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小杉 晴洋弁護士

( こすぎ はるひろ ) 小杉 晴洋

小杉法律事務所

交通事故

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小杉法律事務所
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【アクセス】西新駅・藤崎駅 西鉄バス福岡タワーから徒歩1分「福岡AIビル2階」

交通事故の詳細分野

事件内容

  • 死亡事故
  • 物損事故
  • 人身事故

争点

  • 後遺障害等級認定
  • 過失割合
  • 慰謝料・損害賠償

対応体制

  • 全国出張対応
  • 24時間予約受付
  • 女性スタッフ在籍
  • 当日相談可
  • 休日相談可
  • 夜間相談可
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お支払い方法

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まずはご相談いただき、あなたのご状況をヒアリングさせて頂きます。
電話・メール・LINEで相談可能ですので、ご都合の宜しい方法でご相談ください。

ご相談例

  • まだ治療を続けたいのに治療費を打ち切られた
  • 仕事に行けないのに休業損害がもらえない
  • 仕事を辞めざるを得なくなった
  • 痛みを我慢して仕事に行っているがそのせいで元気だと言われてしまった
  • 重い症状が残っているのに後遺障害の等級が認定されない
  • 後遺障害の等級が認定されたがこの等級が妥当なのかわからない

強み

◎フットワーク軽く対応
お住まいの場所から遠方の現場や、県外の裁判所にも、フットワーク軽く対応します。

◎通院の仕方、医師への症状の伝え方もアドバイス
後遺障害等級は治療中の過ごし方、通院の仕方などによって差が出ます。
また、診察やリハビリの際に、お医者さん・理学療法士さん・看護師さんに症状を聞かれると思いますが、その時の回答にも注意が必要です。
早めに交通事故被害者側専門の弁護士に相談することをおすすめします。

メッセージ

交通事故発生後の初動でミスをしたために、適正な慰謝料などの賠償金を受け取れなくなってしまうケースが多々あります。
ぜひ、交通事故に精通した弁護士にお任せください。

死亡事故/ご遺族の方へ

ご遺族の方は、深い悲しみの中にあると思います。
賠償金をいくらもらっても、納得いくことは無いと思います。
しかしながら、加害者側の保険会社というのは営利企業ですので、なるべく賠償金を安く抑えようとしてきます。
本来人の命というのは金銭換算できないものですが、過去の裁判例との比較などによって事案に応じた適正な慰謝料額・賠償額というものは観念できます。
保険会社の言い値で示談してはいけません。

ご家族の方が交通事故でお亡くなりになられたのであれば、死亡事故被害者側専門の弁護士にご相談されることをおすすめします。

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事務所サイト:https://personal-injury.jp/

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●動物事故:https://personal-injury.jp/pet
●その他損害賠償請求や保険金請求・障害年金申請:https://personal-injury.jp/other

交通事故の料金表

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項目 費用・内容説明
弁護士費用特約のない方 ■初回相談料 無料
■着手金 無料
■報酬金 19万8千円+獲得金額の9.9%(税込)
上記の金額が原則的な料金体系となります。
(1) 事故と無関係の車・バイクの弁護士費用特約が使えることがあります。
(2) 車の保険以外の保険(火災保険や家財保険など)に
弁護士費用特約が付いていることがあります。
(3) 被害者本人の保険でなくとも弁護士費用特約が使えることがあります。
(4) 車やバイクの交通事故でなくとも弁護士費用特約が使えることがあります。
(5) 弁護士費用特約は二重・三重に使えます。
まずはお気軽にご相談くださいませ。
弁護士費用特約のある方 ■相談料 ご負担なし
■着手金 旧日弁連報酬基準に準じます。原則ご負担はありません。
■報酬金 旧日弁連報酬基準に準じます。原則ご負担はありません。
弁護士費用特約が利用できない方 近年弁護士費用特約が広まってきていて、加入していたつもりはなかったのに、実は入っていたという例が多く登場しています。
利用できるかどうかわからないという方も、お気軽にご相談ください。
当該死亡事故の見立てや賠償額の説明のほか、弁護士費用特約の理由の可否についてもご説明させていただきます。
なお、弁護士費用特約の利用に関するポイントは下記の5点です。
(1) 事故と無関係の車・バイクの弁護士費用特約が使えることがあります。
(2) 車の保険以外の保険(火災保険や家財保険など)に
弁護士費用特約が付いていることがあります。
(3) 被害者本人の保険でなくとも弁護士費用特約が使えることがあります。
(4) 車やバイクの交通事故でなくとも弁護士費用特約が使えることがあります。
(5) 弁護士費用特約は二重・三重に使えます。
すでに弁護士に相談/依頼されている方へ (1) すでに他の弁護士に相談済みの方へ
弁護士ごとに見解が異なるケースもありますし、弁護士の人間性の相性の問題もありますので、まずは当事務所の無料相談をご利用されることをおすすめします。
なお、弁護士費用特約・法律相談費用特約にご加入の方で、すでに法律相談の無料枠を使い切ってしまっているという方についても、特に法律相談費用のお支払いを要求することはありませんので、お気軽にご相談ください。
(2) すでに他の弁護士に依頼済みの方へ
現在依頼している弁護士の方針に納得がいかない、何をやっているのか分からないなどといったセカンド・オピニオン的な法律相談を受けることもございます。
人の仕事を取るような真似はしたくないので、積極的に当事務所に受任したほうが良いですよなどと働きかけることはございませんが、お話をお伺いすることはできますので、気になる方は、無料の法律相談をご利用ください。
中には、交通事故についての専門性がなく、適切に事件処理ができていないケースもあり、そのような場合には当事務所で受任に至ることもあります。
個別料金に関しましては、直接弁護士にご確認をいただくことをお勧めします。

交通事故の解決事例(20件)

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交通事故の解決事例 1

【高次脳機能障害】<約2200万円の示談提示⇒約8300万円>介護状況を具体的に立証し、自賠責3級認定を裁判で2級獲得

  • 慰謝料・損害賠償
  • 人身事故
依頼主 70代 男性

相談前

Cさんは70代の男性で、妻と共に自宅で生活をしていました。

家事は妻がしていましたが、妻も高齢で足が悪かったため、庭の草むしりや買い物は夫のCさんが行っていました。

ある日、駐車場内をCさんが歩いていると、アクセルとブレーキを踏み間違えた車にはねられてしまい、Cさんは脳挫傷や外傷性クモ膜下出血などの傷害を負わされてしまいます。

Cさんは長期間入院することになりますが、Cさんの妻は足が悪いため、Cさんの息子たちも仕事を休んでCさんの入院に付き添ったり、Cさんの家に行き足の悪い母と一緒に暮らすなどして家族一丸となって対応していました。

Cさんは後遺障害の診断を受けることになり、保険会社による後遺障害等級の申請(事前認定・加害者請求)によって、高次脳機能障害による後遺障害等級3級であると認定されます。

そして、保険会社から約220o万円の示談提示を受けました。

Cさんやご家族は、この2200万円という提示が妥当なのかどうか分からず、弁護士に相談してみることにしました。

★法律相談

Cさんの息子さんが来所され、法律相談を実施しました。

主に保険会社の示談提示が妥当かどうかについて説明をし、受任することになりました。

以下法律相談時の説明内容の概要です。

1 そもそも後遺障害等級3級というのが妥当なのかどうか精査が必要

息子さんの話によると、元気だった父は、事故後は性格が変わってしまい、感情の起伏が激しくなっているとのことでした。

具体的には、看護師さんに暴力を振るったり、他人を大声で怒鳴ったり、他方で、1日中一言もしゃべらず部屋にひきこもったりするといった状況にあるとのことでした。

また、身体が不自由となっていて、転倒も多く、入浴や食事、トイレ、着替えなどの場面で他人の介護が必要な状況となっているようでした。

2 休業損害や逸失利益は0円でよいのか

Cさんは70代無職の男性ですから、原則は、保険会社の言うように、仕事を休んだことに対する休業損害や、将来仕事ができなくなることに対する逸失利益は認められないことになります。

しかしながら、Cさんの奥さんは足が悪く、草むしりや買い物などはCさんが行っていたとのことでしたので、休業損害や逸失利益が0円でよいのかについては疑問が残る事案でした。

3 付添費用や介護費用が発生する事案である

保険会社の示談提示は主に慰謝料のみで構成されていましたが、Cさんの入院中は、病院で看護師さんに暴力を振るったり、ナースコールを押さずに勝手に動こうとするCさんを抑えるために、ご家族が付き添っておられました。

また、退院後もずっと家族でCさんの介護をしていて、通院の付添いもしていましたが、保険会社の示談提案では、これらのことがまったく反映されていませんでした。

4 家屋改造費が否定されている

Cさん家族は、Cさんが自宅ですごせるように、手すりを付けたり、トイレをバリアフリーにするなどの家屋改造を行っていました。

しかしながら、保険会社の示談提案では、家屋改造費の提案はありませんでした。

相談後

1 示談交渉決裂

保険会社に対して、休業損害・逸失利益・付添費用・将来介護費用・家屋改造費などを請求しましたが、支払えないとの回答でしたので、裁判をすることにしました。

2 提訴前の準備
(1)後遺障害等級2級の裏付けを用意する

病院の大量のカルテを取寄せ、後遺障害等級が3級ではなく2級というための裏付けを探しました。

また、Cさんのご自宅にお邪魔し、介護状況を動画や写真で撮影させてもらいました。

(2)Cさんが行っていた家事内容について奥さんと息子さんの陳述書を作成

休業損害や逸失利益の裏付けとして、Cさんの奥さんや息子さんから、Cさんが行っていた家事の状況について話を伺い、陳述書を作成しました。

(3)家屋改造の必要性について資料を入手

Cさんのご自宅にお邪魔した際に、家屋改造後の状況の写真を撮らせてもらいました。

また、昔の写真から、改造前の家の状態の写真を探し出し、家屋改造前後の比較をしやすいようにしました。

3 福岡地方裁判所小倉支部の判断

福岡地方裁判所小倉支部はCさん側の主張をほぼ全面的に認めてくれて、下記の内容での和解成立となりました。

後遺障害等級は3級ではなく2級

Cさんの自宅を撮影した介護状況の報告やご家族の陳述書から、入浴の際はリフトを利用して他者の介助が必要であること、トイレ・食事・更衣等も随時介護が必要になっていること、他人を大声で怒鳴ること、部屋にふさぎがちなこと、一人で外出することはできないことなどを認定し、自賠責保険の後遺障害等級3級の判断を覆し、2級の認定をしてくれました。

入通院付添費・自宅付添費 約250万円

保険会社の示談提案では認められなかった、入通院の際の家族の付添費や、治療期間中の自宅付添費を合計250万円分認めてくれました。

将来介護費 約4000万円

平均余命までにかかると思われる職業付添い人への介護費の支払や家族の近親者介護を考慮し、将来介護費として約4000万円の認定をしてくれました。

家屋改造費 全額認定

家屋改造費は否定されることも多く、また、肯定されたとしても他の家族の便益となるため3割などという形で一部認められることが多いのですが、本件では全額の家屋改造費が認定されました。

休業損害 約80万円

Cさんは交通事故の前に主夫業をしていたわけではありませんが、妻の足の状態からして、一部の家事を担っていたとの認定を得ることができ、約83万円の休業損害が認められました。

逸失利益 約600万円

休業損害と同様、交通事故がなかったとすれば、Cさんが一部家事を担っていたはずで、それが事故のせいでできなくなったとして、逸失利益が約600万円認定されました。

慰謝料 2400万円
和解金合計 約8300万円

小杉 晴洋弁護士からのコメント

小杉 晴洋弁護士

【解決事例のポイント】
① 自宅での介護状況を撮影して立証することにより、自賠責3級認定を裁判で2級に上げた
② 保険会社が約2200万円の示談提示をしていたが、裁判により約4倍の8300万円で和解解決
③ 70代無職男性について休業損害や逸失利益を認めさせた
④ 家屋改造費全額認定
⑤ 家族の付添費用や介護費用が0円とされていたが裁判で4000万円以上認定

【コメント】
Cさんのご家族は、約2200万円という示談提案を受けた際、特に否定的な考えは持たなかったそうです。

確かに2000万円を超える金額というのは大金ですし、そのまま示談に応じしてしまう方もいらっしゃるのだと思います。

しかしながら、現に約4倍となる8300万円で解決しているわけですから、仮に示談をしてしまっていたとしたら6000万円以上損をしていたことになります。

保険会社というのは営利企業ですから、なるべく賠償金を低く抑えようとするのが仕事です。

安易に示談に応じてはいけません。

特に後遺症が残ってしまっているケースでは、数百万・数千万円単位で損をすることがありますから、保険会社から示談の提案を受けたという方については、まずは弁護士に相談されることをおすすめします。

当事務所では無料の法律相談を実施しておりますので、お気軽にお尋ねください。

交通事故の解決事例 2

【TFCC損傷(三角繊維軟骨複合体損傷)】<後遺障害等級12級13号を獲得>裁判で労働能力喪失率25%を認めさせた事例

  • 後遺障害等級認定
  • 慰謝料・損害賠償
  • 人身事故
依頼主 30代 男性

相談前

Zさんは40代男性で、整骨院を営んでいました。

夜間、バイクで帰宅していたところ、Uターンしてきた車にはねられ、手首を損傷してしまいます。

急なUターンで、避けることが困難でしたが、保険会社の担当者からは、動いている者同士の交通事故の場合、過失割合は0:100にはならないという話を聞かされ、物損は10:90で示談してしまいます。

手首の痛みが治らないため後遺障害の申請をしたところ、後遺障害等級14級の認定がなされました。

Zさんは、この等級で良いのか分からなかったため、弁護士に法律相談することにしました。

★法律相談

法律相談では、主に過失割合と後遺障害等級の点についてお話をしました。

まず、過失割合については、Zさんの話を伺う限り、こちらとしては避けようがない事故のように思えたので、過失割合10:90ではなく、過失なしを目指しましょうというお話をさせていただきました。

また、後遺障害等級については、手首の捻挫の場合、後遺障害等級14級9号より高い等級が出ることはほとんど無い旨の説明をさせていただきました。

ただし、Zさんの痛がり方かたして、手首の捻挫にとどまらず、TFCC損傷(三角繊維軟骨複合体損傷)となっている可能性があり、TFCC損傷であることを裏付けることができれば、後遺障害等級12級13号に上がる可能性がある旨をお伝えさせていただきました。

裏付けの方法としては、手首に造影剤を入れた上で、MRI撮影を行う方法があると提案しました。

造影剤を入れることで、仮にTFCC損傷がある場合は、損傷箇所から造影剤が漏れることになり、その漏れをMRIで撮影することによって、TFCC損傷を裏付けるという方法です。

造影剤の注入はとても痛いらしいので、Zさんの判断に委ねましたが、身体のことですしちゃんと調べたいとのことでしたので、造影剤を注入してのMRI撮影を実施してもらうことにしました。

相談後

1 異議申立てによる後遺障害等級12級13号の獲得

Zさんに造影剤を注入してのMRI撮影を実施してもらったところ、MRI画像上、造影剤の漏れが確認でき、TFCC損傷の確定診断を得ることができました。

この資料をもとに自賠責保険会社に対して異議申立てを行ったところ、無事後遺障害等級12級13号の認定がなされました(自賠責保険金224万円獲得)。

2 示談交渉の決裂

異議申立てにより獲得した後遺障害等級12級13号をもとに示談交渉を開始しました。

保険会社の示談案は、一般的な回答で、特段被害者にとって不当と言えるようなものではありませんでしたが、物損と同様過失割合が10:90とされていて、すでにZさんも合意の過失割合なのでこれを変更することはできないと言われてしまい、異議申立てにより獲得した自賠責保険金224万円のほかに480万円を支払うことでの示談を提案されました。

過失割合については納得いくものではありませんでしたし、また、Zさんの仕事は整骨院経営のため、手首の痛みによって施術が上手くできなくなり、客離れが生じていたことから、この賠償額では納得できないとして裁判をすることにしました。

3 民事裁判 福岡地方裁判所小倉支部
(1)過失割合

被告側からは、別冊判例タイムズ38号「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」に従って、過失割合は原告10:被告90とするべきとの主張がなされ、この点については物損の示談で原告も合意済みの数字であることが指摘されました。

これに対して、物損の示談交渉で合意した過失割合は無関係であることを裁判例を引用して主張するとともに、刑事記録やZさんの供述から、原告に過失はない旨の反論をしました。

そうしたところ、裁判所も原告過失なしの和解案を示してくれました。

(2)逸失利益

逸失利益算定の際の労働能力喪失率というのは、労働省労働基準局長通牒(昭32.7.2基発第551号)別表労働能力喪失率表を元に定められることが多く、後遺障害等級12級の場合には労働能力喪失率14%とされています。

しかしながら、●級の場合●%と機械的にあてはめるのは妥当でなく、被害者の職業や後遺症の部位・程度、交通事故前後の稼働状況等を総合して労働能力喪失率を定めるべきです。

そこで、整骨院業界の資料をもとに手首を損傷した場合の支障について立証するとともに、主治医よりどのような動きで特に痛みが出るのかについて医学的意見書を作成してもらい、労働能力喪失率は14%にとどまらない旨の主張を行いました。

そうしたところ、裁判所もこれを認めてくれて、労働能力喪失率は25%である旨の裁判所和解案が提案されました。

(3)1200万円での和解成立

保険会社の示談提示額は480万円でしたが、最終的に1200万円での和解解決をすることができました(自賠責保険金224万円除く。)。

小杉 晴洋弁護士からのコメント

小杉 晴洋弁護士

【解決事例のポイント】
① 造影剤を入れてのMRI撮影を実施することにより異議申立てで後遺障害等級12級13号を獲得
② 手首の痛みは整骨院の仕事に大きな支障が出ることを立証し、12級の場合14%とされている労働能力喪失率を25%認めさせた
③ 動いている者同士の交通事故であったが過失割合0:100で解決
④ 示談提示額約480万円⇒裁判で1200万円に増額(720万円増額)

【コメント】
1 物損の示談の際の過失割合は後で覆せることがあります

物損の示談交渉は、交通事故後すぐに行われることも多く、弁護士に相談する前に示談をしてしまっているケースもよくあります。

保険会社の担当者は、一度示談をしているのだからということで、物損で合意した過失割合を人損の示談交渉の際も主張してきますが、人損の示談交渉や裁判では、物損の過失割合に拘束される理由はありません。

