吉田 純二 弁護士
依頼者には人を轢いたとの認識は全くなく、帰宅中、車のタイヤ付近から何か物音を感じ、動物でも轢いたかとなと感じ、近くの明るい場所で停車、降車し、車に異常がないか点検していましたが、特に異常はありませんでした。後日警察署に車を持っていって調べてもらった時も当初は何も異常は認められなかったものの、その後被害者のものと見られるDNAがタイヤ付近から発見されたと聞きました。私と同事務所の弁護士2名で受任し、事故現場を同じ時間帯に走行し記録化する等の調査を行いました。その上で、検察官に①本件ではそもそも依頼者の車両が被害者を轢いたとは必ずしも認められないこと(別の車が轢いた後を通過して付着した可能性もある)②深夜の時間帯に道路脇に人が倒れていることは通常予見できず、依頼者には過失がないこと➂人を轢いた認識がないのであるから、救護義務違反の前提を欠き、同罪の成立も認められないことを骨子とする「不起訴を求める意見書」や当職らの調査結果を提出しました。その結果、数ヶ月を経て、不起訴処分を得ることができました。依頼者は交通事故を起こしたということで、行政処分(免許取消処分)を受けるおそれもありましたが、審問期日に代理人として出頭し「現在捜査機関による捜査中であること、本件は無罪なのだから処分がなされるべきでないこと」を述べたところ、刑事事件の結果を待つということになり、その後、前記のように刑事事件が不起訴となったため、行政処分もされず、終わりました。
自動車運転過失致死、道路交通法違反(ひき逃げ)の被疑事実で検察送致されたが、意見書を提出する等の弁護活動の結果、不起訴処分(嫌疑不十分)を得た事例。の
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