例は一般法である民法の、しかも相続という誰しも経験しうる分野に関わる規定についての違憲決定です。多くの人に多大な影響を及ぼす、画期的な決定だったと思います。
依頼者のニーズを最大限実現することが弁護士の仕事
ーー仕事をする上で心がけていることはありますか。
依頼者が何を求めているのかを見極め、希望を最大限実現するためにはどうすべきかを考えることです。案件を進める中でも「本当にこの方法がベストなのか」と常に検証し、必要に応じて、当初の方針に変更を加えることもあります。
依頼者とのコミュニケーションにはしっかりと時間をかけます。内容によりますが、1回の打ち合わせが1時間半、2時間に及ぶことも少なくありません。
依頼者の中には、「こうしたい」とはっきり言えない方もいますし、ご自身が気づいていない部分に真の願望が潜んでいるケースもあります。その方に合わせて質問の仕方を変えたりしながら少しずつ情報を聞き取り、優先順位を整理していきます。
1円でも多くお金を取りたいのか、早く解決することを望んでいるのか、感情的な観点からの納得感を得たいのか…。何を求めているかは人によって様々です。依頼者の言葉の端々から価値観などを推察しながら、その方の全体像をしっかりと受け止めて、真に求めていることが何なのかと、それを実現するための最適な道筋が何なのかを常に考えるようにしています。
また、案件を進めていく中で、状況や依頼者の考えが変わる場合もあります。最初に聞き取った内容にこだわりすぎず、折に触れて「今はこういう状況ですが、ご意向に変わりはありませんか」と確認することも心がけています。
ーー依頼者のためにきめ細やかな対応をされているのですね。
依頼者のニーズを実現することが弁護士の仕事です。 もし途中でお考えが変わった場合は、遠慮なく言っていただきたいと思っています。
もう1つ大切にしているのはスピードです。どのようなトラブルでも、同じ解決内容であれば、早く解決できるに越したことはないと思います。1日でも早く依頼者をトラブル状態から解放できるよう、迅速な対応を常に心がけています。
依頼者とのコミュニケーションも然りです。質問をされたのに、返事をしないとか、2日も3日も返事をしない弁護士は、少なくないようです。しかし、こんなのは、私の感覚からするとあり得ないことです。質問をして返事が来るまでの間は、依頼者にとってストレスが溜まる時間だと思うんです。トラブルを抱えてただでさえ不安な依頼者にそれ以上の負担をかけないために、即答できるものは即答します。即答できなくても、基本的には当日中、どんなに遅くとも翌日には必ず一報を入れます。
ーー弁護士として活動してきた中で、印象に残っているエピソードを教えてください。
弁護士になってから1500件以上の案件を手がけてきました。当然、印象に残っているエピソードはたくさんあります。そうですね…最近で一番印象に残っているのは、ある遺産分割の案件です。
依頼者は私のところに相談にお越しになる前に、別の弁護士に依頼されていました。ところが、なかなか処理が進まないまま、相続税の申告期限が間近に迫ってきていました。申告に遅れると多額の延滞税が発生してしまうため、どうにか期限までに遺産分割を終わらせたい。しかし弁護士が動いてくれない…。ということで、知り合いの方から私を紹介されてセカンドオピニオンを聞きにいらしたんです。
これまでの経緯をお聞きすると、確かに弁護士の対応が遅い。期限まで残り約3か月とタイトなスケジュールでしたが、初回相談の段階で、具体的な遺産分割内容まで見通した今後の進行計画を立てました。そして、この後どのような流れで進めていくかを具体的にご説明しました。依頼者には「進行方針に納得しました。すぐに弁護士を変えて、先生に依頼します」と言っていただき、受任となりました。
通常、遺産分割調停は1年から1年半程度かかることが多いのですが、この案件では、解決に必要なポイントを徹底的に整理し、2回の調停を行い、受任から約2か月で調停成立まで漕ぎ着けました。調停までしてここまで早い解決は、かなり異例だと思います。無事、相続税の申告期限にも間に合い、依頼者にはものすごく喜んでいただきました。
