一般民事の幅広い分野に対応し、依頼者の心情に寄り添いながら、難解な案件にも粘り強く取り組む
アメリカの法廷映画に憧れて
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
アメリカのジョン・グリシャムという、法廷を舞台にしたサスペンス小説を書いている作家がいます。彼の作品はいくつも映画化されているのですが、私が中学生の頃に、それらの映画を見たり小説を読んだりする中で、弁護士に憧れるようになりました。
作中の弁護士は、武力や強制力を使わず、言葉の力だけを武器に、理知的かつ理性的に人を説得し、社会の巨悪を暴く存在です。
そのような「言葉の力」を武器にできる点に強く惹かれ、私も弱い立場の人を法的にサポートしたいと思うようになりました。
ーーどんな学生時代でしたか。
私が学生だった頃は、大学3年生から司法試験の勉強を始めるのが一般的だったので、1〜2年生の時は他のことに挑戦しようと思い、アルバイトやサークル活動に取り組んでいました。
アルバイトは、定番ですが家庭教師や塾講師などをしていました。サークルは英語サークルに所属していました。また、子どもの発達障害に関する福祉相談にも関わり、子どもたちと触れ合ったり、親御さんからの相談を受けたりしていました。
3年生からは司法研究部という組織に所属し、司法試験に向けた本格的な勉強を始めました。部の活動の一環として、一般の方を対象にした無料の法律相談も行っていました。
法律の勉強は楽しかったです。学べば学ぶほど、法律の仕組みや理論が繋がっていき、理解が深まっていくことが面白かったです。
法律家としての立場を一度脇に置き、依頼者の立場に立って、当事者の気持ちを考える
ーー注力分野と、その分野に注力している理由を教えてください。
来た相談に応じて随時対応しているため、幅広い分野を扱っています。
主に一般民事が多く、例えば交通事故、離婚、相続、債務整理、誹謗中傷などの案件があります。また、刑事事件や企業法務も取り扱っています。
全体の割合としては、一般民事が約7割で、企業法務が約3割です。
ーー仕事をする上で心がけていることを教えてください。
できるだけ依頼者の気持ちに寄り添うことを心がけています。
困って相談に来る方が多いので、自分自身を依頼者の立場に置き換えて、法律家としての立場を一度脇に置き、その方が直面している状況で自分ならどう感じるかを考え、依頼者の気持ちを理解するよう努めています。
学生時代に、子どもの発達障害に関する福祉相談に関わり、親御さんからさまざまなお話を伺いましたが、自分とは異なる環境で育ってきた人たちの気持ちに共感し、理解することの大切さを学びました。この経験が、今でも依頼者への接し方に活かされています。
また、法律的な説明においては、できるだけ専門用語を使わず、わかりやすく伝えることを心がけています。
依頼者にいくら共感しても、専門用語ばかりでは相手にその気持ちが伝わりません。依頼者に元気を与えられるような言葉や伝え方を工夫しながら対応しています。
ーー弁護士として活動してきた中で、印象に残っているエピソードを教えてください。
交通事故の案件で、証拠が非常に少なく、負けることが前提のような難解な事件がありました。
その事件は、車が道路から外れて大破し、運転手が死亡した自損事故のケースです。依頼者はその遺族でした。
自損事故による死亡の場合でも、運転手が加入していた自動車保険から保険金が通常は支払われますが、自殺の場合には保険金の支払いが免責されることが多いです。この案件では、保険会社が自殺だと主張して保険金の支払いを拒んでいたため、遺族が保険金の支払いを求めて裁判を起こしました。
この事件は、亡くなった弁護士から引き継いだものでしたが、証拠がほとんどなく、勝ち目がないように見えたため、他の弁護士は誰も引き受けませんでした。そこで、私が引き受けることになりました。
現地と事務所は飛行機で移動する距離でしたが、証拠が本当になかったため、何度も足を運んで調査を行いました。
事故が起きた場所は直線道路だと言われていましたが、実際に測ってみると、直線ではありませんでした。車が落ちた場所には草むらのくぼみがありました。当時は草が道路と同じ高さまで生い茂っていたため、写真ではフラットで直線の道路のように見えましたが、実際には非常に狭い道だったんです。
そのため、わずかなハンドル操作の誤りでそのくぼみに落ちてしまい、事故が起きた可能性が高いことが分かりました。
こうした調査結果を証拠として提出し、証人尋問も行った結果、最終的に判決で事故である可能性を認めてもらい、一部ではありますが請求が認められました。依頼者の方にも喜んでいただけましたし、私自身も何度も現地に調査に行った甲斐がありました。
絶対に無理だと思っていた事件でしたが、一から立て直してよい結果につなげられた案件として、印象に残っています。
気軽に相談すれば、きっと解決の糸口が見つかるはず
ーープライベートについても伺います。休日はどのようにお過ごしですか。
休日は主に読書や映画鑑賞、ドライブを楽しんでいます。
映画や読書が好きで、ジャンルとしては社会問題や経済、ミステリーをよく読みます。個人的にはミステリーが特に好きです。
社会問題に関する本は、弁護士として読んでおいた方が良いと感じることもあり、勉強も兼ねて読んでいます。
ドライブでは、北海道の温泉に行くことが多いです。
ーー今後の展望を教えてください。
引き続き、依頼者の心情に寄り添いながら、わかりやすく説明することを大切にしていきたいです。
また、常に知識をブラッシュアップし、AIの活用など時代の変化にも対応できるよう心がけていきたいと思います。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
弁護士に相談するのは、勇気がいることであり、不安から一歩を踏み出せないことも多いと思います。
しかし、気軽に相談していただければ、きっと解決の道が見えてくると思います。ぜひお話を聞かせてください。