北海道で弁護士として40年、地域密着で依頼者に寄り添う
大学時代から培った経営者としての力
ーー弁護士を目指したきっかけを教えてください。
私は北海道で生まれ育ち、北海道大学の法学部に進学しました。授業で法律について学びましたが、司法試験を目指そうとは考えておらず、多くの学生と同様に就職活動して、卒業後は就職しようと考えていました。
転機が訪れたのは、就職が決まってヨーロッパ旅行に出かけた大学4年生のときです。ローマやロンドンなどヨーロッパ各地を2週間ほど鉄道でめぐりました。海外でさまざまな国の文化や人にじっくり触れる経験をすると、人間は変わってくるものですね。
このまま就職して本当にいいのだろうか、人と違う道を歩みたいと思い始めたんです。そして、どうせなら日本で一番難しい試験に挑戦してみようと思い、司法試験の勉強を始めました。
ーーどんな学生生活でしたか?
大学生活のかたわら、学習塾を経営していました。もともと塾講師のアルバイトをしていたのですが、塾長が辞めることになり、私が引き継ぐ形で経営に携わりました。講師として生徒に教えるだけではなく、経営者として「人を動かすためにはどうしたらいいか」を考えるようになりました。
学生の私が講師に学生を雇ったり、生徒を獲得するためにチラシを作ったり、センター試験の成績をどのように上げるか考えたり、学生ながらいろいろ工夫して運営していましたね。生徒や講師を大切にしながら塾を経営していくことは、現在の仕事にも近い部分があるかもしれません。
「弁護士過疎地域でも法的サービスを受けられるように」
ーー弁護士として40年以上のキャリアをお持ちですが、弁護士になった当時と変わったと思うことはありますか。
私が弁護士になった当時は、時間通りに来なかったり、連絡がつかなかったり、面倒な事件やお金にならない仕事をやりたがらなかったり。そんな弁護士も少なからずいました。
私はサラリーマンになるはずだった普通の人間です。弁護士としてまず、普通のことを当たり前にすることを心がけました。世の中のビジネスマンと同じように、朝9時に始業し、電話や問い合わせに素早く対応し、依頼者や相手側の弁護士とのコミュニケーションも丁寧に行いました。
困っている方を助けることこそが弁護士としてあるべき姿だと思い、面倒な事件やお金にならない事件を、規模に関わらずに引き受けていました。その思いは今も変わっていません。
ーー現在の注力分野を教えてください。
上場企業や銀行、中小企業など、法人からの依頼を多くいただき、企業法務や顧問弁護士として活動しています。一方で、個人の方も大切にしていくのが私の事務所の基本方針ですので、日々さまざまなご依頼に対応しています。
なかでも、医療過誤事件などの医療問題には力を入れています。私自身高校3年の時に医師から絶対安静と受験勉強を止められ、その後これが誤診と判明し大変な思いをした経験があります。当時は医師の責任追求など思いもよりませんでしたが、もしこれが、命にかかわることだったらと思うと、放置できない事だと、改めて痛感しています。
医療問題は、カルテを読み込み、専門知識が必要な手間のかかる分野です。本腰を入れて携われる弁護士が少なく、誰かがやらなくてはいけないという思いから取り組むようになりました。事務所では、医療機関と連携して尽力しています。
ーー仕事をする上で心がけていることは何でしょうか?
決して諦めないことですね。解決策を探し活路を見出せるように、一つ一つの案件に誠心誠意、全力で向き合っています。
ーー事務所の強みを教えてください。
仲間を作る気持ちで、弁護士と職員を大切に組織作りをしてきました。弁護士と職員が一体となり、得意分野をいかしたチームプレー体制のもとで事件に対応していることが強みです。
北海道に4つの拠点を設けて、地域のサポートを行なっている点も特徴です。弁護士が不足している地域でもリーガルサービスを受けられるようにしたいと思い、岩見沢、滝川、苫小牧に支店を出し、地域に根ざした活動をしています。
「これからも、社会の課題に貢献したい」
ーー趣味を教えてください。
弁護士の業務だけではなく、弁護士会の活動、北海道大学や小樽商科大学の講師などの教育活動にも従事してきました。とてもやりがいがあり、これらの活動を楽しんでいるため、趣味といえるようなものはあまりないかもしれません。
好きなこととしては、NHKの囲碁対局を見ること。あとは散歩をすることです。散歩は気が向いたとき、朝1〜2時間ほど歩いています。散歩コースは自宅の近くの公園や川です。公園ではエゾリスをよく見かけ、幸せな気持ちになります。また、川の流れを静かに眺めて水の音を聞いていると、とても清々しい気分になりますね。
あとは、趣味というより習慣ですが、毎朝座禅をしています。20代に、後に永平寺の貫首となられた宮崎奕保禪師に接し大変感銘を受けました。師は「たとえ1分でも座禪は座禪」という教えで、それが今まで続いてきた原動力だと思います。瞑想をすると気分がよくなりますし、いいアイデアが浮かびます。心身の健康法のひとつになっています。
ーー今後の展望をお聞かせください。
事務所のメンバーとともに、これからもチームとしてさまざまな依頼に対応をしていきたいと考えています。また、弁護士会の活動や大学の講師などの教育活動などに携わってきた経験から、今後も日本が抱えるさまざまな課題に役立つ取り組みをしていきたいと思っています。
ーー最後に法律トラブルを抱えて悩んでいる方にメッセージをお願いします。
一人で悩みを抱えず、気軽に弁護士に相談してください。その際は、複数の弁護士に相談することをお勧めします。さまざまな弁護士から、解決策やコスト、見通しを聞くことが、納得できる解決につながる第一歩だと思います。