
「法律の力で、立場の弱い人や傷ついた人を守る」〜様々な事件処理の経験を活かし依頼者のため奮闘
強い正義感を胸に、警察官志望から弁護士の道へ
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
幼い頃から正義の味方(?)に憧れていて、高校生の頃は警察官になりたいと思っていました。大学に入って法律を学び始めると、法律の力を使って弱い立場の人や傷ついた人を守る「弁護士」という職業に魅力を感じました。ただ、その頃の私は“司法試験なんて受かるわけがない”と思っていましたので、ゼミの授業で知った「司法書士」を目指すことにしました。
大学4年生の時に司法書士試験に幸い合格することができ、その時はとても満足していたのですが、ゼミの恩師から「まだ若いのだから司法試験に挑戦してみてはどうか」と勧められました。その頃、新司法試験制度が始まったこともあり、一念発起して法科大学院に進学し、平成21年12月に弁護士になることができました。
ーー注力されている分野を教えてください。
様々な分野を取り扱っていますが、現在は、債権回収、交通事故、中小企業法務の3分野に特に注力しています。
まず、債権回収案件に関しては、弁護士になりたての頃から取り組む機会が多く、回収に向けた様々なノウハウや感覚を身につけることができましたので、得意分野の1つとして力を入れています。特に、損害賠償金や養育費、下請代金など回収の必要性が高い案件は、積極的に引き受けています。ただし、回収できなければ費用倒れに終わり、お客様の損失を拡大させてしまいますので、見通しや費用のイメージなどについては、特に注意を払って説明するように心がけています。
交通事故案件については、以前に所属していた事務所で様々な事案を経験しました。お体に後遺症が残ってしまうようなケースでは、進め方次第でお客様の賠償額に大きく差が出てしまうことがあります。適正な補償を受けるためには、知識はもちろんですが、一定の経験・ノウハウが不可欠だと思います。実際に、他の弁護士に依頼されていた方が、後遺障害が認められないことに納得できないとして弊所にお越しになり、受任後、適正な後遺障害等級の認定に至ったケースなどがあります。
中小企業法務としては、特にクレーム対応について、弁護士会の委員会活動で得た知見を活かして積極的に取り組んでいます。企業や行政からカスタマーハラスメント(編注:顧客や取引先からの過剰な要求や悪質なクレーム)について相談や講演依頼を受けることもあります。法律論も重要ですが、初動対応で失敗してリカバリーもできないと、ハードクレーム化に繋がってしまいますので、“人はどのようなときに怒るのか”、“こういう言動をする傾向にある人にはこういう接し方が望ましい”といったお話もするようにしています。対応する職員を疲弊させず、有能な人材が離れていかないようにするためにも、日頃からクレームを想定した訓練を実施するなど、組織としてのフォローがとても大切だと思います。
分かりやすい説明と、丁寧な対応を心がける
ーー仕事をするうえで心がけていることは何ですか?
法律に馴染みのない方でも、ご自身の法律的な立場、想定される手続などを分かりやすく伝えることを心がけています。弁護士との相談で緊張される方も多いので、威圧感を与えることがないよう言葉選びや話し方などにも意識して接するようにしています。
また、事件の相手方に対しても誠実な対応をすることを心がけています。新人の頃は、ケンカ腰で対応するのが当たり前と思っていましたが、真摯な態度は相手方との信頼関係の構築、円満な解決に繋がることが多く、それは最終的には依頼者の利益に資するものと考えています。
ーーどんなときに弁護士としてのやりがいを感じますか?
やはりお客様から“依頼して良かった”とのお言葉をいただいたり、落ち込んでいた表情や声が晴れやかになってくれた時は嬉しいですし、やりがいを感じますね。また、依頼事件が終了した後に、他のお客様をご紹介いただいた時には、私のことを信頼していただいているのだなと、ありがたく感じます。
トラブル解決には、早期の相談と弁護士選びが大切
ーー先生の今後の展望についてお聞かせください。
目の前の依頼者お一人お一人の力になることに注力したいと思っていますので、事務所を拡大するといったことは考えていません。
弁護士業以外では、現在、週に一日、札幌簡易裁判所で民事調停官(非常勤裁判官)として民事調停事件を担当しています。弁護士としてのこれまでの経験を活かし、調停手続をより充実させていきたいと思っていますし、裁判所サイドの立場から感じ取ったことを今後の弁護士業務に活かしていきたいとも思っています。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
月並みですが、早めに弁護士に相談をしてみることが大切だと思います。ただ、そうは言ってもなかなか一歩を踏み出せないこともあると思いますし、たくさんいる弁護士の中で誰に相談したらよいかわからない…と悩まれる方もいると思います。
ご自身のプライバシーに関する相談をするわけですから、「話しやすさ」や「相性」は大事だと思います。ただ、それだけでは問題解決ができませんので、「ご自身が抱えているトラブルを解決できるスキルやノウハウを持っていること」が重要です。
そのあたりを弁護士ドットコムのプロフィールページや法律事務所のホームページに記載されている自己紹介、経歴、取扱事件などを参考に見つけていただくのが一つだと思います。そして、実際に会って色々と質問し、ご自身の置かれている状況と今後すべきことについて具体的なイメージを掴むことができたら、依頼を検討すればよいと思います。費用については、依頼する前に必ず委任契約書で明確にしておきましょう(これは弁護士側の義務でもあります。)。
最後に一言ですが、真面目に生きている人が不合理な被害に遭わない社会になってほしいと切に願っており、一弁護士として、微力ながらもその実現に貢献したいと思っています。ありがとうございました。