物損を示談してしまっているが、過失割合に納得いっていなかったという方は、人訴の際にあらためて弁護士に交渉してもらうことをおすすめします。

2 後遺障害等級の見極めは被害者側専門の弁護士に任せましょう

Zさんのケースでは、造影剤を入れたMRI撮影によりTFCC損傷が判明し、異議申立てによって後遺障害等級12級13号が獲得できています。

こうした手法は、被害者側専門の弁護士に依頼しなければ、なかなか難しいといえます。

3 実態に応じた逸失利益を主張しましょう

交通事故事案は定型的であると言われることがあります。

確かに、定型的にやろうと思えばできますが、それでは実態に応じた解決をすることはできません。

きちんと証拠をそろえて立証を行えば、裁判基準を超える慰謝料額や逸失利益の認定を受けることができます。

定型的な処理だけをするのであれば小学生でも解決できますので、交通事故の被害者の方は、被害者側専門の弁護士に相談されることをおすすめします。

交通事故の解決事例 3

【半月板損傷】<遺障害等級14級⇨弁護士介入後12級へ>被害者の勝手な転倒事故と主張されていたが裁判により加害者に非のある事故と認めさせた事例(0円⇒900万円)

  • 後遺障害等級認定
  • 慰謝料・損害賠償
  • 人身事故
依頼主 40代 男性

相談前

Nさんは40代男性の公務員です。

センターラインの無い道をバイクで走行中、対向から車が出てきたため、衝突を避けるためハンドル操作を行いましたが、その際にNさんは転倒してしまいます。

Nさんは、膝から血を流し、横たわっていましたが、加害者は謝罪をせず、警察や救急車を呼ぶこともしませんでした。

Nさんは頭は打っていなかったので、自分で救急車と警察を呼び、救急搬送されて病院へ運ばれました。

警察から加害者の連絡先を教えてもらい連絡しましたが、Nさんが勝手に転んだ事故なので、こちらとしては自賠責保険以上に対応するつもりはないと言われてしまいます。

Nさんは仕方なく自費で通院をしますが、膝の痛みが取れず、後遺症として残ってしまいました。

Nさんは、後遺症の申請の仕方が分からなかったので、ネットで調べて、行政書士さんにお願いすることにしました。

行政書士さんが、自賠責保険会社に申請をしてくれたことにより、後遺障害等級14級の認定が出され(自賠責保険金75万円)、また、Nさんが立て替えていた治療費も回収することができました。

しかしながら、75万円の金額だけだと少ないと感じたNさんは、行政書士さんに相談しますが、これ以上の請求はできない旨の説明を受けてしまいます。

そこで、Nさんは、行政書士ではなく、弁護士に法律相談することにします。

★法律相談

行政書士がこれ以上請求できないといったのは、行政書士さんは示談交渉や裁判をする権限がないからであり、弁護士であれば、これ以上請求することができる旨の説明をしました。

また、Nさんの膝の具合が芳しくなかったことから、後遺障害等級14級にとどまらず12級に上がる可能性があることをお話しました。

そして、加害者が任意保険に入っていないため、自賠責保険金以上の賠償額を支払ってもらうためには、加害者から直接回収する必要がある旨を説明しました。

無いところからは取れないので、加害者の資料によっては、勝訴したとしても損害賠償金を回収できないこともありますが、加害者の資力調査も行う旨の説明もしました。

相談後

1 加害者の資産調査と不動産の仮差押え

加害者の資産調査を行いましたが、加害者は会社経営者であって、会社所有の土地建物があることが判明しました。

また、加害者自身も、持ち家があることが分かりました。

そこで、加害者と加害者の会社が有する土地建物をすべて仮差押えすることにしました。

2 裁判 横浜地方裁判所
(1)加害者の会社も被告にする
裁判をする前に、加害者に対して内容証明郵便を送付し、損害賠償金を支払うよう求めましたが、Nさんの自損事故であるとして激怒され、1円も払わないと言われてしまいます。
とても不誠実な人物であったため、支払義務者をなるべく増やしておいた方が良いと考え、会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律2条1項・会社法350条に基づき、加害者のみならず、加害者の会社も被告に加えて訴訟提起することにしました。

(2)過失割合
被告は裁判において、黒い車とお見合いになっていたところ、その横をすり抜けてきたNさんのバイクが勝手に転倒したという主張を始めました。
双方の主張がまったく一致しないため、尋問が実施されることになりました。
尋問では、被告に気持ちよく色々話をさせた後に、過去の自身の供述と異なることを複数指摘することに成功し、裁判所からも、被告の供述は不合理に変遷しており、信用できないとの判決をもらうことができました。
ただし、被告車両とは衝突していなかったのと、転倒せずとも事故を回避できた可能性はあったことから、原告40:被告60の過失割合であるとの判決になりました。

(3)後遺障害等級14級⇒12級
カルテに基づく主張や、医師面談後の医師の医学的意見書からの立証により、MRI画像上、左膝内側半月板に水平断裂が認められ、これは交通事故外傷によるものであるから、後遺障害等級は自賠責保険認定の14級ではなく12級13号である旨の判決を獲得できました。

(4)逸失利益
Nさんは公務員で、本件交通事故の後に仕事を休んでも給料は減っていませんでしたが、仕事の内容状、膝の後遺症は仕事に影響することや、現在給料が減っていないのは本人の努力によるものであることを立証し、67歳までの逸失利益が肯定されました。

(5)慰謝料増額
ギプス固定し自宅で療養していた期間を入院期間と同視させ、裁判基準の通院慰謝料よりも増額した慰謝料認定を得ることができました。

(6)判決
以上が認められた結果、損害賠償金約900万円がみとめられることになりました。


(7)控訴
被告から控訴がなされ、東京高等裁判所に審理が移りましたが、東京高等裁判所もNさんの主張を認めてくれました。

(8)判決認容額の回収
判決が確定すると被告の財産を差し押さえることができますが、差し押さえる前に不動産を売られてしまっては、差押対象の資産がなくなってしまいます。
しかし、この点は事前に不動産の仮差押えをしていますので、加害者が不動産売却による執行逃れをすることは封じてあります。
この点を加害者の代理人の弁護士にお伝えし、なんとか900万円を支払ってもらいました。

小杉 晴洋弁護士からのコメント

小杉 晴洋弁護士

【解決事例のポイント】
① 行政書士が後遺症の申請を行うことにより14級の認定がなされていたが、弁護士介入後後遺障害等級12級13号に変更
② 加害者側は被害者が勝手に転倒した自損事故であると主張していたが、尋問で加害者の供述であることが不合理であることを明らかにし、加害者に非のある事故であると認めさせた
③ 加害者側0円提示⇒裁判により約900万円の判決
④ 加害者無保険のケースだったが、加害者の会社の土地建物や加害者の自宅の土地建物を仮差押えしておき、判決認容額全額回収
⑤ ギプス固定による自宅療養期間を入院と同視させ、慰謝料を裁判基準以上に認めさせた
⑥ 公務員のため給料の減収はないが、逸失利益を認めさせた
⑦ 判例誌掲載判決(自保ジャーナル1996号)

交通事故の解決事例 4

【右脛腓骨開放骨折・右総腓骨神経障害・右足関節拘縮等】<後遺障害等級6級認定>医師面談により腓骨神経麻痺や偽関節による後遺障害診断書を修正

  • 後遺障害等級認定
  • 慰謝料・損害賠償
  • 人身事故
依頼主 30代 男性

相談前

福岡市に住む30代の会社員男性Gさんは、バイクでの通勤の途中、青信号のため交差点を直進しようとするにあたり、対向から右折進行してきた四輪車と衝突し、右脛骨や腓骨の開放骨折、右第3・4中足骨骨折の傷害を負って、入院することになります。

Gさんの治療は3年弱かかりましたが、完治することなく、症状固定を迎えました。

通っていた整骨院の先生から、酷いケガだし、一度弁護士の先生に話を聞いてみたら?と言われ、弁護士に相談することにしました。

★法律相談

Gさんは症状固定を迎え、後遺障害診断書を書いてもらっていたため、それを見せてもらいました。

そこには、自覚症状として、右足の関節の痛みが書かれています。

しかしながら、Gさんに、実際の症状を聞くと、右足関節以外にも痛みが生じていたのと、右足が垂れ下がるような症状を呈していたことから、骨折をした部位や程度から考えると、腓骨神経麻痺が疑われる状態となっていました。

腓骨神経麻痺により足指が自分では動かしづらくなっていましたが、足指の可動域制限の記載もありません。

また、Gさんが一部保有していた骨折部のレントゲン写真を見ると、明らかに偽関節が疑われる状態となっていましたが、偽関節の記載が「長管骨の変形」の欄に記載がない状態となっています。

この後遺障害診断書では、後遺障害等級12級程度にしかならない可能性があると考え、弁護士介入の上、後遺障害診断書の訂正や後遺障害等級の申請を行った方が良いという結論に至り、受任しました。

相談後

第1 後遺障害診断書の訂正
1 医師面談の準備
後遺障害診断書の訂正ができるのであれば、した方が良い事案であると考えていましたが、訂正のお願いは1回勝負ですので、その前にできる準備を行いました。
具体的には、Gさんが3年弱の間に通った病院の医証を取り付け、それの分析を行います。
分析が終わった後は、いよいよ後遺障害診断書の訂正お願いのための医師面談になります。
2 医師面談
主治医の先生にアポイントを取り、医師面談を実施します。
医師面談の際には、事案を頭に入れることや、考えられる後遺障害等級の要件を頭に入れておくことは当然ですが、それに加えて、お会いする先生の経歴や論文なども調べておきます。
今回お会いする先生は、かなり脚の骨折について詳しいことが予想されましたので、こちらとしても緊張する医師面談となりました。
主治医の先生との話を通じて、下記の後遺障害診断書修正に成功しました。
①傷病名の追記(右総腓骨神経障害・右足関節拘縮・右第3~4中足骨骨折の追加)
②自覚症状の追記(右膝痛、右足趾痛、右下垂足等の追加)
③他覚症状および検査結果の追記(偽関節・腓骨神経障害・関節拘縮の説明の追加)
④長管骨の変形の追記(仮関節・偽関節)
⑤可動域制の追記(足指の可動域制限)

第2 自賠責による後遺障害等級の認定(併合6級)
1 偽関節8級9号(短縮障害を含む。)
後遺障害診断書の追記の甲斐あり、偽関節で後遺障害等級8級9号が認定されました。
2 足関節の著しい機能障害10級11号(右足関節痛を含む。)
可動域制限の数値が出ているだけでは後遺障害等級の認定はされませんが、右足関節拘縮の説明をしていただいておりましたので、医学的な裏付けもありと判断されるに至りました。
3 右足指全部の用廃9級15号
腓骨神経麻痺を医学的に説明してもらうことにより、自動運動の比較にて後遺障害等級の認定を行うことが可能になり、後遺障害等級9級15号の認定をしてもらえることになります。
4 後遺障害等級の相当処理と併合処理
Gさんの場合、右足関節機能障害10級11号と右足指関節機能障害9級15号とが、同じ右下肢内の機能障害の話ですので、併合の方法を用いて重い方の9級15号を1つ繰り上げ、8級相当という1つの後遺障害等級とします。
従いまして、Gさんの後遺障害等級は、偽関節の8級9号と、右下肢機能障害の8級相当の2つになります。
そうすると、後遺障害等級8級以上の等級が複数ある場合はその中で1番重たい等級が2つ繰り上がるというルールを使うことになり、2つ繰り上げて併合6級ということになります。

第3 示談交渉
Gさんの希望もあり、裁判するつもりはありませんでしたが、訴状を作成し、すべての損害を証拠によって裏付けてそれを提出しました。
保険会社の決裁は、担当者限りで示談するか否かを判断できる金額、担当者の上司の決裁を経なければ示談するか否かを判断できない金額、上司の決裁でも足りず本部の決裁を経なければ示談するか否かを判断できない金額というのがありますが、Gさんのケースでは、これらを超えて、本部決裁でも足りず取締役会の決裁が必要ということになりました。
保険会社からすれば、支出が大きい事案であるため、慎重な判断をすることは当然ともいえますが、証拠をガチガチに固めていたことが奏功し、実収入以上の基礎収入額が認定されるなどして、計5500万円での示談解決となりました。

小杉 晴洋弁護士からのコメント

小杉 晴洋弁護士

【解決事例のポイント】
① 医師は後遺障害等級認定のプロではない。後遺障害診断書に書き漏れがあれば修正してもらう。
② 後遺障害等級12級が考えられるような後遺障害診断書に対して、弁護士が腓骨神経麻痺やそれに伴う足指の自動運動制限、また、偽関節の加筆を医師に促し、後遺障害等級併合6級を獲得。
③ 後遺障害等級の方針を立てる際は相当と併合の関係も意識する。
④ 示談交渉では担当者決裁のみならず、本部決裁や役員決裁も頭に入れながら行う。
⑤ 訴状を用いた交渉により5500万円で示談解決

【コメント】
後遺障害診断書の修正によって後遺障害等級は変わります。

Gさんは、とりあえず弁護士に相談してみようという程度の気持ちで法律相談に訪れていましたので、まさか後遺障害診断書を訂正するとは思っていなかったみたいで、驚いておられました。

今回医師面談に応じてくださった先生は、当然ですが、私よりも医学的知識や理解は豊富です。

しかしながら、後遺障害等級の要件や、どのような後遺障害診断書だと適切な等級を獲得できるかについては、私の方が詳しいです。

後遺障害診断書というのは、純医学的なものではなく、後遺障害等級の申請のために書いていただくものですから、記載には後遺障害等級の要件についての理解とコツが要ります。

もちろん、真実ではないことを書いてもらうようなことはしませんが、どこまでの事実を書いたらいいのかは、被害者側専門の弁護士でなければ分からないことがあります。

主治医に後遺障害診断書を書いてもらったという方については、一度、被害者側専門の弁護士に相談されることをおすすめします。

本件のように、後遺障害診断書の書き漏れのため、そのまま提出していたのでは、適正な後遺障害等級が獲得できないということがあるからです。

当事務所では、無料の法律相談を実施しておりますので、お気軽にお尋ねください。

交通事故の解決事例 5

【左手舟状骨骨折】<約3700万円を獲得>弁護士変更後、ドライブレコーダー証拠隠滅指摘等により慰謝料増額に成功

  • 慰謝料・損害賠償
  • 人身事故
依頼主 20代 男性

相談前

Zさんは、事故後時、大学生でしたが、バイク事故に遭ってしまい、左手舟状骨を骨折してしまいます。

後遺障害等級10級が認定され、ある弁護士法人の弁護士に依頼をして裁判をしました。

しかしながら、相手方が、当初話していた事故態様とはまったく異なる事故態様を主張してきたため、裁判が長期化してしまいます。

その後諸々のいきさつがあり、Zさんは当該弁護士を辞め、他の弁護士を探することにします。

★法律相談

Zさんにこれまでの裁判資料を見せてもらったところ、相手方から出されている事故態様の主張に対して、真っ向から反論している様子が窺われました。

しかしながら、ドライブレコーダーがあるケースというのは、ドライブレコーダーを見て事故態様が判断できますので、事故態様の争いで裁判が長期化するということは生じづらくなります。

どうやら当初存在していたドライブレコーダーの映像を、相手方の保険会社がデータ消去したようで、現在は誰も所持していないとのことでした。

事故態様を争うことは既に十分にされていましたので、ドライブレコーダーの証拠隠滅の悪質さを追及していく方針を加えることにしました。

また、当初の裁判では、慰謝料額が機械的に計算されていましたが、Zさんのケースだと、証拠隠滅の事情があることに加え、退院後もギプス固定を続けながら自宅療養をしていたこと、加害者側から一切の謝罪がないこと、当初は事故の責任を認めていたにもかかわらず裁判となり責任否定に転じていて、かつ、その供述の変遷が不合理であること、手術を長期間にわたって繰り返していることなどの慰謝料増額事由が複数見つかったことから、請求額を拡張して裁判に臨むことにしました。

相談後

民事裁判(福岡地方裁判所小倉支部)

これまで主だって取り上げられていなかったドライブレコーダーのデータ消去の悪質性について、東京地裁の裁判例を挙げながら追及をしました。

また、当初機械的に算定されていた慰謝料について、増額のための請求拡張を行ったことから、被告側も焦りを見せ始め、これまで行われていなったカルテ分析などを始めました。

そうしたところ、これまで15回程度の書面のラリーが続いていて長期化していた裁判でしたが、当職が関与後は4度の書面のラリーによって裁判所から和解案が出されることになりました。

裁判所和解案では、ドライブレコーダーのデータ消去の悪質性についても触れられていて、被告主張の事故態様は採用しないことや、慰謝料増額を認めることなどが盛り込まれました。

結果、約3700万円での和解が成立し、事件解決となりました。

小杉 晴洋弁護士からのコメント

小杉 晴洋弁護士

【解決事例のポイント】
① ドライブレコーダーのデータを破棄し、実際とは異なる事故態様を主張してきた相手方の主張を排斥し、過失割合で勝訴
② ドライブレコーダーのデータ破棄を、証拠隠滅であると指摘して、慰謝料増額
③ 退院後の自宅療養期間も慰謝料算定上は入院期間としてみるべきことなど証拠隠滅以外の事由でも慰謝料増額
④ 実年収を大きく超える年収664万円の基礎収入額認定

【コメント】
相手方の主張に素直に応じる必要はない+慰謝料は機械的に算定するべきものではない

この裁判が長期化していた理由は、相手方の主張に素直に応じたためといえます。
しかしながら、相手方の主張に素直に応じる義務はありません。
このケースでいうと、相手方がどのような主張を行おうが、ドライブレコーダーの証拠隠滅をした時点で、語る資格がないのであって、ドライブレコーダーの提出をしなかったことが不利に働いた東京地方裁判所の裁判例を提出することで一気に話が進みました。
また、慰謝料というのは精神的苦痛を金銭評価するという、とても難しい作業を伴うものです。
入通院期間や後遺障害等級から機械的に判断だけであれば、小学生でも計算することができてしまいます。
特に慰謝料増額事由がなく、機械的な慰謝料算定になじむケースもありますが、本件は、慰謝料増額事由が複数存在するケースでしたので、それらを漏れなく主張立証していくことが重要となってきます。
機械的な慰謝料算定は弁護士であれば誰でもできますが、慰謝料増額の主張立証については、被害者側専門の弁護士でなければ難しい作業となります。
当事務所の弁護士は、諸外国の慰謝料算定基準の研究や日本の裁判例の慰謝料算定の分析など、慰謝料請求に精通しています。
慰謝料額について気になっておられる方は、無料相談を実施しておりますので、お気軽にご相談ください。

