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夫に届く「卑猥なメール」なんと送信者は「元妻」…これって不貞行為になる?
画像はイメージ(cba / PIXTA)

夫に届く「卑猥なメール」なんと送信者は「元妻」…これって不貞行為になる?

夫の携帯に届く、卑猥なメール。送信しているのは元妻だったーー。そんな相談が弁護士ドットコムに寄せられた。相談者によれば、元妻は夫に「LINEに卑猥な発言を多数」送っているという。さらに、夜間に元妻の自宅を訪ねていることがわかっている。

内容は「今すぐ抱いて欲しいのに」というもののほか、「子どもが寝たのでいつでも性交ができるから会いに来て欲しい」というものもあった。直接的な証拠はないものの、不貞を疑っている。

相談者は「これらの間接的な証拠で不倫とすることはできますか」と聞いている。決定的な証拠ではないが、不貞関係にあることを示唆するメッセージとも言えそうだ。離婚や慰謝料請求は可能か。河内良弁護士に聞いた。

●離婚や慰謝料請求は「ほぼ不可能」

「まず、このようなメールのやり取り『だけ』で、不貞行為を認定して離婚請求や慰謝料請求が認められるかという点については、ほぼ不可能と言い切って良いと思います。

『不貞行為』とは、一般には、配偶者以外の異性と、性交または性交類似行為を行うことをいいますが、仮に、二人が実際にどこかで会って、このような卑猥な話をしていたとしても、性交または性交類似行為をしているわけではなく、単なる猥談を交わしているだけに過ぎないからです。

また、このようなメールのやり取りだけで、『婚姻を継続し難い重大な事由』(民法770条1項5号)に該当するということもできません」

相談者は強い疑いを持っているようだ。何かできることはないのか。

「今回問題となっているメールについては、写真を撮るなどして手許に残しておくべきです。

次に、夫の行動調査をし、より不貞行為の存在を疑わせる強い証拠を獲得するべきであろうと思われます。夫は元妻の自宅に夜間出入りするということです。興信所に依頼するなどして、尾行、写真撮影によって証拠を集めて調査報告書にまとめることも有効です。

興信所の調査報告書とメールのやり取りの合わせ技で、不貞行為の認定を導ける可能性があるからです」

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

河内 良
河内 良(かわち りょう)弁護士 河内良法律事務所
大学時代は新聞奨学生として過ごし、平成18年に旧司法試験に合格。平成28年3月に独立した。趣味はドライブと温泉めぐり。

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