もちろん、単に速ければ良いというものではないと思います。しかし、いざというときに速く走れる力を持っていたからこそ、依頼者の希望を実現できたのだと考えています。依頼者に感謝していただいたことがとても嬉しく、最近の事例の中では特に印象深いです。
注力分野を極め、最高品質のリーガルサービスを提供
ーープライベートについても伺います。休日の過ごし方やご趣味を教えてください。
土日のどちらか1日は事務所で仕事をしていることが多いので、だいたい週休1日です。休みは必ずフィットネスクラブのプールで泳ぎます。泳ぐとストレスを発散できますし、全身運動なので身体の凝りもほぐれます。抵抗力がつくのか、めったに風邪もひかず、おかげさまで、ずっと非常に健康な身体で過ごしています。
心と身体のメンテナンスをする時間は、日々を健やかに過ごし、質の高い仕事をするために欠かせないひとときです。
ーー今後の展望をお聞かせください。
ご依頼いただいた案件1つ1つに、一生懸命対応していくこと。そして、日々スキルを磨いて、よりよい解決を導くこと。ただそれのみを考えています。
新しい分野に飛び出すのではなく、今注力している不動産・交通事故・相続の3本柱を極めたいです。同じ分野の事件でも、1件たりとも同じものはありません。何より、依頼者にとってはご自身の人生がかかった大事な大事な1件です。最善の解決につなげられるよう、全身全霊をかけて取り組むことが私の使命だと思っています。
ーー事務所経営についてはどのようにお考えですか。
どんどん拡大しようとは考えていません。目指しているのは、ブティック型の事務所です。「お惣菜も、化粧品も、おもちゃも、何でも売ってます」というデパートのような事務所ではありません。「うちはスーツしか扱っていませんが、あなたにベストフィットする最高品質のものをご用意いたします」という特化型の事務所が理想です。
全ての分野に対応することは難しいですし、しようとも思いません。所属弁護士が得意とする分野、たとえば私であれば「不動産・相続・交通事故は、よそよりも質の高いリーガルサービスをお約束する」、そんな事務所を目指してスタッフ一同が研鑽を積んでいく所存です。
ーー最後に、トラブルを抱えて悩んでいる方へ、メッセージをお願いします。
悩んでいることを人に話すだけでも、心は軽くなります。信頼できる人であれば相談相手は誰でもいいですが、やはり餅は餅屋。病気の相談なら医師、法律トラブルなら弁護士です。専門家である弁護士に相談することで、悩みを解決するためのよりよい方法を的確にアドバイスしてもらえるはずです。
弁護士に相談したら必ず依頼しなければならないと思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。まずは気軽に相談してみてください。現状を整理し、解決に向けて何をすべきかアドバイスを受けることで、今後進むべき道筋が見えてきます。自分で対処できるのか、弁護士に依頼して裁判を起こす方がいいのか。相談することで大きな方向性を知ることができます。依頼されるかどうかは、その後にじっくりご検討いただければと思います。
多くの方にとって、弁護士はまだまだハードルが高い存在だと思います。一歩を踏み出すことは、とても勇気がいるでしょう。相談して現実を突きつけられたときに、受け入れられるか不安に感じる方もおられると思います。
しかし、問題から目を逸らしたまま放置すると、より大きなトラブルに発展する可能性もあります。病気と同様、法的トラブルも、なるべく早めに対処する方が、幅広い選択肢から解決方法を選ぶことができますし、ダメージが少ないうちに解決できる可能性が高いのです。
あなたが勇気を出して踏み出した一歩は、問題解決のための非常に大きな一歩になるはずです。悩みを抱えたときには、ぜひお気軽にご相談ください。解決のために全力でサポートいたします。