交通事故の解決事例 6

【左母子MP関節(中手指節関節)尺側側副靭帯損傷】<後遺障害等級10級を獲得(約3500万円で示談解決)>追突事故の際、ハンドルを強く握ったことにより親指を負傷したケース

  • 後遺障害等級認定
  • 慰謝料・損害賠償
  • 人身事故
依頼主 40代 男性

相談前

Aさんは、赤信号停止中、後方から進行してきた車に追突されてしまい、むち打ちとなってしまいます。

Aさんは、仕事が忙しく、保険会社の担当者との対応が億劫であったことから、弁護士費用特約に入っていたこともあり、弁護士に交通事故の処理をお願いすることにしました。

法律相談

赤信号停止中の追突むち打ち事案というのは、交通事故の中で最も多い事故類型です。

リハビリは整形外科に週2~3回通った方が慰謝料算定上も後遺障害等級認定上も有利となることなど追突むち打ち事案の一般的な説明をし、また、6か月程度治療をしても首の痛みがとれなければ、後遺障害等級の申請を行うこと、後遺障害の申請を行ってから結果が出るまで2~3か月かかること、その後示談交渉を行い期間としては1か月程度かかること、裁判となる可能性は低いケースだが仮に裁判となった場合には追加で1年程度かかることなどを説明しました。

また、むち打ちで後遺障害等級を取るためのポイントや、後遺障害等級が取れなかった場合は100万円程度の賠償額が見込まれること、むち打ちで後遺障害等級が取れた場合は500万円程度の賠償額が見込まれることについてホワイトボードを使って説明をしました。

以上のようなむち打ちの一般的処理で解決できる事案とも評価できたのですが、Aさんの様子を見ていると、左の親指を強く痛がっている様子が窺われました。

追突の際にハンドルを強く握ってしまったことにより痛めたとのことですが、診断名は打撲であり、打撲というは時の経過によって完治するものですので、後遺症にはならないであろうと思っていましたが、念のため、今後も症状の経過を報告するようAさんにお願いをしておきました。

相談後

★親指の痛みがひかないため医師面談を実施することに

受任した後もAさんの親指の痛みはひかず、完治に向かいませんでした。

これは打撲ではないのではないかとの疑念が生まれます。

そこで、主治医の先生の元へ行き、医師面談を実施することにしました。

お忙しい先生でしたので、約束の時間から3時間ほど待たされましたが、その間、Aさんが車好きであることなど雑談をして待っていました。

ようやく先生の時間が取れ、医師面談が実施できました。

打撲診断の根拠ついて尋ねたところ、レントゲン撮影で特に異常がなかったので打撲診断としたとのことでした。

Aさんの親指の痛みがひかないため、靭帯損傷が考えられるので、MRI撮影をお願いしたところ、先生からは快諾いただきくことができました。

左母子MP関節(中手指節関節)尺側側副靭帯損傷の判明

そうしたところ、Aさんの親指はMP関節(中手指節関節=指の付け根の関節)の尺側(内側=人差し指に近い方)の靭帯が損傷していることが判明しました。

また、これによる親指の動きづらさも生じているとのことでした。

この靭帯損傷の判明ため治療期間が延び、交通事故から10か月経って症状固定となりましたが、上記の内容を後遺障害診断書に盛り込んでもらうことにしました。

そうしたところ、「1手の母指の用を廃したもの」として後遺障害等級10級の認定がなされることになりました。


★示談交渉(約3500万円獲得)

Aさんは会社役員で高給取りであったことから、逸失利益の計算だけで3000万円程度の高額賠償になります。

保険会社というのは営利企業ですから、なるべく支払う賠償金は低く抑えたいわけですが、会社役員の場合は逸失利益は認められないという主張を行ってきました。

会社役員というのは、仮に交通事故に遭って入院していたとしても、労働者ではないので、会社のオーナー的ポジションとして変わらず給料が支払われることがあります。

そう考えると、保険会社の反論も一理あることになります。

しかしながら、Aさんは、役員でありながら、お客さん対応や、新規顧客の獲得に努めていて、Aさんの報酬は労働の対価として得ているものと評価することが可能な状況にありました。

そこで、Aさんの協力を得て、Aさんの業務内容を説明し、Aさんの給与の実態は利益配当ではなく、労働の対価であることを立証しました。

そうしたところ、無事保険会社の決裁が降り、約3500万円での示談解決に至りました。

複数の弁護士費用特約利用で依頼者の弁護士費用負担なし

保険商品にもよりますが、ほとんどの弁護士費用特約は上限300万円と設定されています。

Aさんのケースでは獲得した賠償額が約3500万円になっていますので、弁護士費用は着手金・報酬金込みで上限の300万円を超えてしまいます。

300万円を超えた分というのは、獲得した賠償額から精算しますので、Aさんに弁護士費用の手出しが生じることはないのですが、医師面談を待つ際にAさんが車好きという話をされていたので、他にお持ちの車でも弁護士費用特約に加入しているかどうかを調べてもらうことにしました。

そうしたところ、他の車でも弁護士費用特約に入っていることが判明し、また、その車での交通事故でなかったとしても弁護士費用特約が使えるとのことでした。

そこで、2つの弁護士費用特約を使うことにし、Aさんの負担を完全に無しにすることができ、獲得した賠償金額の約3500万円を全額Aさんにお返しすることができました。

小杉 晴洋弁護士からのコメント

小杉 晴洋弁護士

【解決事例のポイント】
① 指の痛みについて医師面談を実施し、靭帯損傷の診断を新たに得たこと(追突事故で後遺障害等級10級獲得)
② 会社役員であったが実働状況を示し、逸失利益を認めさせたこと
③ 複数の弁護士費用特約を使い、被害者本人の弁護士費用負担を完全0円としたこと

【コメント】
精密検査により医師の診断が変わることがある

このケースは、一見すると、よくある追突によるむち打ち事故と思いがちです。

主治医の先生も、そのように判断していたように思います。

しかしながら、追突の際にハンドルを強く握りしめてしまい左手の親指を痛めてしまったという特殊事情がありますから、その点について医学的な原因を解明する必要があります。

単純な追突むち打ち事案であるからということで、被害者の症状を無視してはいけません。

もちろん、医学的な原因解明に動いたとしても何らの所見が見つからないケースもありますが、AさんのようにMP関節(中手指節関節)尺側側副靭帯損傷といった靭帯損傷が判明することもあります。

賠償額の観点でも重要なことではありますが、お身体のことですので、気にある箇所はきちんと調べてもらうようにしましょう。

当事務所では、他にも弁護士の指摘によって靭帯損傷が判明したケースが複数あります。

交通事故の解決事例 7

【死亡事故】<1億4000万円(死亡慰謝料3100万円・逸失利益1億円以上)>加害者側の示談提示0円からの獲得。刑事裁判に被害者参加し民事の過失割合0:100に。

  • 慰謝料・損害賠償
  • 人身事故
依頼主 40代 女性

相談前

Cさんは、同僚らと共に道路を横断していたところで、四輪車にはねられてしまいました。

四輪車の運転手の人が保険に入っていなかったことから、Cさんの奥様はどうしたらいいのか分からず、弁護士を探すことにしました。

★法律相談(加害者側無保険の場合の対応の仕方・人身傷害保険金請求)

加害者の方が保険に入っていなかったということなので、その場合の対処法について説明しました。

加害者無保険のケースで、もっとも効果的な被害者側の手段というのは、人身傷害保険金請求(無保険車傷害特約)の利用です。

これは、加害者無保険のケースで、被害者の方に後遺障害等級の認定がなされた場合や、被害者の方が死亡してしまった場合に、被害者の方が付けている保険会社に対して、加害者の方が対人保険に入っていたのと同様の無制限の保険金請求をすることができるという内容のものです。

今回Cさんは歩行中の事故でしたが、車に乗っていなかったとしても、人身傷害保険が使えることはあります。

Cさんの奥様に、法律相談前に保険証券を持参するようお願いしておりましたので、法律相談の際に保険の対象となるかどうか確認してみたところ、対象となることが判明しましたので、人身傷害保険金の請求をしていくという方針で進むことにしました。

これで、治療費や休業損害が支払われますので、Cさんの奥様が治療費を立て替える必要もなくなりますし、Cさんが入院生活のためにお給料が入らなくなることに対しても休業損害で補填されることになります。

★Cさんの死亡後の法律相談

Cさんは、入院生活を続けていましたが、交通事故から半年程度経ったところで、お亡くなりになられてしまいました。

Cさんの奥様は、会話もうまくできないほどに落ち込んでしまい、無気力の状態が続きましたが、コミュニケーションを取り続けたことによって、なんとか会話ができるようにはなりました。

捜査担当検察官と話したところ、起訴予定だということだったので、刑事裁判に参加するかどうかCさんの奥様と協議しましたが、どのような交通事故で夫を亡くすることになったのか真相を知りたいとのことでしたので、佐賀地方裁判所の刑事裁判に被害者参加するという方針を採ることにしました。


相談後

1 刑事裁判被害者参加前の準備
担当検察官から起訴状や証拠の開示を受け、被告人質問や論告意見作成の準備に取り掛かります。
また、Cさんの奥様には、心情意見陳述をしてもらい、Cさんと出会った頃の写真であったり、Cさんとの思い出の品を事務所にお持ちいただき、出会いから結婚、出産などCさんが交通事故に遭われるまでのエピソード等についてお伺いし、心情意見陳述を完成させました。
2 刑事裁判
(1)被告人質問
Cさんの奥様は事故の真相を知りたいとおっしゃっられていたので、事故の真相究明に力を注ぎました。
担当検察官は自由にやらせてくれる人だったので、こちらで主導的に被告人質問を行いました。
被告人にとって前方の視界は良い事故現場でしたので、なぜ事故を起こすことになってしまったのかを丁寧に質問していったところ、事故の前は、エアコンパネルの操作をしていて、前方を見ていなかったということが判明します。
(2)心情意見陳述
事前に打ち合わせた内容の心情意見陳述書を奥様に法廷で読み上げてもらいました。
Cさんがお亡くなりになられた後は、会話ができるような状態ではなかった奥様ですが、法廷では証言台の前に立って、しっかりと意見陳述をしてくださいました。
(3)論告意見
被告人が前方を見ずに走行していた距離などを丁寧に説明し、被告人の過失の重大さや、被害者であるCさんに落ち度がなかったことを中心に意見陳述を行いました。
(4)判決
以上の被告人質問や論告意見を踏まえ、被害者側に落ち度がなかったことや、被告人に脇見があったことを認定してもらうことができ、検察官の求刑どおりの判決が下されました。
また、心情意見陳述の内容を踏まえ、遺族の悲しみや苦悩は想像を絶するとの認定を受けることができました。
3 示談交渉
刑事裁判の被害者参加が無事終わったことから、刑事裁判の判決内容や証拠に基づいて、示談交渉を開始しました。
なお、人身傷害保険金請求の場合、慰謝料や休業損害が定額となってしまうのが原則なのですが、今回のケースでは、加害者側が無保険ですので、無保険車傷害特約により、対人賠償と同様の水準で示談交渉を行うことができます。
(1)死亡慰謝料(裁判基準上限を超える3100万円)
示談交渉の場合、裁判をしているわけではないので、保険会社の担当者から裁判基準の慰謝料額の7割や8割など言われることが多いですが、裁判基準上限額と同様の2800万円を認めてもらうことができました。
これに加えて、Cさんが家族のために懸命に生きようとして、約半年間闘病生活を続けたことを考慮させて300万円の上乗せに成功し、死亡慰謝料額としては裁判基準を超える3100万円の獲得に成功しました。
(2)死亡逸失利益(約1億円)
これも裁判基準満額の約1億円の獲得に成功しました。
(3)入院中の付添費用や休業損害などその他(900万円程度)
Cさんが入院生活をしていた時の休業損害やご家族の付添費用も獲得することに成功しました。
(4)Cさんの過失なし
別冊判例タイムズ38号【41】図によると、夜間、歩車道の区別のある道路を通行する歩行者を四輪車がはねてしまった場合、歩行者25:四輪車75の過失割合になると定められていますが、本件事故現場が住宅街であったこと、Cさんが同僚らと共に集団通行していたことを立証し、また、刑事裁判の被告人質問で明らかにした加害者の脇見運転の事実を説明し、人身傷害保険の担当者を説得した結果、過失割合はCさん0:加害者100での示談成立ということになりました。
(5)1億4000万円で示談成立

小杉 晴洋弁護士からのコメント

小杉 晴洋弁護士

【解決事例のポイント】
① 加害者側の示談提示0円⇒弁護士の交渉で1億4000万円の示談解決
② 刑事裁判に参加し、加害者の脇見運転を認定させ、民事の過失割合0:100に
③ 遺族の悲しみ苦悩を刑事裁判で認定させ、民事で死亡慰謝料裁判基準以上の金額を獲得
④ 加害者無保険のため保険金請求を駆使
⑤ 刑事裁判の被害者参加で求刑どおりの判決獲得
⑥ 被害者死亡前の慰謝料や休業損害なども獲得

【コメント】
死亡事故の民事の損害賠償額は刑事裁判の被害者参加によって変わります

刑事裁判に被害者参加しましたが、被告人質問・心情意見陳述・論告意見陳述ともに上手くいったケースと言えます。

過失割合については、別冊判例タイムズ38号の考え方に従うと、歩行者25:四輪車75になるケースなのですが、被告人質問において加害者の脇見運転の事実が明らかになりましたので、それが奏功し、民事の示談交渉では過失割合0:100で解決することができました。

また、刑事裁判におけるご遺族の心情意見陳述が奏功し、交通事故で奪われてしまった幸せな家庭生活がどのようなものであったのか、Cさんが家族を残して死ぬことができず交通事故後も半年間の闘病生活を続けたことなどを立証することができ、死亡慰謝料額の上限が2800万円とされているのに対して、示談交渉によって3100万の慰謝料額を獲得することに成功しました。

そして、加害者側無保険のケースというのは自賠責保険金の3000万円しか得られないことが多いですが、本件のように、歩行者の被害事故であっても、使える保険というのはありますから、加害者側無保険で死亡事故に遭われてしまったご遺族の方は、まずは被害者側専門の弁護士に相談されることをおすすめします。

Cさんの奥様は、事故の真相を確かめたいという動機で、刑事裁判への被害者参加を決意されました。

結果、事故の真相が判明しましたので、Cさんの奥様からは感謝の言葉を頂きました。

弁護士の立場からすると、お亡くなりになられた方は、なぜ死亡するに至ってしまったのかの真相を解明するとともに、民事の損害賠償請求も意識しなければなりません。

刑事裁判への被害者参加も民事の示談交渉も、上手くいったケースだと思います。

交通事故の解決事例 8

【死亡事故】<約1億2000万円の賠償金獲得>遺族とともに刑事裁判で加害者の嘘を明らかにした成果(実際の年収の倍以上の認定・計7名の近親者慰謝料獲得・裁判基準以上の葬儀費用獲得など)

  • 慰謝料・損害賠償
  • 死亡事故
  • 人身事故
依頼主 30代 女性

相談前

Aさんは、10代の頃から付き合っていた彼女を一途に愛し、その後結婚をし、3人の子どもにも恵まれ、幸せな家庭を築いていました。
仕事も順調で、父の元で働き、将来は仲の良い兄と二人で事業を引き継ぐ予定でした。

しかしながら、高速道路上で、ふらつきながら運転する車に衝突され、帰らぬ人となってしまいます。
加害者からはろくに謝罪の言葉もなく、Aさんのご家族は、悲しみに暮れ、どうした良いのか分からなかったことから、弁護士にお願いすることにしました。

ただ、依頼した弁護士からはほとんど連絡がなく、不安な日々は続くことになります。

また、加害者側が、自身が追突事故の被害者であると話していることが労災からの手紙で判明します。

これに激怒したAさんのお父様は、意を決して、他の弁護士にセカンドオピニオンをすることにしました。

★法律相談(刑事裁判への参加の提案・今後の流れの説明・死亡慰謝料などの損害賠償額の説明)

Aさんのご遺族が来所され、みなさんに法律相談を実施しました。

ご遺族のお話をうかがうと、悪質な加害者であることが分かりました。

まだ、起訴はされていないということでしたので、刑事裁判に参加することを提案しました。

また、今後の流れや慰謝料額などの損害賠償額についての説明を行いました。

Aさんのご遺族は、現在依頼している弁護士をやめ、小杉弁護士に依頼すると即決し、受任することになりました。

なお、Aさんのご遺族によれば、依頼している弁護士から刑事裁判についての説明はなく、遺族が参加できることを初めて聞いたとのことでした。

相談後

1 捜査段階
すぐに捜査担当警察官に連絡を取り、現在の捜査状況の進捗を確認しました。
送検後の捜査担当検察官とも密に連絡を取り、遺族聴取の前には、ご遺族に対して検察官と話す際の注意点をお伝え。
また、検察官が入手していなかった証拠(被疑者が自身が被害者であると装っていることを示す書面)を検察官に提供するなど捜査協力も行いました。
こうした遺族サイドの動きもあって、無事起訴されることになり刑事裁判が開かれることになりました。
2 刑事裁判
被告人は、事故自体は認めましたが、ふらつきながら運転をしていたことを否定しました。
情状証人として法廷に立った被告人の上司や妻も、被告人は危ない運転をするような人ではないと話すなど、被告人を擁護するような証言をします。
これに対して、こちら側としては、被告人の上司に対し、被告人が過去にも複数の道路交通法違反歴があったことを指摘し、会社としての監督機能が果たせていないことを追及しました。
また、被告人の妻に対しては、まったく遺族に対する謝罪がなかったのはなぜかについて追及をしました。
被告人質問では、ふらつき運転をしていない、ふらつき運転をしたかもしれないがそれは荷物が重かったからであるなどと不合理な供述をする被告人に対して、ドライブレコーダーの映像を元にした追及や、荷物の軽量からすると荷物がふらつく原因とはならないことを指摘するなどしました。
ご遺族の意見陳述では、これまで何度も打合せを行ってきた原稿内容を法廷で読んでいただきます。

