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不倫相手の子を出産、「略奪婚」までにかかる時間…「パパ」が「夫」になる日は遠く
写真はイメージです(xiangtao/PIXTA)

不倫相手の子を出産、「略奪婚」までにかかる時間…「パパ」が「夫」になる日は遠く

同居している不倫相手と結婚したいと望む女性から、弁護士ドットコムに相談が寄せられました。女性はいま、相手との間にできた子どもと3人で暮らしています。ただ、相手の離婚は成立していません。

相手の男性には、妻との間に小学生の子どもが3人います。別居を始めて1年半が経過し、女性は早く相手と結婚し、戸籍上の「夫」になって欲しいと考えているようです。相談者の女性と不倫関係にあることは「気づかれていない」と、相談者はいいます。

相談者は「離婚までどのくらい時間がかかるのか」と疑問に思っているようです。また、男性は本当に離婚できるのでしょうか。理崎智英弁護士に聞きました。

●「妻が承諾しない限りは離婚はできない」

身勝手と言う人もいそうですが、相談者とその相手は真剣に再婚を望み、妻とは離婚しようとしています。このようなケースでは、妻が簡単に離婚に応じるとは思えません。調停、裁判となった場合、離婚はできるのでしょうか。

「結論から言いますと、男性は、妻が承諾しない限りは離婚できません」(理崎弁護士)

なぜでしょうか。

「男性は、妻以外の女性(相談者)と不貞関係にあるわけです。つまり、男性側に離婚原因があります。このような場合、妻からの離婚請求は認められても、有責配偶者である男性からの離婚請求は認められません」

●有責配偶者からの離婚が認められる条件

妻とはすでに別居し、うまれた子どもと相談者の3人で暮らし始めています。それでも離婚は難しいのでしょうか。

「有責配偶者であっても例外的に離婚請求が認められる場合はあります。

(1)夫婦の別居が相当の長期間に及んでいること、(2)夫婦間に未成熟子がいないこと、(3)離婚によって相手方配偶者が精神的、社会的、経済的に極めて苛酷な状況に置かれる等離婚請求を容認することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情が認められないこと、という要件を満たす必要があります(最高裁昭和62年9月2日判決)。

(2)の「未成熟子」とは経済的に自立していない子どものことです。今回のケースでは、男性は妻との間に小学生の子が3人いるとのことなので、その子たちが成長し、上記(2)の要件を満たすようになってはじめて離婚は認められるでしょう」

(弁護士ドットコムニュース)

プロフィール

理崎 智英
理崎 智英(りざき ともひで)弁護士 高島総合法律事務所
一橋大学法学部卒。平成22年弁護士登録。東京弁護士会所属。弁護士登録時から離婚・男女問題の案件を数多く手掛ける。

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