髙橋 智 弁護士
この相談でのポイントは、医療行為に過失が認められるかどうかです。例えば患者さんが医療行為に関連して亡くなったとしても、それだけで医療機関に責任を問うことはできません。実際に起こった事案ごとに、医療側にはどのような注意義務があるかどうかを検討していかなければなりません。この事例だとポイントとしては、①手術前の事前検査は適切だったか?例えば、手術を選択することが無理だったといえないか。②手術手技にミスは亡かったのか?③様態が悪化した後の救命措置が迅速・適切だったといえるのか?などがポイントになると思います。ただ、医療行為をどのようにすべきかは、法律で定められているわけではありません。そこが交通事故のようにきめ細かく法規が定められているような事故との大きな違いです。相談の例でも、死に至った経過を丹念に検証していく必要があります。そのための情報としては不足しています。お父さんから当時の状況をもう一度弁護士が聞き、必要なら医療機関からカルテなどの医療情報を入手し、その上で、医療機関側に責任が問えるかということを検討する必要があります。(検討に必要な資料)まず患者さんの病状に関するデータや医療行為(投薬や手術)の記録です。これらの情報は医療機関から手に入れる必要があります。複数の医療機関にかかっていた場合は、その全てです。いわゆるカルテなどの医療情報の開示は、多くの医療機関が応じてくれるようになっています。入手は可能だと思いますが、ただ、できれば、事前に弁護士に相談いただきたいと思います。例えば、病院側によってカルテが改ざんされる恐れがあるとか、カルテ保存期間の5年を過ぎようとしている場合等によっては、証拠保全という法的な手続きが必要となることがあるからです。証拠保全というのは、患者側が裁判所に対して、訴訟にする前に、カルテの検証を求めるという手続きです。
【医療事故・手術手技のミス・死亡・説明義務違反】の
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