心情意見陳述では、故人との出会い、故人の人柄・性格、故人が失われた後の遺族の生活、被告人の遺族に対する態度などについて話をしてもらい、傍聴席も含め、法廷全体が悲しみに包まれました。
その後、被害者代理人弁護士として論告意見を行い、被告人の供述の不合理な変遷、ふらつき運転の裏付け、被告人の再犯可能性の高さ、自身が被害者であることを装った悪質性、道路交通法違反についての指摘などを行いました。
結果、無事求刑どおりの判決を得ることができました。
3 民事裁判
無事刑事裁判の被害者参加を終え、次は、刑事裁判の証拠を用いて民事の損害賠償請求訴訟を提起します。
●慰謝料
刑事裁判において故人の無念さやご遺族の深い悲しみ・怒りは十分に立証していたので、刑事裁判の結果や証拠を踏まえて慰謝料の立証を行いました。
3000万円程度の高額な慰謝料が認められ、被害者本人の慰謝料とは別に、合計7名の近親者慰謝料も認められました。
●死亡逸失利益
被害者の生前の年収は、200万円強でしたが、刑事裁判において父の事業の承継を主張しておりましたので、民事裁判でもそれが認められ、倍額以上の基礎収入額が認定されました。
●葬儀費用
葬儀費用は上限150万円とされていますが、裁判所より上限を超える葬儀費用の和解案を獲得することができました。
●遺族の休業損害
ご遺族に損害賠償金が支払われるのは、被害者の方が交通事故で死亡してしまったことによる相続のためであり、ご遺族自身の損害として認められるのは近親者慰謝料のみということが多いです。
しかしながら、この裁判では、ご遺族の死亡事故後の休業について200万円の認定を得ることができました。
●被害者の過失なし
加害者側の保険会社より、被害者がシートベルトをしていなかったことの指摘がなされていましたが、刑事裁判・民事裁判を通じて戦ったことにより、シートベルト非装着の主張は退けられました。
●合計約1億2000万円の賠償金獲得

小杉 晴洋弁護士からのコメント

小杉 晴洋弁護士

【解決事例のポイント】
① 民事裁判で約1億2000万円の和解解決
② 合計7名のご遺族の近親者慰謝料獲得
③ 実際の年収の倍額以上の認定
④ 刑事裁判に参加し加害者の嘘を明らかにした
⑤ 他の弁護士に依頼していたが、信頼できなかったため弁護士を変更
⑥ 保険会社から過失割合を争われたが被害者に過失なしで解決
⑦ 裁判基準以上の葬儀費用獲得
⑧ 事故後仕事を休んだ家族の休業損害獲得

【コメント】
刑事裁判・民事裁判ともに非常にハードな訴訟でした。

ご遺族の感情の強いケースでしたが、加害者の言い分や態度が不合理な事案であったため、当然と言えます。

このケースでは、まず、民事のことには手を付けずに、刑事裁判の被害者参加に注力したのが成功だったと思います。

最愛のご家族を亡くしていますから、いくら賠償金をもらっても納得いくはずがなく、このケースで民事の損害賠償請求から手を付けるのは弁護士として愚手といえます。

刑事裁判では、捜査担当検察官、公判担当検察官及び検察事務官との連携が上手くいきました。

打合せ回数も多く重ね、頻繁に連絡を取っていたこともあり、信頼関係が築けたのだと思います。

被害者参加されたご遺族のほかにも、傍聴希望者の親族やご友人の多いケースだったのですが、検察庁及び裁判所にそれぞれご遺族サイドの待合室をつくってもらい、刑事裁判の前後にその待合室で打合せや振り返りを行うことができました。

また、検察事務官や裁判所書記官の配慮により、多くの傍聴席も事前に確保していただきました。

証人尋問、被告人質問、心情意見陳述、論告意見陳述もうまくいったケースと評価できます。

民事の損害賠償請求訴訟では、死亡慰謝料額、逸失利益の基礎収入額、葬儀費用、遺族の休業損害、過失割合など多くの争点が形成されましたが、どれも遺族サイドの主張を認めてもらえました。

これは、刑事裁判での活動が功を奏した結果といえます。

刑事裁判自体の重要性や、刑事裁判が民事裁判に与える影響の大きさについて実感する裁判となりました。

裁判が終わり、ご遺族のおうちにお線香をあげに伺いましたが、ご遺族の笑顔を見ることができました。

刑事裁判の前や最中では、ある時は呆然とし、ある時は怒りに満ち溢れ、ある時は悲しみに暮れるなど感情のコントロールがきかない状態になっていましたが、刑事裁判を共に乗り越え、民事裁判も無事に解決することができたので、少し精神を回復することができたように感じられました。もちろん最愛の被害者が亡くなってしまった悲しみが消えることはありませんが、多少の笑顔を取り戻すことができ、私としも少し嬉しい気持ちになりました。

交通事故の解決事例 9

【死亡事故】<損害賠償金約3000万円の判決獲得>保険会社から賠償金0円を提示されていたが、裁判で過失割合を逆転(独身男性慰謝料2700万・生活費控除率40%・実年収以上の収入認定)

  • 慰謝料・損害賠償
  • 人身事故
依頼主 50代 男性

相談前

Bさんは、独身の男性でしたが、彼女もおり、新聞配達の仕事をしながら幸せに暮らしていました。

交通事故歴もなく、真面目な青年です。
ある日、いつものように原動機付自転車に乗り、朝刊を配達していました。

しかしながら、Bさんが交差点を右折する際、対向から走ってきたバイクに衝突し、帰らぬ人となってしまいます。

事故の相手方の保険会社は、Bさんの過失が8割であるから、自賠責保険金以上に支払うものはないとして、一切の賠償に応じようとしませんでした。

Bさんのお父さんは、Bさんの過失が8割という点にどうしても納得がいきませんでした。

Bさんは臆病な性格で、交通事故を怖がっていましたし、日頃安全運転を心掛けていたことを誰よりも知っていたので、Bさんが大きな過失のある交通事故を起こすとは考えられなかったのです。

Bさんのお父さんは、交通事故の真相を確かめようと、弁護士に相談することにしました。

しかし、「別冊判例タイムズ38号という、裁判官も参照する過失割合についての本があり、そこには右折車の過失8割:直進車の過失2割と書いてある、息子さんの方が悪い事故だ」という回答しか得られません。

何軒法律事務所を回っても、どこも同じ回答でした。

★法律相談(別冊判例タイムズ38号の過失割合基準を画一的にあてはめるべきではない)

Bさんのお父さんが来所され、法律相談を実施しました。

お父さんに生前のBさんの話をうかがいましたが、弱者や動物に優しい、とても好青年であることが分かりました。

直進車と右折車の交通事故ですと、直進車が優先というのは他の弁護士が回答したとおりなのですが、この判例タイムズ38号という本には、「本書記載の基本の過失相殺率は,各基準表に記載した典型的な事案を前提としたものにすぎず,実際の事件においては,個々の事故態様に応じた柔軟な解決が望まれる。本書を利用する際には,各事故態様の個別性を踏まえ,基準化された基本の過失相殺率とその修正要素の背景にある考え方を適切に応用していくことが,民事交通事件の適切な解決に不可欠なものであり,過失相殺率の認定基準の画一的な運用は避けるべきである。」(東京地裁民事交通訴訟研究会編 別冊判例タイムズ38号「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」全訂5版はしがき引用)と記されていて、事故内容によっては、この本に定められた割合以外での過失割合が認められることを、この本自体が認めています。

そこで、過失割合を覆す具体的な根拠はなかったものの、依頼を受けることにし、Bさんのお父さんと共に戦うことにしました。

相談後

1 民事訴訟提起前の調査
(1)現場検証
受任後、すぐに交通事故現場に向かいました。
交通事故現場は、直線道路が長く続く幹線道路で、だいぶ先まで見える、見通しがとても良い道路でした。
大きな道路で、直線道路が長く続くことから、スピードを出しやすい道路となっていて、特に新聞配達の時間帯である深夜・早朝は、通行車両も少ないことから、飛ばしている車やバイクが見られました。
これだけ見通しの良い道路ですと、Bさんとしては直進してくるバイクの存在に気付いたはずで、臆病で慎重なBさんが、右折を強行するとは考えられませんでした。
と同時に、交通事故の現場を見ることで、直進車両の速度オーバーが事故の原因ではないかという仮説が生まれます。
(2)科学捜査研究所の見解
調査の結果、直進車の運転手は不起訴処分となっていました。
検察への連絡をする中で、当該死亡事故の捜査に、科学捜査研究所(通称「科捜研」)が関わっていたことが判明します。
科捜研の担当者の話を伺うと、この事故では、直進バイクが時速100㎞程度で走行していたとのこと。そこで、科捜研の見解を根拠に民事訴訟を提起しました。
2 民事裁判
(1)過失割合
ア 被告の主張
被告からは、被告に速度超過があったとしても、時速100㎞とする主張には根拠がなく、せいぜい時速10㎞超程度の速度オーバーであり、右折進行車である原告側に大きな過失がある事案であるとの主張がなされました。
被告の主張の裏付けとして鑑定意見書も提出され、物理の公式など専門的な説明がなされた上で、原告側に大きな過失のある事案であるとの結論が記されていました。
イ 科学捜査研究所からの意見取寄せ
被告側提出の鑑定意見書は難解なもので、素人には理解困難な内容となっていました。
そこで、提訴前に話をしていた科学捜査研究所の方にこの鑑定意見書を送ってみた所、当該鑑定意見書は内容が間違っている旨の報告書を作成して下さりました。
報告書によれば、直進車の速度は時速100㎞~115㎞であり、その時速を割り出した根拠を明確に示してくれています。
この科学捜査研究所の報告書を証拠として提出し、被告に反論しました。
ウ 判決
被告提出の鑑定意見書における速度の推計は相当でないから採用することができず、科学捜査研究所の報告書における速度の推計は、パラメータ(変数)に本件の各証拠から認められる数値を代入してされたものであり、相当であるとして、直進バイクの速度が時速100㎞~115㎞であったと推認され、制限速度である時速50㎞をはるかに超過していたとの認定がなされました。
結果、当初Bさんの過失8割と主張されていたものが、判決ではBさんの過失4割と認定され、直進バイクの方が悪いという認定を獲得することができました。
(2)死亡慰謝料
独身男性の死亡事故の場合、裁判基準の死亡慰謝料額は2000万円~2500万円とされていますが、Bさんのケースでは、この裁判基準を超える2700万円の精神的苦痛の慰謝料額が認められました。
(3)死亡逸失利益
Bさんは享年24歳の若年労働者であったことから、当時は所得が低かったとしても、本件死亡事故がなければ、賃金センサス男子学歴計全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が高いとの認定を得ることができ、基礎収入額は約523万円と認定されました。
また、同棲していた彼女からお話をお伺いし、彼女の陳述書を証拠として提出していたことから、これが採用され、独身男性の基準である生活費控除率50%ではなく、生活費控除率40%の認定を得ることに成功しました。

小杉 晴洋弁護士からのコメント

小杉 晴洋弁護士

【解決事例のポイント】
① 保険会社提示0円⇒約3000万円の判決
② 現地調査や科学捜査研究所との連携により加害者側提出の鑑定書を排斥し過失割合逆転(8割⇒4割)
③ 独身男性で死亡慰謝料2700万円
④ 独身男性で生活費控除率40%
⑤ 実際の収入より高い基礎収入額の認定
⑥ どの弁護士にも受任を断られ続けた事案
⑦ 画期的な判決であるとして判例雑誌掲載(自保ジャーナル1913号135頁)

【コメント】
裁判の結果、損害賠償金合計2797万7878円の判決を得ることができ(遅延損害金を含めると約3200万円以上)、自賠責保険金を含めると総額約6000万円での解決となりました。
このケースの判決は、画期的な裁判例であるとして、判例誌に掲載されています(自保ジャーナル1913号135頁)

裁判基準以上の慰謝料や逸失利益の獲得は、立証の技術もありますが、本件で最も大きかったのは過失割合の判断です。

この点については、科学捜査研究所の協力なしに勝ち取ることは困難でした。

その意味では、運も味方したといえる判決ではありますが、運を引き入れたのは、どんなに弁護士に断られようとも諦めようとしなかったBさんのお父さんの執念にあると思います。

死亡事故というのは、被害者本人の話を聴くことができなくなりますので、被害者のことをよく知るご遺族が、信じてあげるしかありません。

死亡事故は特に、人の命が奪われる重大事故ですので、最後まで戦い抜く覚悟と努力が必要です。

すべてのケースで立証が上手くとは限りませんが、あきらめずに戦い続ければ、本件のように、故人の無念が晴らせるようなケースもあります。

現地調査、警察への聞き込みなど、できることはすべてやることが大切です。

裁判が終わり、ご自宅にお線香をあげに伺いましたが、Bさんのお父さんは晴れ晴れとした表情をされていました。

交通事故の解決事例 10

【高次脳機能障害2級】<賠償金約2億5000万円獲得>医師の意見書が決め手に。

  • 後遺障害等級認定
  • 慰謝料・損害賠償
  • 人身事故
依頼主 30代 女性

相談前

Bさんは、元々は仕事をしておられましたが、出産を機に仕事を辞め、お子様二人を育てる専業主婦でした。
ご家族で幸せに暮らしていましたが、ある日、お子様をベビーカーに乗せて、歩行者信号青表示の横断歩道を渡っていたところ、前方を見ていなかったトラックにはねられてしまいます。
お子様をかばうようにしてはねられたため、お子様も傷を負ったものの後遺症が残るようなケガとはなりませんでしたが、Bさんは頭の一部を削られるほどの頭部外傷を追ってしまい、脳を損傷してしまいます。
生死を彷徨う状態が続き、なんとか一命をとりとめましたが、脳損傷のために感情のコントロールがきかなくなってしまい、ナースコールをむやみに連打するなどの行動に出てしまうようになりました。
旦那様は長期の休暇の休暇を取り、また、田舎で暮らしていたBさんのお父さん・お母さんも病院の近くのマンスリーマンションへ引っ越しをし、3人でBさんの介護を24時間体制で行いました。
入院治療や懸命な近親者付添いの甲斐もあり、Bさんは徐々に回復していきます。
いつまでも入院するわけにもいかないので、Bさん夫妻の実家の近くの病院に入院することにしました。
これは、退院後に、Bさんのお子さんの面倒をBさんの旦那さんのお父さんお母さんが手伝い、Bさんの介護をBさんのお父さんお母さんが行うという体制で乗り切るためです。
ただ、Bさんのお父さんお母さんも高齢ですから、いつまでもBさんの面倒がみれるわけではありません。
そこで、Bさんのお父さんお母さんやBさんの旦那さんが、将来を不安に思い、弁護士のもとへ法律相談に行くことになりました。

★法律相談
Bさんのご家族が来所され、法律相談を実施しました。
今後の流れがどのようにして進むのか、また、賠償額はどうなる見込みかについて説明をしました。
1 今後の流れについて
(1)後遺障害等級の申請
そろそろ症状固定となり、退院予定であることを伺いましたので、まず後遺障害等級の申請を行います。
後遺障害等級の申請には、主治医の先生に後遺障害診断書を書いてもらわなければなりませんが、高次脳機能障害の場合は、この他にも複数の書面を書いてもらなければなりません。
基本はこちらで準備するので良いのですが、『日常生活状況報告』のみは、ご家族にご記入いただく必要があります。
ヒアリングを行い、事故前のBさんの状況や現在のBさんの状況に照らすとどのように記載するべきかについてお話させていただきました。
(2)損害保険料率算出機構による調査
通常3か月程度で結果が出ますが、高次脳機能障害の場合は、高次脳機能障害調査のための特定部会に回されますので、審査期間が長くなることがあります。
(3)示談交渉
後遺障害等級の結果が出た後は、その結果に基づいて示談交渉を行います。
Bさんのケースだと、賠償額が1億円を超えることが予想されたため、1か月以上の交渉期間を要する可能性が高い旨をお伝えしました。
(4)民事裁判
賠償額が1億円を超えるようなケースですと、ほとんどの場合、折り合いがつかずに裁判となります。

2 Bさんの件で請求することが考えられる損害について
下記の損害内容についてそれぞれ説明を行いました。
(1)治療費・症状固定後の治療費・将来治療費
(2)入通院付添費・将来介護費用
(3)入院雑費・将来雑費
(4)装具・器具等購入費
(5)家屋改造費・自動車購入費
(6)休業損害
(7)逸失利益
(8)慰謝料

相談後

1 後遺障害等級申請
医師の協力の元、後遺障害等級の申請に必要な書類を揃え、また、Bさんのお母さんに「日常生活状況報告」を記してもらい、後遺障害等級の申請を行なった所、見立てどおり、後遺障害等級別表一第2級1号が認定されました。

2 示談交渉
3億円程度の損害賠償請求を行いましたが、保険会社から示されたのは1億円強の示談案。裁判をすることにしました。

3 民事裁判(福岡地方裁判所)
(1)Bさんが懸命にリハビリをしていたことが逆手にとられる
裁判は、病院や介護施設の記録をすべて取り寄せて行うことになるのですが、そこには交通事故の後、生死を彷徨うような状況であったBさんが、徐々に回復をしていき、その後も懸命なリハビリのもと、家で父母と共に生活できる程度まで回復していった経緯が記されています。
この点を逆手に取られ、保険会社側の弁護士からは、自賠責保険は後遺障害等級2級の認定をしているが、実際の高次脳機能障害等級は5級程度であるとの反論がなされることになり、裁判官もある程度、保険会社側の弁護士の見解を取り入れ、1億円強の和解案を提示してきました。

(2)介護状況の調査
Bさんの家を訪れ、写真や動画にて、Bさんの介護の大変さを撮影することにしました。
また、介護ベッド、車いす、杖、リハビリ用シューズなどの装具・器具が具体的にどのようなもので、どのような使用方法をしているのかについても調査をしました。
加えて、家屋改造の具体的内容や自動車購入の必要性についても調査をしました。

