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休日出勤後に休みたい! 「代休」と「振替休日」どんな違いがある?
画像はイメージです(よっちゃん必撮仕事人 / PIXTA)

休日出勤後に休みたい! 「代休」と「振替休日」どんな違いがある?

本来お休みの日なのに、休日出勤した。そんな場合、別の日に休むことは「代休」なのか、「振替休日」なのか、知っていますか?

弁護士ドットコムの法律相談コーナーに、休日出勤をしたところ、労務管理担当者からは「振替休日にして」と言われ、直属の上司からは「代休」と、正反対の指示を受けたと相談が寄せられました。相談を寄せた人は「代休と振り替え休日の違いわかりますか?」と聞いています。

「代休」と「振替休日」は、法律上の扱いは全く異なります。どんな違いがあるのでしょうか。森田梨沙弁護士の解説をお届けします。

●事前に会社が指定するのが「振替休日」

まず、「振替休日」とは、あらかじめ振替の日を指定した上で、特定の休日を労働日とすることです。

例えば、休日に会社が主催するイベントが行われるため、事前に会社が労働者に対し、「○日(本来の休日)は出勤して、代わりに○日(本来の出勤日)はお休みして下さい」と命じ、事前に休日を別の日に振り替えることをいいます。

本来約束された休日を変更するわけですから、会社がこれを命ずるには労働契約上の根拠が必要となります。

具体的には、就業規則等に、業務上の必要により休日を他の日に振り替えることが出来る旨を定める規定が存在し、これに基づいて行われて初めて有効となります。また、このような規定がない場合でも、労働者の個別同意があれば有効となります。

では、本来の休日に働いた場合、休日割増賃金は発生するのでしょうか。

会社が休日振替を行う場合、労働基準法上の1週1日の休日(4週間で4日などの変形週休制をとっている場合はそれに従った休日)の要件を満たさなければなりません。逆に言うと、それを満たしている限り、休日割増賃金(35%増)は発生しません。

ただし、本来の休日に働いた結果、その週の労働時間が40時間を超えた場合は、時間外割増賃金(25%増)を請求できます。

●「代休」は「休日割増賃金」の支払いを請求できる

「代休」とは、例えば休日に突発的なトラブル発生により対応が必要となり、会社から当日急遽出勤を命じられたような場合に、事後的に会社が労働者に対し、代わりの休日を与えるような場合をいいます。

代休も振替休日と同様に、労働契約上の根拠が必要であり、就業規則等に従って行うか、あるいは労働者の個別同意が必要です。

代休の場合、休日が休日であることが変更されないまま出勤をするわけですから、それが労働基準法の要請する休日(1週1日、あるいは4週で4日以上の法定休日)であった場合は、休日労働の要件を満たす必要があります。

つまり、休日労働のための36協定等の根拠が必要ですし、休日割増賃金の支払いも請求できることになります。

では、「振替休日」と「代休」のどちらにするか、労働者で選ぶことはできるのでしょうか。

「振替休日」と「代休」とは、会社が事前に休日を変更したのか、あるいは休日労働をさせた後で事後的に代休日を与えたのか、という根本的な違いがあります。つまり、労働者がどちらにするかを決められるような性質のものではありません。

なお、労働基準法上の休日労働に関する要件を満たす限り、「振替休日」「代休」ともに、取得日数に制限はありません。

(弁護士ドットコムライフ)

プロフィール

森田 梨沙
森田 梨沙(もりた りさ)弁護士 共進総合法律事務所
中小企業法務、労働案件、一般民事(交通事故、不動産、離婚事件他)など幅広く手掛ける。事案の早期解決及び予防法務の観点から、依頼者と密なコミュニケーションをとることを常に心がけている。趣味はゴルフと漫画。

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