20年のキャリアを活かしてトラブルを解決 依頼者の「次の人生」を切り開く
父の言葉に後押しされ弁護士に 人の役に立つ仕事を志す
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
高校生の頃は、学校の先生か福祉関係の仕事に就きたいと思っていました。あるとき、父から「お前は正義感が強いから、弁護士に向いているんじゃないか」と言われ、初めて弁護士という職業を意識し始めました。人の役に立つ仕事という部分に惹かれ、弁護士を目指すようになりました。
司法試験は何回も受け、途中で諦めようと思ったこともあります。ただ、辛いときには親が支えてくれましたし、合格者のアドバイスのおかげで勉強のコツも掴めて、合格できました。弁護士となった今では、ロースクールで受験生を指導しています。彼らと向き合うと、自分の原点に立ち返るような新鮮な気持ちになります。
離婚分野に注力 早めの相談が人生の選択肢を増やす
ーー注力している分野を教えてください。
男女問わず、離婚の相談を多く受けます。
不貞行為に関する相談が最も多く、その他には、配偶者が生活費を十分に入れてくれない、モラハラを受けている、といった相談が寄せられます。
夫婦関係に悩んでいる方は、なるべく早めに弁護士に相談することをお勧めします。中には、通院したり薬を飲まなければいけないぐらい身体的・精神的に疲弊してしまう方もいます。深刻な状態になる前に、弁護士に相談し、次の人生に向けて踏み出してほしいです。
相談しても、悩みはすぐには解消しないかもしれません。しかし、弁護士と話すことで、悩みの解消に向けた選択肢を提示してもらえます。ただ悩むことしかできない状態から、今後進むべき道を自分で選べる状態に変えることができるのです。
ーー依頼者とのコミュニケーションで心がけていることはありますか?
話をじっくり聞くことです。自分の経験を基に思い込みをしてしまうと、弁護方針を間違える可能性があり、依頼者にとって最善の解決につながりません。自分が無色透明になるぐらい、まっさらな気持ちで、依頼者がどうしたいのかをお聞きします。
依頼者の中には、最初のうちは緊張して、なかなか悩みを打ち明けられない方もいます。緊張を解いてもらうために、まずはお茶やお抹茶を淹れて間合いを取るようにしています。依頼者がリラックスするまで一緒にお茶を飲み、少しずつ会話します。高校時代は茶道部で、弁護士になってからもお茶の稽古をしていたので、お茶の味には自信があります(笑)。
ーーYouTubeやラジオにも出演し、積極的に情報発信をされています。
北九州で放送されていたラジオ番組に5年間出演して、今は月2回YouTubeの番組に出ています。ありがたいことに番組を見て相談に来てくれる方が増えています。誰でも気軽にアクセスできる媒体を用いて、一般の方が抱える様々な問題への解決方法や法律改正について発信することはとても意味があると思っています。今後も続けていきたいです。
「解決に乗り出した時は未来が始まった時」依頼者とチームとなり、未来に向けて走る
ーー弁護士として活動してきた20年間を振り返ってみていかがですか?
20年経って気づいたことは、依頼者は弁護士と一緒に走る人であることです。弁護士なりたての頃は何事も自分だけで考え、問題を解決しようとしていました。しかし今は、依頼者のこともチームの一員だと思い、その方にとって最善のゴールに向かって一丸となって走る意識で問題解決にあたっています。
そして、問題の先には必ず未来があることにも気づきました。離婚に踏み切った依頼者から、数年後「今、幸せです」という報告をもらうと、弁護士は依頼者の新しい人生に向けたお手伝いをする仕事だと実感します。
依頼者には必ず「解決に乗り出したときは未来が始まったときです」と励まし、幸せな未来を見据えて夢を語り合います。
ーー特に印象に残っているエピソードはありますか?
独立する前にお世話になった事務所には本当に鍛えられました。ある案件では、過去の判例に照らすと負ける見込みでした。そのことを所長に相談したところ、「判例とどう違うか考えろ」「マニュアル通りの弁護士になるな。依頼者が勝つ理屈を考えろ」と叱られました。
この出来事がきっかけで、法律や判例だけで勝敗を判断するのではなく、どんなに不利な状況でも依頼者の要望に応えるために何とかしようとする姿勢を持つことこそ、弁護士の仕事だと気付かされました。
ーー休日の過ごし方を教えてください。
最近は健康な身体づくりのため、毎週ゴルフの練習に通っています。時間があるときは日本舞踊や詩吟の稽古に参加することもあります。仕事が立て込んで時間に追われているときは、お抹茶を立てて気持ちを落ち着かせるようにしています。
ーー日本の伝統芸能がお好きなんですね。
2歳から祖母と日本舞踊の教室に通っていたので、三味線の音や着物の着方など、日本の伝統芸能が身体に染み付いているようです。
弁護士としてよい仕事をするには、人間性を磨くことが大事だと思います。そのためにも様々な趣味を持ち、人生を豊かにする教養を身につけるようにしています。最近はクラシック音楽に凝っていて、バイオリンを習い始めました。ちょっと練習を怠っているので、そろそろ再開しようと思います。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
同じ価値観を共有できる弁護士を育てたいと思います。私が20年間の経験から得たことを少しでも伝えて、社会に貢献できる弁護士が育つ事務所を作りたいです。
私の祖母は101歳まで実家の寿司屋のカウンターに立ち続けました。そういう祖母の姿を見てきたので、私も、身体が許す限り弁護士の仕事を続けたいと思います。
ーー法律トラブルを抱えて、悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
トラブルは人生を切り開くチャンスでもあります。チャンスを掴むためにも、ぜひ弁護士に相談してください。