(3)主治医の意見書作成
裁判所和解案が、こちら側の請求額の半分にも満たなかったため、裁判所の考え方が医学的に誤っていることを伝えるべく、各争点について主治医の先生の見解を伺うことにしました。
 ①近親者の付添いの必要性について
和解案では、完全看護体制の病院であったため、近親者による入院付添いの必要性が否定されていましたが、近親者の付添いは必須であったとの回答を得ることができました。
また、付添人数は1名では困難であることの説明を受けることもできました。
② 後遺障害等級5級が妥当か2級が妥当かについて
Bさんが外出する際の車いすの必要性や、家での杖の必要性など歩行についての医学的意見を伺い、また、判断力・持続力については、右半球障害による注意抑制障害があり、自身をコントロールできない状態になっているとの意見を伺いました。
その他、画像所見、脳波所見、神経心理学的検査、前頭葉機能、情報処理機能、運動機能、身の回りの動作機能、てんかん発作、認知・情緒・行動障害、社会生活・日常生活に与える影響、将来仕事や家事に復帰する可能性などについて意見を伺いました。
③ 今後のリハビリや治療について
将来治療費の必要性・相当性についての主治医としての見解を伺いました。
④ 将来の介護について
ずっと父母が介護するわけにはいかないため、将来職業付添人への介護依頼が必須になるとの意見を伺いました。
⑤ 装具・器具購入費について
手すり、入浴用品、杖、下肢装具、車いす、介護用ベッドなどの装具・器具の必要性について医学的観点から説明を頂きました。

(4)裁判所和解案が誤りであることの指摘
介護状況の調査内容や主治医意見書を元に、Bさんの後遺障害等級を5級相当とする裁判所和解案は誤りであり、将来介護費などを否定する和解案の計算内容も誤りであると指摘しました。

(5)再和解案
以上の介護状況報告や主治医の意見書の立証が奏功し、裁判所和解案の内容が改められ、2億5000万で和解成立となりました。

小杉 晴洋弁護士からのコメント

小杉 晴洋弁護士

【解決事例のポイント】
① 医師の意見書で損害を裏付け約2億5000万円の和解
② 現地調査により介護状況や家屋改造の必要性を証明
③ ご家族の苦労などを陳述書で立証し近親者慰謝料5名分、計1250万円獲得
④ 一度後遺障害等級5級程度とされた裁判所の判断を覆し、後遺障害等級2級での和解解決

【コメント】
このケースはご家族や病院の協力も得られた事案でしたので、申請用の書類もスムーズに整い、見立て通りに後遺障害等級2級を獲得することができました。

ただし、裁判所が予想に反し、自賠責保険の等級判断である2級ではなく、被告の弁護士主張の5級の和解案を提示してきたので驚きました。

交通事故訴訟の場合、裁判所というのは、十分な反証のない限りは自賠責保険認定の後遺障害等級を前提として話を勧めることになっていて、被告からは特段、重要な証拠がなされていなかったケースでしたので、裁判所和解案は証拠をよく読んでいない不当なものだと思っています。

ただし、担当裁判官はその人で、彼には判決を出す権限がありますから、なんとか裁判官の納得する証拠を作らなくてはなりません。

そこで、ご自宅にお邪魔して介護状況や介護用品の撮影を行わせていただき、また、主治医の先生と協力して詳細な医学的意見書を作成しました。

無事、約2億5000万円というBさんの実情の大変さに見合う賠償額を獲得することができましたが、これらの動きを取らなければ、賠償額は半分程度になっていました。

足を使って、裁判官の納得する証拠をそろえることが重要であると感じさせる事件でした。

交通事故の解決事例 11

【脛骨高原骨折・膝内側側副靭帯損傷・鼻部挫傷】<示談提示額60万円⇒裁判で約1350万円獲得><後遺障害等級併合11級獲得>症状固定時に膝可動域制限→治療期間中膝が動いていた被害者。

  • 慰謝料・損害賠償
  • 人身事故
依頼主 20代 女性

相談前

Bさんは20代大学生の女性で、アルバイトをしながら学生生活を送っていました。
帰宅途中、道路を横断する際に、四輪車にはねられてしまい、左脛骨高原骨折、左膝内側側副靭帯損傷、鼻部挫傷といった傷害を負ってしまいます。
計3か月程度の入院をし、その間、懸命にリハビリに励み、一時期はまったく動かなくなっていた膝が動くようになっていました。
退院後もリハビリ通院を続けましたが、左膝の可動域はフルには動かなくなり、右膝と比べ、3/5程度しか動かなくなってしまいます。
Bさんは、膝の痛みや動きづらさ、そして、鼻の傷について気になっていて、後遺障害等級の申請は弁護士に任せた方が良いのではないかとネットで調べて思うようになり、弁護士に相談することにしました。

★法律相談
Bさんのご家族が来所され、法律相談を実施しました。
Bさんからこれまでのご事情をお伺いした後、今後の流れや損害賠償額の見込みについて説明をします。
Bさんは近く症状固定を控えていて、これから後遺障害診断書を書いてもらうということでしたので、後遺障害診断書のポイントについても説明をしました。
Bさんのケースの後遺障害診断書のポイントは下記の3点です。

① 後遺障害診断書の自覚症状欄の症状の記載方法:神経症状は端的に記す
後遺障害診断書の自覚症状欄は、症状が残存している部位と、その症状(痛み・痺れなど)を端的に書いてもらうことが重要です。
自身の大変さを分かってもらおうと、自覚症状について多くの記載を求める人がいますが、それが後遺障害等級を取る上で加点として評価されることはほとんどなく、むしろ揚げ足取りの材料として使われしまうことがあります。
例えば、「●●をするときに膝が痛むため●●ができなくなった」など、自身ができなくなってしまったことを伝えようとする場合、自賠責保険というのは、「●●ができなくなって可哀想に」とは思ってくれず、逆に、このような記載ですと、「●●をするとき以外は膝は痛くないのですね」と判断してきます。
脛骨高原骨折の場合は、後遺障害等級が獲得できることがほとんどで、局部の神経症状の上位等級である12級13号が獲得できるケースも多いですが、変なところで揚げ足を取られないようBさんに注意をしました。

② 他覚症状および検査結果の欄の記載方法:症状の裏付けとなる所見を記してもらう
他覚症状および検査結果の欄には、症状の裏付けとなる所見を記載してもらうことが重要です。
後遺症が残ってしまったことを伝えるのが後遺障害診断書ですから、後遺症の医学的な裏付けを書いてもらうのです。
症状の裏付けと関係のない所見や「所見なし」という所見は記載の必要がありません。
明確な医学的な裏付けがなくても認定される後遺障害等級というのは14級9号のみで、より上位の後遺障害等級が考えられるケースでは、この欄の記載が重要になってきます。
Bさんは、脛骨高原骨折の傷害を負っていて、膝可動域制限も残していましたので、骨癒合の状況や膝関節の拘縮などの医学的原因を記載してもらうことが重要となってきます。

③ 醜状欄の記載を忘れない
後遺障害診断書を書くのは整形外科医の主治医ということが多く、形成外科にも通っていたようなケースでない限り、顔にキズが残ってしまったことなども整形外科に記載してもらわないといけません。
醜状欄にキズが残ってしまったことの記載をしないと、そもそも醜状障害の後遺障害等級の該当性を判断すらしてくれないのです。
Bさんには鼻に薄く傷が残っていましたから、醜状欄への記載をしてもらうようお伝えしました。

相談後

第1 後遺障害等級の認定
1 後遺障害診断書の作成
法律相談時にお伝えした方針で病院宛にお手紙を作成し、Bさんにお渡し、要望どおりの後遺障害診断書となりました。

2 醜状面談への弁護士の同行
始点と終点をキズの濃い部分のみで測ろうとしていたので、誤りを指摘。無事、Bさんが事故によって生じた傷の部分を適正に測定してもらえました。

3 後遺障害等級併合11級の認定
以上の活動が奏功し、左膝機能障害12級7号と外貌醜状障害12級14号が認定され、後遺障害等級併合11級であるとの認定を受けることができました(自賠責保険金331万円)。

第2 示談交渉の決裂
保険会社側の弁護士は、左膝の機能障害の自賠責保険の認定は誤りであり、後遺症であるとの主張は認めないと主張をし、逸失利益は払わないと言ってきました(示談金の提案60万円)。

第3 民事裁判
1 被告の主張
被告は、Bさんの膝は入院中は動いていたのであって、詐病による後遺症であると主張してきました。

また、保険会社というのは、お抱えの顧問医がいますので、Bさんの膝の可動域制限は詐病である旨の意見書を提出してきました。

2 原告の反論
(1)主治医に対する医師面談と意見書の作成
保険会社側の顧問医の作成した意見書の妥当性について事前に調べた上で、主治医の見解を聞きに行きました。
保険会社の顧問医というのは、中には適切な医学的意見を書かれる方もいらっしゃいますが、多くの場合、保険会社に忖度した意見しか書きませんので、その内容や医学的な裏付けが不十分であることが多いです。
Bさんの骨折の程度が軽いであるとか、不自然な可動域の推移であるなどの意見が述べられていましたが、骨折の程度が重いこと、膝可動域の推移は医学的に見て不自然ではないことなどを主治医の先生に説明してもらいました。
お伺いした内容をこちらで整理して、原告側も医学的意見書を提出することにしました。

(2)医学文献からの反論
保険会社側提出の意見書には、脛骨高原骨折のことのみが記されていて、左膝内側側副靭帯損傷のことについては一切触れられていませんでした。
そこで、脛骨高原骨折に靭帯損傷を合併していた症例では、可動域制限を残す傾向が見られるという医学文献を提出し、保険会社側の意見書が不当であることを主張しました。

3 尋問
主尋問では、Bさんの膝可動域の推移が不自然ではないことを裏付けるため供述をしてもらいました。
ところが、反対尋問で、BさんのSNSの写真や動画が提出されることになりました。
Bさんが旅行などをして楽しんでいる写真が提出され、後遺症は残っていないのではないかとの主張がなされることになりました。
また、尋問の日にBさんは、保険会社が雇った探偵をつけられていて、保険会社側の弁護士は、その探偵資料をもとに、Bさんは普通に歩けているし後遺症は残っていないのではないかとの主張が出されました。

4 主治医意見書によるフォロー
SNSでの旅行写真や探偵資料に対して、念のため、主治医の先生に医学的な見地からのアドバイスをもらいにいきました。
左膝機能障害12級7号というのは、右膝に比べて3/4以下の可動域制限が生じてしまったという後遺症ですから、問題なく歩行はできますし、旅行に行くことも差し支えない旨の意見をもらうことができ、それを意見書として証拠提出しました。

5 判決
左膝の機能障害についての後遺障害等級を認めてくれ、勝訴判決となり、遅延損害金を含めて約1350万円(自賠責保険金331万円除く。)での解決となりました。

小杉 晴洋弁護士からのコメント

小杉 晴洋弁護士

【解決事例のポイント】
① 保険会社の示談提示額60万円⇒裁判で約1350万円獲得
② 入院中は膝が動いていた被害者について、医師の意見書により膝の可動域制限の後遺障害等級獲得
③ 弁護士が醜状面談に同行することにより微妙な鼻部挫傷について後遺障害等級獲得
④ 判例誌掲載判決(自保ジャーナル2062号45頁:福岡高等裁判所令和元年11月19日判決・福岡地方裁判所令和元年6月19日判決)
⑤ SNS投稿や探偵に注意

【コメント】
1 保険会社の回答が渋い場合は裁判するべき(保険会社提示額の60万円から22.5倍の約1350万円で解決)

裁判をすることに抵抗のある方もいらっしゃると思いますが、本件のように60万円だった提示額が22.5倍の約1350万円まで増えるようなケースもあります。

裁判するかどうかの見極めは、被害者側専門の弁護士と相談の上、決定するのが良いと思います。

本件も、Bさんははじめ裁判に乗り気ではありませんでしたが、無事解決することができ、最後に喜んでおられました。

2 SNS投稿に注意

このケースは保険会社が徹底抗戦の姿勢を示していましたので、BさんのSNS(facebook・twitter・instagramなど)をすべてチェックされていました。

ですので、交通事故被害者の方は、保険会社の担当者や弁護士が、SNSを見ている可能性があるということは頭に置いておいてほしいと思います。

3 探偵を付けられることがあります

これは多くはありませんが、本件のように、保険会社が徹底抗戦の姿勢を示しているケースでは、探偵を付けてくることがあります。

Bさんのケースでは探偵を付けられたがために、こちら側の主張が崩されるということはありませんでしたが、友人とも付き合いのために、後遺症を負っているけれども無理な運動をしたというようなことがあると、その瞬間を撮られてしまい、後遺症がないという証拠として使われてしまうことがあります。

探偵はプロですから、気付くのは難しいと思いますが、後遺症の残っている方は、お身体のこともありますし、無理な行動はしないようにしてください。

交通事故の解決事例 12

【眼窩底骨折・上顎骨骨折等】<損害賠償総額約3000万円獲得>側面複視と顔面線状痕により併合11級を獲得し、裁判により逸失利益満額を獲得した事例

  • 慰謝料・損害賠償
  • 人身事故
依頼主 20代 女性

相談前

Mさんは、事故後時、専門学校の学生でしたが、自転車に乗っていた時に四輪車にはねられてしまいい、眼窩底骨折や上顎骨骨折をしてしまいます。

保険会社からは、自転車と四輪車の動いている者同士の事故だと、過失割合は自転車35:四輪車65になると説明を受けましたが、それが納得いかず、弁護士に相談することにしました。

★法律相談

Mさんは熊本にお住まいだったため、電話相談という形で法律相談を行いました。

Mさんからご事情をお伺いすると、Mさんは左右確認のために、自転車を運転して道路横断しようとしたところをはねられたのではなく、片足で地面を蹴ってゆっくりと進み、左右確認の後に進もうとしたところ、突然出てきた車にはねられてしまったとのことでした。

過失割合については、別冊判例タイムズ38号「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(全訂5版)に記されている338個の図の中から過失割合が決められることが多いです。

この本を見ると、確かに、形式的には、保険会社が言うとおり、自転車35:四輪車65の過失割合となりそうです。

しかしながら、同書には多くの例外も定められていて、その383頁を見ると、「低速の自転車(普通人の小走り程度以下の速度。おおむね時速10㎞以下である場合。)に対する関係での四輪車・単車の注意義務の程度としては,小走りの普通人に対する注意義務の程度とほぼ同視し得るし,自転車が低速で走行している場合,事故発生の危険性が小走りの普通人に比較して高まるとは一概にいえないこと,実務上,低速の自転車と四輪車・単車との事故については,事実上,歩行者と四輪車・単車との事故に関する基準が参照されていたこと等に照らすと,低速の自転車については,歩行者と同視し得る余地がある。」と記載されています。

Mさんのケースは、まさにこの例外に該当すると考えられたため、過失割合について戦うべく、受任することにしました。

相談後

1 後遺障害等級の獲得
Mさんは、眼窩底骨折や上顎骨骨折等の傷害により、顔に傷と、横の物を見るときに物が二重に見えてしまうという障害(側面複視)が残ったことから、後遺障害診断書を作成してもらい、側面複視の後遺障害等級13級2号と、外貌醜状の後遺障害等級12級14号を獲得し、併合11級であると認定されました(自賠責保険金331万円)。

2 示談交渉の決裂
併合11級の後遺障害等級をもとに示談交渉に臨みましたが、保険会社からは、①自転車対四輪車の交通事故であるため過失割合は35:65になる。②顔に傷による仕事への影響はないので、その点の逸失利益は認められないとの回答がなされました。
そうすると、自賠責保険金のほかにもらえる賠償額というのはほとんど無くなってしまいます。

3 民事裁判(熊本地方裁判所)
熊本地方裁判所では、こちら側の主張がほぼ全面的に認められ、勝訴的な和解で解決することができました。
(1)入院付添費用・通院付添費用・自宅付添費用
付添費用(治療期間中の介護費用のこと)には、入院付添費用・通院付添費用・自宅付添費用の3種類があり、重度の後遺症の場合には、これらが認められることになっています。

Mさんの後遺障害等級は併合11級ですから、重度の後遺症とはいえませんが、お母様に付添看護の状況について説明をしてもらったり、カルテからご家族の付添いの必要性などを立証することにより、入院付添費用・通院付添費用・自宅付添費用のすべての付添費用が認められました。

(2)学費
Mさんは、交通事故によって2か月強入院することになり、その間の学費が無駄になってしまいました。
専門学校にも協力いただき、この点を立証したところ、裁判所は学費分として70万円以上の賠償を認めてくれました。

(3)就職遅延
休業損害は当然に認められましたが、交通事故のせいで就職が遅延してしまったことの賠償として更に220万円以上の上乗せがされました。

(4)逸失利益
Mさんの後遺障害等級併合11級というのは、側面複視の13級と外貌醜状障害の12級によるものです。
この点、外貌醜状障害というのは、整形外科的な後遺症とは異なり、体の動きには問題がないため、芸能人やモデルさんなどの顔を使う職業でない限り、逸失利益が制限されてしまうことが多いです。
11級の場合の労働能力喪失率は20%とされていますが、外貌醜状障害の逸失利益が認められないとなると、側面複視の13級のみで逸失利益を判断することになり、労働能力喪失率は9%とされてしまって、半額以下となってしまいます。
Mさんは将来、測量士として就職予定でしたから、外貌醜状障害が仕事に直接影響する可能性は高いとはいえない状況でした。
そこで、醜状障害であるが20%の労働能力喪失率を認めるべきであるという戦い方ではなく、側面複視というのは測量士の仕事上9%にはとどまらない支障を来すという方針で戦いました。
具体的には、測量士協会に問い合わせをして、測量士の具体的な仕事内容を証拠化し、側面複視が残ってしまった場合の仕事の具体的支障について立証を行いました。
そうしたところ、裁判所は、Mさんの労働能力喪失は20%制限され、それが67歳まで続くという満額の認定をしてくれました。

(5)過失割合
刑事記録やMさんの話などから、自転車vs四輪車の交通事故ではなく、歩行者vs四輪車の交通事故であるとの立証に成功し、保険会社側の自転車35:四輪車65という主張が退けられ、過失割合10:90の和解解決となりました。

(6)総額約3000万円獲得

小杉 晴洋弁護士からのコメント

小杉 晴洋弁護士

【解決事例のポイント】
① 醜状障害の後遺症の場合は逸失利益が制限されることが多いが満額の逸失利益を獲得
② 自転車事故であったため過失割合35:65を主張されていたが、歩行者と同視させ、過失割合10:90で解決
③ 休業損害のほかに、就職遅延分や無駄になった学費約300万円を上乗せ
④ 入院付添費・通院付添費・自宅付添費の各付添費をすべて認定
⑤ 和解金や自賠責保険金のほかに人身傷害保険金も獲得し、総額約3000万円獲得

【コメント】
過失割合や仕事の支障の立証は丁寧に

自転車対四輪車の交通事故の過失割合が、立証によっては、歩行者対四輪車の交通事故の過失割合になることを知らない方は結構いらっしゃいます。
これは、弁護士もそうですし、裁判官でも、理解不足の方が見受けられます。
丁寧な立証をすれば、自転車事故であっても歩行者と同視されることがありますので、自転車事故で過失割合についてお困りの方は、被害者側専門の弁護士にご相談されることをおすすめします。
また、逸失利益の判断においては、●級だと●%というように機械的な運用がなされることが多いですが、本件のように、測量士の仕事と側面複視の相性の悪さを、測量士協会の協力を得ながら立証することで、倍以上の逸失利益を獲得できることもあります。
逸失利益の金額も、弁護士によって変わるところですので、被害者側専門の弁護士に相談されることをおすすめします。

交通事故の解決事例 13

【頚椎捻挫・むち打ち】<賠償金900万円以上><後遺障害等級12級13号を獲得>むち打ち裁判

  • 後遺障害等級認定
  • 慰謝料・損害賠償
  • 人身事故
依頼主 40代 女性

相談前

Nさんは母と共に生活をする40代の女性です。

以前は仕事をしていましたが、お母様が病気となってしまったため、仕事を辞め、お母様の介護をしていました。

ある日Nさんは、お母様が検査入院されたため、車を運転して、着替えなどを届けに病院へ向かいました。

赤信号で停止して待っていたところ、前方不注視の車に追突され、むち打ちとなってしまいます。

Nさんは、保険会社の担当者の話し方にストレスが溜まり、また、弁護士費用特約に加入していたことから、弁護士に依頼して交渉を任せようと思うに至りました。

法律相談では、Nさんに対して、むち打ちの場合の、通院方法の注意点や、今後の流れなどについて説明をしました。

相談後

第1 示談交渉の決裂
後遺障害等級14級9号の認定を元に示談交渉を開始しましたが、保険会社より①Nさんは主婦ではないから休業損害や逸失利益は認めない②慰謝料は裁判基準の80%③元々ヘルニアがあったのだから素因減額30%を主張するなどと反論され、示談金約40万円が提示されました。
あまりに不合理な主張であったで、裁判することに。合わせて、腕の痺れについても主張したいので、後遺障害等級12級13号の主張をすることにしました。

第2 民事裁判
1 後遺障害等級
(1)医学的な裏付け
被告からの指摘の中で超えなければいけないハードルとして、Nさんは片腕ではなく両腕に痺れが出ているというのがありました。
確かに、神経根症の場合は、右上肢か左上肢のいずれかに痺れの症状が出ますので、両腕に痺れが出るのはおかしいということになります。
しかし、Nさんの場合、頚椎の5番目と6番目の間の椎間板が左に出ていて、頚椎の6番目と7番目の間の椎間板が右に出ていましたので、この点のハードルはクリアすることができました。
また、超えなければいけないもう一つのハードルとして、Nさんには腱反射の異常がないという点がありました。
この点は、医学文献と病院の医師により、腱反射などの神経学的所見は個人差があるため、必ず低下や消失の所見が出るものではないことの立証を行い、重要なのは画像所見であると主張しました。

(2)保険会社顧問医作成の意見書を叩く
ア 意見書で引用するデータは恣意的な切り取りがなされている
保険会社提出の意見書には、そもそも原告には椎間板の突出はないし、仮にあるとしても、平均的に、C5/6(5番目と6番目の頚椎の間の椎間板のこと)では約75%、C6/7(6番目と7番目の頚椎の間の椎間板のこと)では約85%の椎間板突出があるものなので、原告に特異なものではないとの指摘が記されていました。
しかし、上記データが記されている元文献を読むと、ここで記されているのは、平均1.3㎜のわずかな突出であって、一般的には「椎間板突出」と呼ばれるようなレベルの話ではなく、「椎間板変性」と呼ばれている話を、勝手に「突出」と置き換えて意見書が記されていることが判明した為、裁判で指摘を行いました。

イ 保険会社提出のデータを元に考察しても原告の椎間板突出の程度は大きい
日本人女性の第5頚椎における頚椎脊柱管前後径は15.8㎜とされていますので、保険会社提出の1.3㎜の突出をあてはめると、脊柱間の幅の1/11.5程度の突出が画像上確認できることになりますが、Nさんの画像から椎間板突出の割合を見ると約1/4となっていて、保険会社提出のデータと大きく異なることを指摘しました。

ウ 原告の訴える症状と支配領域とが一致する
意見書では医学文献を根拠として、Nさんが訴える神経症状と画像所見とが整合しないとの指摘がなされていました。
しかし、保険会社の意見書が根拠とする医学文献を読むと、引用されている箇所というのは「放散痛」についてであり、その前提が誤っていることが判明します。
同じ本の痺れの記載を読むと、Nさんが訴えている痺れの範囲と同書記載の皮膚感覚帯は概ね一致していました。

(3)裁判所の判決
以上の立証が奏功し、後遺障害等級12級13号に該当するとの判決が出ました。

2 休業損害・逸失利益
Nさんは主婦ではないため、家事従事者性は認められないと反論されていましたが、Nさんのお母さんの病状や、Nさんの家事・介護状況を尋問などで立証することで、Nさんの家事従事者性を認めさせることができました。

小杉 晴洋弁護士からのコメント

小杉 晴洋弁護士

【解決事例のポイント】
① 医学的意見書により神経根症を立証し、むち打ちとしては珍しい後遺障害等級12級13号獲得
② 保険会社の示談提示40万円⇒裁判で900万円以上に
③ 主婦ではないが、親の介護をしていたことを理由に休業損害・逸失利益認定
④ 画期的な判決であるとして判例誌掲載(自保ジャーナル2060号54頁)

【コメント】
1 示談提示40万円が900万円以上の判決に
保険会社からの示談提示は40万円ほどでしたが、裁判により遅延損害金を含め900万円以上の賠償額まで上げることができました。
自賠責保険金75万円を加算すると、Nさんは1000万円程度を獲得できたことになります。

2 保険会社提出の意見書はウソが多いので注意
保険会社の顧問医というのは、保険会社と同じビルに診療所を構えて、診療所名も保険会社の名前を引用するなどして、保険会社に忖度しなければならない立場にあります。
被害者側としてやってはいけないのは、医者の意見書が出されたことを理由に、請求を諦めてしまうことです。
この裁判では保険会社の顧問医から2通の意見書が提出されましたが、いずれも適切に反論することで裁判所から排斥されています。
医学文献を元にもっともらしいことが書かれていますが、その医学文献の原典にあたると、「そんなことは書いてない」といったことが判明することがあります。
本件もまさにそのようなケースでしたが、保険会社の顧問医の意見書は、本当にその記載が合っているのかどうかを一々確かめた方が良いことが多いです。
保険会社から理不尽な主張をされている方については、被害者側専門の弁護士に相談されることをおすすめします。

交通事故の解決事例 14

【脳挫傷】<後遺障害等級12級認定⇨5級獲得>弁護士による異議申立ての結果

  • 後遺障害等級認定
  • 慰謝料・損害賠償
  • 人身事故
依頼主 20代 男性

相談前

Fさんは20代の男性で、アルバイトをしながら生計を立てていました。

交通事故に遭い、1か月強の入院生活を送った後、通院を続けましたが、本人としては頭の傷が残ったほかは、完治したものと考えていました。

一応、病院の先生に後遺障害診断書を書いてもらい、保険会社を通じて、後遺障害等級の申請を行ってもらいました。

そうしたところ、後遺障害等級12級の認定が出されました。

Fさんは、この等級に特に疑いを持ちませんでしたが、どのくらいの慰謝料額が取れるのか知りたかったため、弁護士に法律相談してみることにしました。

法律相談

Fさんは保険会社から送られてきたという書類を持って法律相談に来られました。

Fさんとしては、頭部に傷が残ってしまったことで後遺障害の等級が取れたと考えているようでしたが、実際は、頭部の画像上、脳挫傷痕が残っていることを根拠に12級13号が認定されていました。

他方で、Fさんが気にしていた頭部の傷は、後遺障害等級の対象となっていませんでした。

脳の後遺障害等級というのは大きな事故でない限り獲得が難しいのですが、1番の難所とされるのが画像所見です。

アメリカでは認められていますが、MTBIという画像所見上は確認しづらい脳障害というものがあり、このMTBIの患者さんの場合だと、症状は酷いのに後遺障害等級は付かないということになります。

ただ、Fさんの場合は、その逆で、難所とされる画像所見は肯定されていて、症状がないために後遺障害等級12級13号が認定されていました。

Fさん自身は無症状という自覚でしたが、会話がかみ合わない部分もあり、同棲中の彼女やお母さんの連絡先を聞き、ご家族や親しい間柄の人から見て事故前後で性格の変化などがないかどうか確かめることにしました。

また、頭部の傷については髪の毛で隠れてしまっているため見えづらくなっていましたが、よく見ると、頭部が陥没していました。

以上の確認事項をもとに、すぐに示談交渉に入るのではなく、異議申立てをさせてもらうことにしました。

相談後

【異議申立て】
1 異議申立前の準備
(1)後遺障害診断書の訂正のお願い(醜状障害)
Fさんの後遺障害診断書の醜状記載欄が空欄でした。
そこで、頭部の傷跡や陥没について病院の先生に追記のお願いをしました。

(2)意見書の作成(高次脳機能障害)
Fさんには脳挫傷痕が認められることから、脳損傷を原因とする症状や検査結果について大学病院の先生にお話を伺いました。
FさんのIQは同年代平均値を下回る水準となっていて、作動記憶及び言語理解が有意に低いことが確認され、当該大学病院の先生に高次脳機能障害であることの確定診断をもらいました。

(3)同棲中彼女からのヒアリング
Fさんは事故前後を通じて、彼女と同棲していたことから、その彼女から事故前後のFさんの比較を行ってもらいました。
話を聴いていくと、以下のことが確認できました。
①事故前は問題なかったのに、事故後は家の戸締りやガスの始末など安全管理ができなくなった。
②  〃  事故後は落し物が増え、道に迷うなどの行動が見られるようになった。
③  〃  事故後は怒りやすくなり、場にそぐわない言動などをするようになった。
④  〃  事故後は年齢にそぐわない甘えや依存、また自傷・他傷・ものを壊すなどの暴力を振るうようになった。

これらのヒアリング内容を「日常生活状況報告」という書面にまとめてもらいました。

(4)母からのヒアリング
Fさんのお母さんから事故前後のFさんの比較を行ってもらいました。
話を聴いていくと、以下のことが確認できました。
①昔はゲームなどを器用にこなす子だったが、事故後は会話についていけなかったり、自分の気持ちを説明できなかったり、人の名前や約束をすぐに忘れるようになった。
②事故前は母に対し暴言を吐くようなことはなかったが、事故後は暴言を吐くようになり、激しい口調でのメールを送ってくるなどもしている。

2 異議申立て(高次脳機能障害7級4号+醜状障害7級12号)
以上のとおり後遺障害診断書の訂正、高次脳機能障害の診断、同棲中の彼女の日常生活状況報告、母の陳述書がそろったことから、異議申立てをすることにしました。

医師の高次脳機能障害診断、彼女の日常生活状況報告、母の陳述書から、意思疎通能力、問題解決能力、作業負荷に対する持続・持久力、社会行動能力の喪失を主張し、高次脳機能障害12級13号ではなく、7級4号に該当すると主張しました。

また、Fさんには頭部にてのひら大の瘢痕が残存しており、顔面部にも10円硬貨大以上の組織陥没が認められることから、後遺障害等級7級12号に該当すると主張しました。

3 醜状面談の弁護士同行
注意をしないと、小さめに醜状を測定されてしまうことから、当事務所では基本的には醜状面談に弁護士が同行することにしています。

調査事務所の担当者は、案の定、Fさんの頭部陥没の事実を見落としていたため、用意していた写真を見せ、この部分に陥没があるから確認するよう促しました。

4 異議申立ての結果
無事、異議申立てどおり、高次脳機能障害7級4号及び醜状障害7級12号が認定され、併合5級となりました。
なお、併合というのは、後遺障害等級が複数ある場合の処理のことで、後遺障害等級8級以上の等級が複数ある場合は、1番重い等級が2つ繰り上がるというルールになっています。
Fさんの場合は、7級が1番重い等級ですので、2つ繰り上がり併合5級となりました。

【示談】
併合5級の結果を元に示談交渉をし、自賠責保険金1574万円の他に約6000万円で示談が成立しました。

小杉 晴洋弁護士からのコメント

小杉 晴洋弁護士

【解決事例のポイント】
① 弁護士介入後に医師の意見書や家族の日常生活状況報告を取り付け、事前認定12級を5級まで上げた
② 醜状障害の面談に同行し、頭部の陥没について弁護士が説明を行った

【コメント】
保険会社が行う後遺障害等級の申請はあてになりません。被害者側専門の弁護士による後遺障害等級の申請をするようにしましょう。

Fさんは、賠償額がいくらになるか気になったため弁護士に法律相談してみたという経緯でしたので、後遺障害等級12級13号という判断には何の疑問も持っていませんでした。

しかし、後遺障害等級12級と後遺障害等級5級とでは、賠償額が6000万円~7000万円程度変わってきますので、非常に大きな差となります。

後遺障害等級の異議申立てにはコツがあります。

最初の申請の際と同じ証拠を出したのでは、後遺障害等級は変わりませんので、新しい証拠を作る作業が重要となってきます。

Fさんのケースですと、後遺障害診断書の修正・大学病院の先生による高次脳機能障害の確定診断・同棲中の彼女の日常生活状況報告・母の陳述書がそれぞれ重要と言えます。

また、醜状面談におけるプレゼンも非常に重要といえます。

後遺障害等級の認定を受けた方は、安易に示談交渉に進まず、まずは被害者側専門の弁護士に当該等級が妥当なのかどうかチェックしてもらってください。

当事務所では、無料の法律相談を行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

交通事故の解決事例 15

【第2腰椎圧迫骨折】<脊柱変形障害8級相当獲得>脊柱の権威の医師から意見書を取り付け、紛争処理申請した結果獲得

  • 後遺障害等級認定
  • 慰謝料・損害賠償
  • 人身事故
依頼主 40代 男性

相談前

Jさんは40代の自営業の男性で、バイク走行中に進路変更をしたところ、四輪車に衝突するという事故を起こしてしまいました。

Jさんは救急搬送され、総合病院に2週間入院し、第2腰椎圧迫骨折の診断を受けます。

その後、自宅近くの整形外科に通ってリハビリをし、半年強の治療期間を経て症状固定となりました。

後遺障害診断書を書いてもらい、後遺障害等級の申請を行ったところ、「脊柱の変形障害については、提出の画像上、本件事故外傷による明らかな第2腰椎圧迫骨折が認められることから、『脊柱に変形を残すもの』として別表第二第11級7号に該当するものと判断します。なお、腰痛の症状については、前記等級に含めての評価になります。」との認定を受けました。

Jさんは、この後遺障害等級11級7号という等級が妥当かどうか分からなかったため、弁護士に法律相談することにしました。

★法律相談

Jさんがお持ちになった資料を見ながら、後遺障害等級が上がるかどうかのチェックをします。

Jさんの症状を確認したところ、脊髄損傷の症状はなかったことから、痛みや痺れについて後遺障害等級を争うという可能性は無いと判断しました。

また、Jさんは、胸腰椎が動きづらくなっているわけではなりませんでしたので、脊柱の運動障害の線も無くなりました。

そうすると、Jさんの第2腰椎圧迫骨折の評価が後遺障害等級11級7号の変形障害で良いのかという点に絞って検討をすることになります。

Jさんが一部保有していたレントゲン撮影画像を確認したところ、圧迫骨折が生じているのは第2腰椎のみであり、また、側弯は生じていませんでした。

そうすると、後遺障害等級6級5号の線もなくなり、あとは後弯による後遺障害等級8級相当の該当性のみが問題となってきます。

後弯による後遺障害等級8級相当にあたるというためには、脊柱圧迫骨折や脱臼等によって、1個以上の椎体の前方椎体高が減少して、後方椎体高の1/2以下になっていることが必要です。

簡単に言うと、圧迫骨折によって第2腰椎の前の方が潰れて、第2腰椎の後ろの高さの半分にならないといけません。

しかしながら、Jさんの第2腰椎の画像を見ると、第2腰椎の真ん中あたりは大きく潰れているものの、前の方は潰れておらず、前方椎体高が後方椎体高の1/2にはなっていませんでした。

したがって、後遺障害等級8級相当の要件に該当せず、後遺障害等級11級7号が妥当であるということになります。

ただ、1つ気になるのが、前方椎体高の減少はないものの、真ん中あたりは大きく潰れているという点です。

Jさんは、常に腰を丸くするような姿勢でいて、後弯が生じているようにも思え、この真ん中の圧潰を元に後遺障害等級8級相当を獲得することができないか検討することにしました。

そもそも、後弯というのは、簡単に言うと、前方椎体高の減少によって、圧迫骨折が生じた椎体より上の椎体が落っこちてきてしまい、背中が丸くなってしまうという様なものですので、椎体の真ん中が大きく潰れてしまった場合であっても、その潰れた箇所に上の椎体が落っこちてきてしまい後弯が生じるということはあり得るのではないかという疑問が生じたのです。

Jさんが通っている家の近くの先生では専門的な判断はできないと考え、脊柱の権威の医師を紹介し、そちらの先生にJさんの第2腰椎圧迫骨折の具合を見てもらうことにしました。

相談後

1 脊柱の権威の先生との医師面談の実施
Jさんのような画像所見であっても後弯が生じるのかについて、脊柱の権威の先生に医師面談をしてもらいました。
医師面談の結果、見立てを外していなかったことが確認できたため、意見書案を先生に修正して頂き、意見書を作ってもらえることになりました。

2 意見書の内容
①第2腰椎には著明な椎体高の減少が認められ、かつ、同椎体の中央部には強い圧潰性変化が生じている。
②第2腰椎圧迫骨折後のJさんの第2腰椎椎体の前壁は、画像上残存してはいるものの、事故の影響により前方に飛び出していて、第1腰椎椎体を支える機能を果たしておらず、①のとおり中央部において強く圧潰した箇所に第1腰椎椎体が沈んで後弯が生じている。
③Jさんの圧迫骨折の程度はSQ法で楔状変形型のグレード3であると考えられ、Jさんの第2腰椎に係る後弯の程度を評価するにあたっては、第2腰椎椎体の前方部において最も圧潰されている箇所を前方椎体高とし、同椎体高と後方椎体高を比較して考えるべきである。
④Jさんの椎体高を測定したところ、圧潰箇所は後方椎体高の約1/5の高さであるといえる。

3 紛争処理申請
異議申立てでは判断が変わらない可能性が高いと判断し、異議申立てではなく紛争処理申請を行うことにしました。
紛争処理申請の要旨は下記のとおりです。
自賠責保険の認定では、後遺障害等級11級7号に該当するとの判断がなされているのみで、Jに後弯が生じていることについては一切触れられていない。
しかしながら、以下のとおり、Jには、後遺障害等級8級相当の後弯が生じている。
提出した意見書作成の医師によれば、前方に飛び出してしまっている前方椎体高は17.4㎜、後方椎体高は31.85㎜ということであり、減少した椎体の後方椎体高と減少後の前方椎体高との差が14.45㎜であって、減少した椎体の後方椎体高の約45%に過ぎないことから、「減少したすべての椎体の後方椎体高の合計と減少後の前方椎体高の合計との差が、減少した椎体の後方椎体高の1個あたりの高さの50%以上である」という要件をわずかに満たさず、形式的には「前方椎体高が減少」したとはいえないことになる。
しかしながら、本件における第2腰椎圧迫骨折後の椎体の前壁は、画像上残存しているように見えるものの、交通事故の影響により前方に飛び出していて、第1腰椎椎体を支える機能を果たしておらず、中央部において強く圧潰した箇所に第1腰椎椎体が沈んで後弯が生じている。
提出した意見書作成の医師によれば、Jの圧迫骨折の程度は、SQ法で楔状変形型のグレード3であるとされ(なお、グレード3が最も重い圧迫骨折の程度である。)、Jの第2腰椎の変形の程度を評価するにあたっては、第2腰椎椎体の前方部において最も圧潰されている箇所を前方椎体高とし、同椎体高と後方椎体高を比較して考えるべきであるとされている。
本件では、前壁背側の最短縮部を前方椎体高と捉えると、減少した椎体の後方椎体高(31.85㎜)と減少後の前方椎体高(6.75㎜)との差が25.1㎜となり、減少した椎体の後方椎体高の高さの約79%となることから、「減少したすべての椎体の後方椎体高の合計と減少後の前方椎体高の合計との差が、減少した椎体の後方椎体高の1個あたりの高さの50%以上である」という要件を満たし、「前方椎体高が減少」したといえることになる。
したがって、「脊柱に中程度の変形を残すもの」として8級相当に該当する。

4 紛争処理結果
紛争処理員会より、後遺障害等級8級相当の認定がなされました。

小杉 晴洋弁護士からのコメント

小杉 晴洋弁護士

【解決事例のポイント】
① 本来後遺障害等級11級にとどまるものを、その実質面に着目し、8級相当の認定をさせた
② 業界の権威の医師に対して医師面談を実施し、意見書を作成してもらう
③ 異議申立てと紛争処理申請の方法選択

【コメント】
医師の力を借りることができれば、自賠責の要件が覆ることがあります

本件は、形式的に考えれば、後遺障害等級が変更されることは無いケースです。

しかし、Jさんの腰が明らかに曲がっている、画像を確認したところJさんの第2腰椎の前壁は変に飛び出していて、真ん中が大きく凹んでいるといった素朴な疑問が生じるケースでした。

このような素朴な疑問を大事にすると、結論が変わってくることがあります。

もちろん、素朴な疑問を有しているだけではダメですが、特に、後遺障害等級認定の場面では、病院のお医者さんの元へ足を運び、医師面談を実施することによって後遺障害等級変更のための手がかりをつかめることが多いです。

当事務所では医師面談や、それに伴う医学的意見書作成を積極的に行っております。

無料の法律相談を実施しておりますので、後遺障害等級の結果に納得がいかない、この等級で妥当なのかどうか分からないといった方は、お気軽にご相談ください。

【用語説明】
1 SQ法(semi-quantitative method)

SQ法(semi-quantitative method)とは、椎体全体の形状を見て、その変形の程度をグレード分類する方法のことをいい、半定量的評価法とも呼ばれます。

正常のグレード0に基づいて、視覚的に椎体の高さや全体の面積という形態を評価して、椎体の変改を軽度変形グレード1、中等度変形グレード2、重度変形グレード3と分類します。

なお、SQ法以外の椎体骨折の評価方法には、QM法(quantitative measurement)というものがあり、これはSQ法が半定量的評価法と呼ばれるのに対し、定量的評価法と呼ばれています。

椎体側面像で前縁・中央・後縁の椎体高を求めて、その比で評価をする方法です。

2 楔形変形

楔形変形とは、椎体の前縁の高さが減少する変形のことをいいます。

他には、魚椎(椎体の中央が凹む形の変形)・扁平椎(椎体の全体にわたって高さが減少する変形)といった変形の種類があります。

交通事故の解決事例 16

【高次脳機能障害・寛骨臼骨折等】<後遺障害等級1級獲得>自賠責因果関係不明の判断に対し、医師より意見書などを複数取り付け、異議申立てで後遺障害等級1級獲得

  • 後遺障害等級認定
  • 慰謝料・損害賠償
  • 人身事故
依頼主 40代 男性

相談前

Aさんは会社経営の60代男性です。

ある日、優先道路を走行中、脇見運転の車に衝突されてしまい、寛骨臼骨折のケガをしてしまいました。

手術が必要なほどの大怪我で、手術をしますが、その際にMRSA菌血症に罹患してしまいます。

その後、元々有していた胃がんが進行し、肺に転移してしまい、Aさんはお亡くなりになってしまいます。

Aさんのご家族は、Aさんが交通事故の前は、元気に仕事をしていて、体調にも何ら問題がなかったため、Aさんがお亡くなりになったのは交通事故のせいだと考えていました。

しかしながら、自賠責が出した判断は、交通事故との因果関係は不明というもので、Aさんのご家族が思うような結果にはなりませんでした。

Aさんのご家族は、交通事故のせいでないなら病院のせいだと考えますが、病院は責任を認めようとしません。

結局、Aさんのご家族は、Aさんの交通事故後の体調悪化や死亡の事実の原因が何なのかわからないまま過ごすことになってしまいます。

自分たちだけでは埒が明かなかったため、Aさんのご家族は、地元の弁護士のところに法律相談に行くことにしました。

ところが、地元の弁護士には、「医療過誤で勝つのは難しい」「骨折から癌で死亡するというのは認められない」「うちの法律事務所では対応できない」などと言われてしまい、どの弁護士も受任してはくれませんでした。

Aさんのご家族は、このまま因果関係不明ということで終わらせることに納得がいかず、県外の弁護士を探すことにしました。

【法律相談】

こうした経緯でAさんのご家族とAさんの件について法律相談を実施することになりました。

Aさんのご家族からご事情をお伺いしたところ、交通事故の前は元気に働いていたAさんが、いきなり体調を悪化させ死亡するに至ったというケースですから、このまま終わらせることに納得がいかないという想いはごもっともだなと感じ、難しい事案であるが、やれることをすべてやってみるとお約束して、受任することになりました。

交通事故の加害者側保険会社に対する損害賠償請求と、医療過誤での病院に対する損害賠償請求の両睨みで方針を考えることにしました。

相談後

1 調査
⑴ 診断書・カルテなどの調査:高次脳機能障害の後遺障害等級該当可能性を見出す
まずは、Aさんの死亡診断書、交通事故の診断書を分析します。
死亡診断書によると、胃癌が転移して肺癌となり、肝不全が直接死因となってAさんが死亡したことになっていて、死因の種類は「病死及び自然死」とされていました。
医療過誤の損害賠償請求をする場合は、胃がんが肺がんに転移したことに病院側の過失が介在していないといけないことになりますが、具体的には、手術の際のMRSA菌血症に病院の過失を構成することができ、このMRSA菌血症により胃がんが進行して、肺がんに転移までしたということを立証しなければなりません。
交通事故の損害賠償請求をする場合は、寛骨臼骨折から癌になることは通常考えられませんので、寛骨臼骨折の手術の危険の現実化としてMRSA菌血症となったことを立証し、その上で、このMRSA菌血症により胃がんが進行して、肺がんに転移までしたということを立証しなければなりません。
いずれにしても困難な立証を伴います。
その後、数千枚に及ぶカルテの内容を分析しましたが、医療過誤の因果関係や過失を構成することは困難で、また、カルテ内容だけでは交通事故とAさんの死亡との因果関係を繋げることも困難であるとの調査結果となりました。
ただ、Aさんの死亡の結果は、Aさんが元々有していた胃がんも合いまって生じた結果であることは明らかでしたが、Aさんは肝不全で死亡する前に、高次脳機能障害になっていることがカルテから読み取ることができました。
そこで、方針を変えて、元々有していた疾患と関係する死亡の事実との因果関係を繋げるのではなく、元々の疾患と関係のない高次脳機能障害での後遺障害等級1級の獲得を目指すことにしました。

⑵ 医師面談:高次脳機能障害に関する医学的証拠を5通作成
飛行機に乗って大学病院まで赴き、寛骨臼骨折後の脳の萎縮などの高次脳機能障害に関する医学的知見について話を伺いしました。
その結果、カルテ分析のとおり、入院中、死亡までの間に、高次脳機能障害になっていたことが判明し、簡単に経緯を説明すると、寛骨臼骨折の手術⇒MRSA菌血症⇒良くない血が体の中をめぐり脳にも流れる⇒高次脳機能障害となる、という因果になることが分かりました。
そこで、大学病院の先生に、死亡についてではなく高次脳機能障害に関する医証を作成してもらうことにし、①意見書、②後遺障害診断書、③神経系統の障害に関する医学的意見、④脳損傷又はせき髄損傷による障害の状態に関する意見書、⑤頭部外傷後の意識障害についての所見という5通の医学的証拠を作成してもらうことにしました。

⑶ 奥様に対するヒアリング:日常生活状況報告書の作成
また、高次脳機能障害1級を獲得するにあたって、交通事故前後の比較を、Aさんと1番近い立場にいた奥様にヒアリングを行った上、日常生活状況報告書を記載していただきました。

2 異議申立て:高次脳機能障害1級の獲得
以上の、数千枚に及ぶカルテ、5通の高次脳機能障害に関する医学的証拠、Aさんの奥様にご作成いただいた日常生活状況報告書を元に異議申立てを行いました。
高次脳機能障害の判定の場合、他の後遺障害等級と異なり、高次脳機能障害審査固有のメンバーによる等級判定がなされます。
医学的分析の結果、高次脳機能障害等級に必要な書類をすべて揃えましたので、見立てどおり、「生命維持に必要な身のまわりの処理の動作について、常に他人の介護を要するもの」として後遺障害等級別表一第1級1号を獲得することができました。

小杉 晴洋弁護士からのコメント

小杉 晴洋弁護士

【解決事例のポイント】
①弁護士介入後に医師の意見書など医学的な証拠を複数取り付け、自賠責因果関係不明の判断をくつがえし、後遺障害等級1級を獲得した
②地元の弁護士では対応できず、県外の弁護士に相談したケース

【コメント】
被害者側専門の弁護士でなければ後遺障害等級獲得ができないという事案があります

本件は、一見すると、胃がんが元となって死亡したケースとして、何らの損害賠償請求をすることもなく終了となってしまうこともあり得るケースでした。

確かに、骨折から癌で死亡するというのは、通常考えられない因果関係です。

しかしながら、事故前に元気だったAさんが、交通事故後に突然容体が悪化しているわけですから、交通事故や病院での手術が原因となったのではないかという素朴な疑問が生じるケースといえます。

こうした疑問が浮かぶケースでは、安易にあきらめてはいけません。

もちろん専門家が調査を尽くしたとしても、損害賠償請求ができない事案というのは存在しますが、まずは専門家に調査をお願いすることです。

自賠責保険の運用上、死亡よりも後遺障害等級1級の高次脳機能障害の方が重いものとして扱われていますので、本件では、その運用をついて、高次脳機能障害での異議申立てをするという方針転換を行いました。

医療過誤訴訟を提起するというルート、死亡事故として加害者に損害賠償請求するというルートもありましたが、医療過誤ですと病院の違法性まで立証するのがハードルが高く、また、死亡事故として扱ってしまうとAさんの持病の関係が出てきてしまいますので、Aさんに持病がなく、かつ、死亡よりも重く捉えられている高次脳機能障害1級1号という方針を選択するのが正しい事案であったと考えています。

このような判断は、弁護士であれば誰しもできるものではなく、被害者側の専門としてやっている弁護士でなければ難しいものです。

現に、Aさんのご家族も、地元の複数の弁護士に断られた末に、県外の私のところにたどり着いています。

死亡事故や高次脳機能障害というのは、扱うのが非常に難しい類型ですので、ご家族が死亡事故や高次脳機能障害になってしまったという方については、被害者側専門の弁護士に相談されることをおすすめします。

交通事故の解決事例 17

【右膝下切断・右手機能障害等】<約1億円>約1億円での示談解決に加え、将来の義足費用の支払いを確約

  • 慰謝料・損害賠償
  • 人身事故
依頼主 50代 男性

相談前

Dさんは50代会社員の男性で、バイク事故に遭い、膝から下を切断する大怪我を負ってしまいました。

長い入院生活の上、病院の先生と共に自分に合う義足を探すことになります。

Dさんは義足の費用がきちんと支払われるのかどうか、今後、義足が痛んだり、変更したいと思ったときに義足を買い替えることができるのか不安になり、弁護士に相談することにしました。

★法律相談

Dさんはまだ足が不自由であったため、電話相談を実施させていただきました。

Dさんが不安に感じている点をお伺いし、それに対する専門家としての意見を述べさせていただきました。

また、今後の流れや賠償額の見込みについてもご説明しました。

法律相談でDさんに説明差し上げたポイントは下記の2点です。

① 右膝下切断の後遺障害等級4級は確実に認定が見込まれるが、他の後遺障害等級も獲得することで併合3級まで上げること
② 右膝下切断に伴い、今現在支出している費用のほかに、将来支出が予想されるもの・買い替えが予想されるものを漏れなく請求すること

また、Dさんから、裁判はしたくないとのご意向があったため、なるべく示談で解決するようにするとお伝えさせていただきました。

これらを方針として踏まえながら、事件処理を進めていくことでご納得いただき、後日委任契約書や委任状を取り交わし、Dさんの件を担当させていただくことになりました。

相談後

後遺障害等級3級の獲得

Dさんの治療は、主に右脚についてなされていましたが、他にも、右手首が動きづらくなっている、顔に傷が残っているといった後遺症も存在していました。

そこで、主治医の先生に、右膝下の切断以外の後遺症も漏れなくご記載いただき、後遺障害等級の申請を行いました。

そうしたところ、見立てどおり、後遺障害等級併合3級を獲得することができました。

示談交渉:約1億円の損害賠償金の獲得と将来の義足の買換え費用の支払を確約

獲得した後遺障害等級を元に示談交渉を行いました。

金額が1億円を超える事案であったため、担当者を説得できたとしても、その上司や本部も説得できないと賠償金を支払ってもらうことができません。

そこで、医師の医学的な意見書、義足メーカーの資料などを添付して、担当者が上司や本部を説得しやすくするための資料を提供して示談交渉を行いました。

決裁権者が多いため、示談交渉の期間は長くなりましたが、無事1億円の支払を確約することができました。

また、Dさんの希望として、将来買い替える際の義足が、今と同じものを買うかわからないし、将来はもっと性能の良い義足が登場している可能性もあるため、現在の義足費用をベースとした買換え費用ではなく、将来欲しい義足が買えるようにしてほしいというものがあったため、担当者と交渉をして、示談金約1億円のほかに、将来Dさんの選ぶ義足の購入費用を別に支払ってもらえる条項を追加してもらうことに成功しました。

小杉 晴洋弁護士からのコメント

小杉 晴洋弁護士

【解決事例のポイント】
① 約1億円での示談解決
② 示談金とは別に将来の義足費用の支払を確約させる
③ 右膝下切断4級以外の後遺障害等級も獲得することで併合3級の認定を受ける

【コメント】
示談金のほかに将来支払ってもらう条項を付け加えるなど柔軟な解決をすることもできます

Dさんのご要望は、交通事故のせいで膝から下が無くなってしまいましたが、義足を使うことで、なるべく交通事故の前と同じような生活がしたいというところにありました。

これは、お医者さんであったり、義足を作成する業者さんが直接的に関わるところなのですが、我々弁護士も間接的に寄与することができます。

義足などの請求というのは、通常は、現在付けている義足の代金をベースとして、医師などと打ち合わせた結果、その耐用年数を算定し、平均余命までの間に、何回買い替える蓋然性があるかどうかを計算した上で請求していくものです。

将来受け取る金額を事前に受け取る場合、その分、法定利率での運用ができるので被害者を不当に利するという理屈があり(中間利息の控除)、将来の買換え費用などを請求する場合、この中間利息の控除によって金額が減ってしまいますし、また、Dさんのご懸念のとおり、将来の買換え費用を現在請求する場合は、現在の義足費用をもとにした算定になってしまいます。

Dさんのご懸念やご要望はもっともですし、Dさん自身、裁判所による判決ではなく話し合いによる示談解決を望まれていましたので、保険会社との合意内容にDさんの要望を盛り込むことによって解決する途を探ることにしたという流れになります。

足の切断など重度の後遺症のケースでは、その後遺症のせいで、将来の生活への不安などが出てしまいますので、当事務所では、被害者の方に応じた解決策を提案させていただいております。

高次脳機能障害、脊髄損傷、脚や腕の切断など重度の後遺症を残されてしまった被害者の方や、その方をサポートするご家族の方は、一度、重度後遺障害の被害者側を専門に扱う弁護士に法律相談されることをおすすめします。

交通事故の解決事例 18

【半月板損傷】<保険会社提示約288万円⇒1000万円で解決>駐車場内の事故による後遺障害等級14級の被害者につき、異議申立てにより半月板損傷12級13号を獲得し、過失0で解決した事例

  • 慰謝料・損害賠償
  • 人身事故
依頼主 50代 女性

相談前

Mさんは50代の主婦の方です。

駐車場内の通路を歩行していたところ、駐車することに気を取られていて歩行者にまったく注意をしていなかった車にはねられてしまい、右膝を痛めてしまいます。

Mさんは治療を続けましたが、右膝の痛みが治らず、後遺障害診断を受けることになり、加害者側の保険会社を通じて後遺障害等級14級9号の認定を受けました。

保険会社からは示談の話をされますが、Mさんは、後遺障害等級がこれで妥当なのかどうか分からず、このまま示談解決してしまってもいいものか疑問であったため、ひとまず弁護士に相談してみることにしました。

法律相談

法律相談では、まず後遺障害等級についてのご説明を差し上げました。

後遺障害等級の認定方法というのは2種類あり、被害者請求(16条請求とも呼ばれます。)と加害者請求(事前認定とも呼ばれます。)の2つです。

Mさんの件は、加害者側の保険会社を通じて後遺障害等級の申請がされていますので、加害者請求(事前認定)と呼ばれる手続によって後遺障害等級14級9号が認定されたことになります。

加害者側の保険会社というのは、被害者の方に重い後遺障害等級が認定されてしまうと、支払わなければいけない損害賠償金が高くなってしまいますので、重い後遺障害等級は認定されてほしくないという立場にあります。

従いまして、被害者の方の後遺障害等級が重く認定されるようには動いてくれません。

申請の際に出さなければいけない書類は出してくれますが、被害者の後遺障害等級認定の際に有利に判定される任意資料(出さなくてもよいもの)については提出してくれませんし、それどころか、この被害者の後遺症は低い/無いといった否定的な意見を添えて加害者請求(事前認定)の申請をすることすらあります。

加害者請求(事前認定)の被害者側のメリットというのは、①早い・②手続が楽の2点なのですが、どのような申請をしたとしても明らかに後遺障害等級の認定が予測されるようなケースでない限り、適切な後遺障害等級の認定が得たい場合は、被害者請求(16条請求)がおすすめということになります。

とはいえ、被害者の方が自身で、後遺障害等級の申請のための書類を揃えたり、後遺障害等級認定の見立てを立てることは難しいですから、被害者側専門の弁護士に代わりにやってもらうのが適切な対処法です。

Mさんのケースでは、交通事故によって右膝痛が残存したことは認められていますので後遺障害等級14級9号の認定はなされていますが、その右膝痛を裏付ける明確な医学的所見が無いとされ後遺障害等級12級13号該当性は否定されていました。

そこで、果たして右膝痛を裏付ける医学的所見が本当にないのかどうかを精査する必要があり、これを見つけられた場合には異議申立てを行って、見つけられなかった場合には後遺障害等級14級9号の認定を前提とした示談交渉に進む旨、Mさんの説明をし、委任契約締結となりました。

相談後

第1 異議申立てによる後遺障害等級12級13号の獲得

Mさんの医学的証拠を分析したところ、半月板損傷のMRI画像所見の存在が確認できたことから、異議申立てを行い、見立てどおり後遺障害等級12級13号を獲得することができました。

第2 示談交渉の決裂

異議申立てにより獲得した後遺障害等級12級13号をもとに示談交渉を開始しました。

保険会社の示談案は、Mさんは元々膝に疾患があったことから後遺障害等級12級13号が認定されたのであって、元々の膝の疾患分は減額されなければならないと主張してきました。

これを素因減額の主張と言います。

また、駐車場内での交通事故の場合は、過失割合は0:100にはならないなどの主張もされました。

示談提示額は約288万円と低額であったことから、Mさんに裁判を提案をし、Mさんの了解を得て裁判をすることにしました。

第3 民事裁判 福岡地方裁判所
1 過失割合(駐車場内の歩行者vs四輪車)

過失割合の判断は、別冊判例タイムズ38号「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(全訂5版)の基準に従ってなされることが多く、Mさんのケースですと、【338】図に該当することから、過失割合は原告10:被告90という基準になります。

しかしながら、、加害者側が駐車することに夢中になっていて、一切歩行者の動静などを気遣っていなかった点などを刑事記録から立証し、Mさんの過失なしという裁判所の判断を獲得することができました。

2 素因減額(半月板損傷と変形性膝関節症)

保険会社側の弁護士は、Mさんの右膝痛は、元々有していた変形性膝関節症由来のもので、素因減額がなされるべきであるとの主張を行ってきました。

これに対して、こちら側としては、変形性膝関節症の医学的文献を提示して、変形性膝関節症の症状及び臨床所見を説明しました。

具体的には、変形性膝関節症の場合、

①変形性膝関節症の初期には、歩行開始時や座位からの立ち上がり時に膝の内側に痛みが見られる。
②変形性膝関節症の症状が進行すると、歩行や階段昇降など関節の運動に伴い疼痛が生じる。
③膝の骨の変形が進むと、立位での膝関節屈曲・O脚などが顕著になる。
④触診で関節裂隙の圧痛、関節の腫脹を認める。時に関節液が過剰になり関節水腫を呈する。

といった症状や臨床所見が出るものです。

しかしながら、Mさんの場合、本件事故以前にこうした変形性膝関節症の症状や臨床所見がなかったことを立証し、素因減額の対象となる疾患の域に達するようなものは無かったという主張を行いました。

裁判所もこちら側の主張を全面的に認めてくれて、素因減額0%という判断を示してくれました。

3 1000万円での和解成立

保険会社の示談提示額は約288万円でしたが、最終的に1000万円での和解解決をすることができました(既払金約810万円除く。)。

小杉 晴洋弁護士からのコメント

小杉 晴洋弁護士

【解決事例のポイント】
①交通事故による半月板損傷の所見を指摘し、異議申立てで後遺障害等級12級13号獲得
②保険会社の示談提示額約288万円を裁判によって1000万円まで増額(約4倍)
③駐車場内の交通事故で過失割合0:100で解決
④変形性膝関節症による素因減額を争われたが素因減額0%で解決

【コメント】
後遺障害等級の申請はプロの弁護士に任せましょう

日本の交通事故損害賠償請求の実務は、後遺障害等級を元にして行われています。

どんなに症状が重症であったとしても、後遺障害等級の認定がなければ、慰謝料などの損害賠償額は低額となってしまいます。

Mさんのケースでは、Mさんが後遺障害等級14級9号の認定を受けた時点で、これで良いのかどうか疑問に思われ、専門の弁護士に相談されたことがポイントであったといえます。

Mさんのケースの相手方保険会社は、後遺障害等級12級13号の認定を受けた後ですら300万円未満の賠償金しか提示してきませんでしたので、後遺障害等級14級9号の場合ですと、100万円台の賠償提案しかなされなかったことが予想されます。

結局、既払金の約810万円(自賠責保険金224万円含む。)を除いて新たに1000万円の獲得ができたわけですから、被害者側専門の弁護士に依頼することによって、後遺障害等級が変わったり、解決金額が10倍以上になるケースというのはよくあることです。

保険会社というのは営利企業ですから、なるべく低い損害賠償額で、早く解決してこようとします。

素人対プロでは勝負は見えていますから、後遺障害等級の認定を受けたという方は、被害者側専門の弁護士に相談されることをおすすめします。

交通事故の解決事例 19

【環指末節骨骨折】<保険会社約230万提示⇒弁護士介入で約735万解決>裁判をすることにより保険会社提示額の3倍以上の判決を得た事例・バイク対車の交通事故でバイク過失なしの判断

  • 慰謝料・損害賠償
  • 人身事故
依頼主 30代 男性

相談前

Mさんは30代会社員の男性です。

バイクで道路を走行していたところ、路肩に駐車していた車の運転席が突然開き、そのドアに衝突して転倒し、指の先を骨折してしまう交通事故に遭ってしまいました。

後遺障害等級14級の認定を受け、保険会社から約230万円の示談提案がありましたが、この金額で示談してよいのかどうか分からなかったため、ひとまず弁護士に相談してみることにしました。

★法律相談

法律相談で、保険会社側から提示された示談案の計算書を示談してもらい、それについて説明を致しました。

大きな争点は、①過失割合と②逸失利益の2つでしたので、この点について主にご説明差し上げました。

①過失割合

過失割合の判断は、別冊判例タイムズ38号「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(全訂5版)の基準に従ってなされることが多く、Mさんのケースですと、【223】図に該当することから、原則としてバイクの過失が10:ドアを開けた車の運転者の過失が90ということになります。

しかしながら、保険会社からはバイク20:車80の過失割合が提案されていました。

Mさんの話を伺うと、Mさんがその車の横を通りかかる直前にドアが開いたということでしのたで、過失割合10:90どころか、過失割合0:100になる可能性のある事案であることを説明しました。

②逸失利益-基礎収入額―

Mさんは交通事故の時29歳で若かったので、収入がさほど高くはありませんでした(年収約200万円程度)。

保険会社側の示談提示額は、交通事故の前年の実年収をベースに算定されていました。

しかしながら、Mさんは若年ですので、現在の収入が今後もずっと続くわけではなく、今後昇進などによって収入の上昇が見込まれますので、後遺症逸失利益の基礎収入額が上がる可能性があることを説明いたしました。

②逸失利益―労働能力喪失期間―

後遺障害等級14級の場合、労働能力喪失期間は5年に制限される例が多くなっています。

ところが、保険会社側の示談提案における労働能力喪失期間は3年とされていました。

少なくとも、当事務所の経験上は、労働能力喪失期間5年未満で解決した例というのはなく、3年で示談解決してはならない旨を説明致しました。

また、逸失利益などの損害算定の原則的な基準を定めている「民事交通事故訴訟・損害賠償額算定基準」(赤い本上巻)によると、労働能力喪失期間の終期は原則として67歳までとされていて、むち打ち症の場合は14級で5年程度に制限される例が多く見られると紹介されています。

Mさんの後遺症は環指末節骨骨折によるものですから、後遺障害等級14級といえども、67歳まで認められるのが原則と考えられることになります。

相談後

●示談交渉の決裂

以上の法律相談時の方針説明どおりに示談交渉を行いましたが、保険会社の反応からして大幅な示談金の増額が見込まれなかったことから、Mさんの了解を得て裁判をすることにしました。

●民事裁判 横浜地方裁判所第6民事部(交通部)
①過失割合(ドア開放事故)

被告側は、Mさんにも2割の過失があるとして争いましたが、原告と被告双方の尋問を行い、加害者がドアを開けたのがMさんのバイクが通行する直前であったことなどを明らかにし、Mさんの過失0という判決を勝ち取ることができました。

②逸失利益-基礎収入額と労働能力喪失期間-

Mさんが若年労働者であって、将来、収入の増額が見込まれることを主張立証し、実年収の倍額以上の基礎収入額を認めさせることに成功しました。

また、Mさんの後遺障害等級は14級でしたが、労働能力喪失期間37年の判決を得ることに成功しました。

③約735万円の判決獲得

保険会社の示談提示額は約230万円でしたが、最終的に735万円の判決を獲得することができました(既払金約430万円除く。)。

小杉 晴洋弁護士からのコメント

小杉 晴洋弁護士

【解決事例のポイント】
① 保険会社の示談提示額約230万円を裁判によって約735万円まで増額(3倍以上)
② 後遺障害等級14級で労働能力喪失期間37年認定
③ 車のドア開放事故でバイクの過失0の判決
④ 実収入の2倍の基礎収入額認定

【コメント】
保険会社の示談提示額は低額であることがほとんどですので、サインする前に弁護士に相談しましょう

保険会社というのは営利企業ですから、安い損害賠償額が早く示談することを目指しています。

ですので、保険会社から受けた示談提案にそのままサインをしてしまうと、損をすることがほとんどです。

Mさんのケースも、保険会社の示談提示額から3倍以上高い解決金額となりましたが、こうしたケースは数多くあり、中には20倍以上で解決するケースもあります。

保険会社から示談提示を受けたという方は、まずは被害者側専門の弁護士に相談されることをおすすめします。

交通事故の解決事例 20

【むち打ち】【治療費打ち切り阻止】<80万円→360万円>保険会社提案80万円→裁判により4倍以上の360万円で解決

  • 慰謝料・損害賠償
  • 人身事故
依頼主 40代 男性

相談前

Cさんは40代の自営業者の男性で、ある日、追突事故に遭い、むち打ちとなってしまいました。
Cさんは、首や腰が痛かったことから、整形外科に通院していましたが、事故から3か月程度経った頃、保険会社の担当者から、もう3か月経つので、そろそろ治療費の支払は終了となりますと言われてしまいます。
保険会社の担当者より、むち打ちの治療期間は3か月程度と相場が決まっているとの説明を受けましたが、Cさんは、まだ首や腰の痛みが残っていたため、リハビリを続けられなくなるのは困ると思いました。
弁護士費用特約というものに加入していたことから、弁護士に相談してみることにしました。

★法律相談
Cさんに対しては、まず、「むち打ちの治療期間は3か月程度と相場が決まっている」という保険会社の担当者の説明がウソであることを説明しました。
そんな相場はありませんし、敢えて相場を言うとしたら、Cさんのように症状が残ってしまっているむち打ちのケースですと、治療期間の相場は6か月です。
また、保険会社の担当者の説明に従って3か月で治療終了してしまうと、慰謝料額が低くなりますし、また、むち打ちの症状が残ってしまったとしても後遺障害等級の認定が受けづらくなってしまうことを説明しました。
そこで、主治医の先生の見解に従いながら、最低6か月は通院するようにし、それでも症状が残るようであれば後遺障害等級の申請をするという方針で進むことにしました。
加えて、後遺障害等級の認定が得られた場合と得られなかった場合の損害賠償額の違いや、むち打ちで後遺障害等級を獲得するためのポイントについても説明致しました。

相談後

1 治療費打切り阻止の交渉
保険会社の担当者は、交通事故から3か月で治療費の支払を打ち切ろうとしていましたので、まずはこれを阻止するための交渉をしました。
弁護士介入後、電話一本で治療期間を延長してもらえることもありますが、保険会社内で既に治療費打切りの方針で固まっていたため、電話をしただけでは、治療期間の延長に応じてもらえませんでした。
そこで、主治医の先生に対して医療照会を実施し、Cさんの適切な治療期間についての医学的な見解を頂くことにしました。
主治医の先生は、3か月経過した現在でもCさんに症状が残っていたことから、まだリハビリが必要である旨おっしゃってくれましたので、その内容で医療照会回答書を作成頂き、これを保険会社の担当者に提出しました。
そうしたところ、保険会社の担当者も、社内方針を変更し、治療期間の延長を認めてくれました。

2 むち打ち症の後遺障害等級の申請
Cさんには特に椎間板ヘルニアなどの画像上の異常所見はありませんでしたが、通院6か月の治療を経ても、首や腰の痛みは完治しませんでした。
そこで、当初方針どおり、後遺障害等級の申請手続に進むことにしました。
むち打ち症で後遺障害等級を獲得するためのポイントは簡単に説明すると、①後遺障害診断書に余計なことは書かない、②プラスとなる所見については書いてもらう、③症状の推移に不自然さがないことを立証する、④事故態様の強さや身体にかかった衝撃の強さを立証する、このあたりが重要となってきます。
これらの注意点を踏まえ、後遺障害診断書や症状の推移などの医学的証拠を取り付けて、後遺障害等級の申請をしたところ、見立てどおり、後遺障害等級併合14級を獲得することができました。

3 示談交渉の決裂
獲得した後遺障害等級併合14級を元に示談交渉を行いましたが、保険会社の判断は渋いものでした。
Cさんは自営業者なのですが、交通事故の前は赤字申告をしていました。
これは節税の観点でなされていたもので、経費として挙げている車をプライベートでも使っているなどしていて、実際は、Cさんに所得があるような状況でした。
ただ、保険会社の担当者としては、資料に基づいて休業損害や逸失利益の判断をせざるを得ませんので、そもそも収入がなかったのなら、交通事故によって収入が減少することもないとして、休業損害や逸失利益は0円であるとの提案を行ってきました。
こうしたこともあり、保険会社の示談提案額は既払金を除いて80万円というものでした。
後遺障害等級14級を獲得した追突事故で示談金80万円というのは低額に過ぎますので、Cさんの了解を得たうえで、裁判をすることにしました。

4 民事裁判
この裁判の大きな争点は、保険会社から0円の提示を受けていた休業損害や逸失利益をいかに裁判所に認めてもらうかという点です。
Cさんが赤字申告をしていたのは事実ですから、これは裁判でも不利に働くことになります。
Cさんにも厳しい戦いになることは説明した上、資料収集などに協力してもらいました。
具体的には、交通事故前3年分の契約書・請求書・見積書・領収証・預金通帳などの資料をすべて洗い出し、Cさんに所得があったことを立証します。
また、クレジットカード明細、家計収支表、日常生活で支出したお金に関するレシートなども洗い出し、Cさんの生活状況を立証します。
以上の分析から、主張立証を行った結果、横浜地方裁判所の裁判官は、休業損害と逸失利益で190万円強を認定してくれ、既払金を除き320万円の和解金を獲得することができました(保険会社示談提示額の4倍)。

小杉 晴洋弁護士からのコメント

小杉 晴洋弁護士

【解決事例のポイント】
① 弁護士介入により治療費の打ち切りを阻止
② 弁護士による後遺障害等級の申請によりむち打ちで併合14級獲得
③ 保険会社示談提案80万円⇒360万円で解決(4倍以上)
④ 確定申告が赤字申告だったが休業損害と逸失利益190万円以上を獲得

【コメント】
①保険会社の治療費打切りを鵜吞みにしてはいけません

Cさんは、保険会社の担当者から、むち打ち症の場合、治療期間の相場は3か月くらいという説明を受け、素直に信じてしまいそうになったそうです。

しかし、この保険会社の担当者の説明はウソです。

そもそも、治療期間を判断する権限は主治医にありますので、保険会社の担当者には治療期間がいつまでかを判断する権限はありません。

Cさんのケースのように、弁護士介入により、治療費支払期間が延長されることは多々ありますので、治療費の打ち切りを言われている方については、被害者側専門の弁護士に相談されることをおすすめします。

②自営業者の場合の休業損害や逸失利益は弁護士に請求してもらいましょう

自営業者というのは、経営努力をしなければなりませんから、節税の観点で必要経費算入を行っていることが多いです。

しかしながら、交通事故の損害賠償請求では、これがあだになることがあります。

Cさんのケースでも、保険会社の担当者から、休業損害や逸失利益は0円であると言われてしまいました。

しかし、毎年赤字を続けていては生活できませんので、実際は、実質所得と認定できるものが含まれていることが多いです。

交通事故の損害賠償請求において、確定申告上の所得とは異なる実質所得を認定させるには専門のスキルがいりますので、自営業者の方が交通事故に遭われた場合は、被害者側専門の弁護士にそうだんされることをおすすめします。

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